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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:1999年発売『ドラえコン』」から

2011.12.16  日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:1999年発売『ドラえコン』」から

未来を垣間見るリモコン

コラムの著者でフリーランス・ジャーナリストの高嶋健夫氏が語るのは、夢のある話である。1999年にキャラクターのドラえもんのリモコンということで、玩具メーカーのエポック社が発売した「ドラえコン」である。確かに玩具であるが、最新の東芝ホームアプライアンスが発売したエアコン用ボイスコントローラ「VOiPY(ボイピィ)」と似ている。つめり、音声認識リモコンである点が共通だという。

高嶋氏が言うのは、「ドラえコン」が「VOiPY(ボイピィ)」の先行であって多くの機能が実現されていた点だ:

①国内外全メーカーの主要テレビ機種に対応した汎用性

②登録した声だけを識別して反応する。言い換えれば、音声認識によるセキュリティー機能ともいえる

③対話を続ける内にドラえもんの話し方が変わる育成ゲーム

何れも最先端だが、2000年に後継機が発売されたが廃番となった。ところが、iPhone4Sに搭載されている音声認識も格段と向上し、本物のドラえもん(キャラクター型生活支援ロボット)の登場も夢ではなくなった。

音声で、家電製品や住宅設備などをコントロールできることで、高嶋氏は、家庭用ロボット市場がこんなところから離陸するのではと期待している。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:売りながら市場調査」から

2011.12.15 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:売りながら市場調査」から

脱業界の常識

コラムの著者 法政大学経営学部教授 西川英彦氏の紹介事例は、男性ファッション誌トップの宝島社「smart」(36万部)である。視点は、雑誌の企画である。

この雑誌の特徴と企画は次のようになっている:

  • 表紙は、たくさんの見出しを並べる
    • 内容をいち速く伝える
    • 新規読者にも買いやすくする
  • 主題の特集は売れ筋で女性にも受けやすいテーマ
    • 腕時計:有名人のかばんや腕時計を紹介した「男の持ち物検査」企画
    • 好反応で好評であれば連続掲載もいとわない
  • 従来のファッションに興味がある読者層だけでなく、購買層を広げる実験も行う
    • アイドルやスポーツ選手の記事の掲載

このように販売しながら、実験と検証、さらに新しい企画と言ったサイクルを回しながら、従来の業界の常識を覆す点で興味深いという。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「コスト削減『仕組み化のススメ④』」から

2011.12.15  日経産業新聞集の記事「コスト削減『仕組み化のススメ④』」から

難儀な『間接材仕入れ』に挑戦する

コラムの著者 A・T・カーニー プリンシパル 糸田哲氏が焦点を当てるのは、『間接材』のコスト削減である。間接材は、原材料以外のモノやサービスで、賢く仕入れることが困難である。仕様も多様で、市中相場もはっきりしないものが多い。原材料に専門部隊を持つところは多いが、間接材に対しては皆無に等しく、あまり深く考えず、社内の各部署が、割高な仕入れのままで済ましてしまうという。

大手75社の状況を糸田氏の会社が調査したところ、間接材の調達の改善状況について、

  • 経営における位置付け:3.1
  • 現状把握のレベル: 2.3
  • 取り組み体制: 2.3
  • スキルの共有: 1.9

(数値はA・T・カーニーの大手企業75社アンケートから抜粋:何れも、0~4までの5段階評価)

となった。経営陣以下、見直しの機運は高まっているが、現場では個々人が右往左往をしているのが、間接材購入の現状のようだ。適正価格も相見積もりなどを行う手間がかかり、把握しきれない。そこで糸田氏が勧めるのは:

①間接材の購買を統統括する組織が必要である。

②①の組織は、「適正価格の把握」、「ノウハウの蓄積と提供」、「全社・グループの集約」を役割とする。

③①の組織は最初に様々な支出をチェックし、支払金額などから優先度をつけ適正価格を調査し、サプライヤーと仕入れ交渉を行う。

④①の組織は原材料購買のように過去の実績などに基づかず、構造改革を推進する。

⑤①の組織は市場価格をデータベース化して社内で共有化し、間接材の調達を1本化してスケールメリットをとる。これによって要望や意見、価格の交渉が可能となる。

上記の間接材の統括購買組織では対人スキルが求められるが、交渉を日々重ねることでスキルアップを狙っていくべきというのが糸田氏の意見である。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:前触れ心理学、元気提供、消費も刺激」から

2011.12.14   日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:前触れ心理学、元気提供、消費も刺激から

ちょっと前触れの予測、占いの効果

コラムの著者でジャパンライフデザインシステムズ社長の谷口正和氏の提案は面白い。

コラムでも谷口氏が指摘するように、テレビから新聞など星占いのない日はないという。人気の秘密は、どうやら、小さな「人生の前触れ」で、人間の行動や心理に大きな影響を与えるようだ。

この予測を信じることで、予測を実現する方向ばかりに目が行くそうで、「自己充実予測」と呼ぶそうだ。現代のメディアミックスでは、自己充実予測の活用が大切という。

広告は、考えてみれば、この前触れ心理を活用し成り立っている。ただ、提供者論理で広告すると「押し付け」となりかねない。

最後に谷口氏が提案する自己充実予測は、「元気」に集約することだという。「元気」コンセプトの前触れキーワードを探し、相手に対しても心が軽くなるような前触れ心理が働けば素晴らしい。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「体験的リーダー論、キヤノン電子・酒巻社長⑦」から

2011.12.14 日経産業新聞の記事「体験的リーダー論、キヤノン電子・酒巻社長⑦」から

『マネジメントの要諦は組織を率いて成果を上げるために部下の力を引き出すこと。管理が目的ではない。』

コラムの著者 キヤノン電子社長 酒巻氏が語っているのは、マネージメントのあり方である。

  • マネジメントとは、リーダとして組織を率いて成果を上げることであり、そのために部下の力を引き出すこと。管理が目的ではない。
  • 経営者や部門長などのリーダーになったら、具体的な目的、目標を部下にしめす必要がある。そのために、自社や自部門はどうしたいのかをじっくり検討し、自らの「考え」を持つ。
  • その考えに近づけるために、実際に汗をかく部下の方向性を合わせ、教育し、部下自ら「考える」ことを勧める
  • また、部下を観察し、一人ひとりの強みをどう発揮させるかを考え、部下自身が自社にどう貢献しているかが分かる意識を持たせる。
    • 自分の持つ情報と部下の持つ情報を同じにして共有できるようにする
    • 部下が「やるべきことは何か」が自覚でき、「自分は何ができるか」を考えらるようにする
  • 自発的な行動を促す仕掛けを作っても良い
    • キヤノン電子では、4人一組で何でもよいから世界一を目指すようにして成果を評価する「ピカイチ運動」なる仕掛けがある
    • コンプライアンスや省エネなど「会社」として取り組む「管理」が必要なものも自主的に解決できれば大きな力となる。リーダーの知恵の出しどころ。happy01