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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「コスト削減『仕組み化のススメ⑦』」から

2012.1.26  日経産業新聞集の記事「コスト削減『仕組み化のススメ⑦』」から

CS向上と効率化を目指し、バックオフィスをカスタマーセンター化

コラムの著者 糸田哲氏(A・T・カーニー プリンシパル)は、営業の顧客対応から新規顧客の開拓、新提案ができる「仕組み化」として、商談や事務処理を専ら行うバックオフィスを「カスタマーセンター」化した事例を示し、顧客満足度の向上と効率化を両立させる秘訣を示している:

【バックオフィス部門の常識を覆す】

・「バックオフィス部門には判断を伴う仕事は無理」という常識を「カスタマーセンター」化することで覆した

⇒顧客の声に耳を傾けるだけでなく、急な手配や見積もりにも対応させることで顧客満足度(CS)は一気に高まった。

⇒営業部隊は新たな商談に注力でき、成果が出た

【3つのポイント】

①業務の切り分け

⇒営業部隊の業務で何をカスタマーセンターに委ねるのかが最初のハードル。日常の事務処理から、サービス内容に対する専門的な問合せまで整理して線引きする必要がある。

⇒やり取りの中で潜在的な顧客ニーズをくみ上げる

②情報連携の仕組み

⇒顧客からみて、カスタマーセンターの対応・処理した内容を担当営業が常に把握できる仕組みである。

⇒訪問時にギャップが生じないようと同時にカスタマーセンターの対応に対するチェック機能が働くようにしておく。

③顧客の切り分け

⇒専らカスタマーセンターが対応する顧客でカスタマイズが少ない顧客を持つことで、期待収益は小さいが、顧客数が期待できる

最後に①から③を束ねるカスタマーセンターの責任者には判断力と指導力が要求される。coldsweats02


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:コンテクストずらし」から

2012.1.26   日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:コンテクストずらし」から

変化した状況に笑いが

コラムの著者 中央大学商学部の三浦俊彦教授が示すのは、漫才やお笑いに隠された「コンテクストずらし」がマーケティング戦略に役立つという点である。

漫才コンビ「爆笑問題」やパンクブーブーなど若手お笑い芸人らで優れたお笑いに共通しているのが、「コンテクストずらし」という。聴きなれない言葉であるが、コンテクストとは、言語学でいう文脈や状況のこと。コンテクストずらしとは、その場の文脈や状況を一瞬ずらすことによって、同じものが、まったく違ったモノに見えることを指している。ここに、企業の広告やマーケティング戦略で利用できる内容があるという。

【漫才でのコンテクストずらし】

・漫才コンビ「サンドウィッチマン」宅配ピザ:

  • タクシーで来る宅配ピザの配達人
  • お釣り
  • ピザの注文

など、本来の意味をずらすことで「笑い」が生まれる。

エンタの神様 サンドウィッチマンの動画 宅配ピザ

【サントリー食品インターナショナルのTV広告:緑茶飲料『伊右衛門』】

・俳優の本木雅弘さんと宮沢りえさんによる京都の歴史を感じさせるコンテクストで、ペット飲料を超えて何か深い味わいのある伝統のお茶に見えるてくる。

このように、お笑いや漫才はコンテクストずらしの凝縮と考えれば、企業広告やマーケティング戦略でブランドを認知させる手法とみることもできる。happy01

 


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:5800万冊を再利用、ネット売買、アフリカに慈雨」から

2012.1.25   日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:5800万冊を再利用、ネット売買、アフリカに慈雨」から

You buy, we donate (貴方の購買で、私たちは寄付します)

コラムの著者竹内道氏(アークメディア社長)が紹介するのは、世界中の識字率向上、とくにアフリカの貧困に苦しむ子供たちへの力となる社会起業のモデルである。

この運動を進めているのは、米インディアナ州の名門大学、ノートルダム大学の学生3人が始めた不要な教科書をネット販売するベンチャー、ベターワールドブックス(▶参考)である。

教科書は通常の書籍以上に高価であり、学生たちには重い負担となっている。これをニーズに、景気動向にあまり影響を受けず、毎年躍進しているオンラインショッピングサイトである。

同社は、社会貢献を社是であり、DNAであることから、ごみとなるところであった5800万冊(2011年末時点)の本を販売、また寄贈することで、再利用してきた。収益の一部を識字率向上を目指すNPO Book For Africaなど5団体に寄付してきた。2011年8月に寄付金が1000万ドルに到達したことを記念して、Book for Bookというプログラムを開始した。同社のサイトで1冊本を買うごとに、1冊の本を、貧困に苦しむアフリカの子供たちを支援する団体に寄付する。最近このビジネスモデルが社会起業に注目されている。

同社の売上は順調で、自分のためだけでないショッピング活動が人気を集めている。happy01

 


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「体験的リーダー論、キヤノン電子・酒巻社長⑪」から

2012.1.25 日経産業新聞の記事「体験的リーダー論、キヤノン電子・酒巻社長⑪」から

考える社員が企業価値の源泉

コラムの著者 キヤノン電子社長 酒巻氏は、一言で言うと、部下の育て方で企業収益を左右するところまで明快に説明している。先ずは、部下育成のポイントについて見てみよう。

【酒巻社長の部下育成のポイント】

①部下自身が考える癖をつけること

⇒やるべき仕事は指示しても、具体的な実現方法までは明示しない

⇒実現方法まで示してしまうと「指示待ち」となり、やらされ仕事だから楽しくない。モチベーションも下がる。

⇒自分で考えるから仕事が楽しくなる。意欲もわき、出来るようになる。やる気が、部下を伸ばす。

❤酒巻社長のアプローチ:「質問」戦略❤

事例:部下の仕事のやり方に対して、問題があるとする。正しい方法を教えるだけでは部下は考えない。

質問の例:「なぜそうするのか?」「この方法以外にはないのか?」といった質問。⇒質問に対して部下が「自分のやり方は何が間違っているのか?どこをどうすればよいのか?」といった問題の所在を探ることになり、あるべき答えを思考する。

②自分で考える姿勢が定着すると、改善提案ができるようになる

⇒このとき、上司は、待ったをかけずに、試しに一度はやらせてみて、「質問」で良い方向に導くこと。

⇒何度も待ったをかけると、「言うだけ無駄」となってしまい、アイデアを出さなくなる。不完全であっても受け入れる。

③個々の提案で得られた改善効果はわずかであっても、それが積み上がった時は絶大な効果がある。

⇒酒巻社長もリーマン・ショック後で落ち込んだ売上を、多くの社内アイデアによる改善提案で、1年後従来より270%向上したという。

結果として、自分で考えられる社員を育てることは、大きな効果を生む。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:地方大の技術:地元に利益ある仕組みを」から

2012.1.24  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:地方大の技術:地元に利益ある仕組みを」から

地元への利益還元がキー

コラムの著者 新田義孝氏(四日市大学)が指摘するのは、地方大学の技術や地元の工業技術を工業所有権、いわゆる特許だけでなく、地方に還元するための仕組み作りの必要性である。

東北地方の漁業者が持つ養殖のノウハウが南米で大規模事業化されたといった事例にもあるように、新田氏が言うには、技術やノウハウを提供した側に十分な報酬が得られていないのではないかということである。多くは特許やビジネスモデル特許で保護されているものの、例えば、料理の場合にフランスがソムリエを発明したように、本家が認定して権威ある資格を出すといった仕組みがあれば、ブランド化によって報酬が得られる。

さらに地元のノウハウを地元の繁栄のために活かそうとするインセンティブがあればもっとよいという。

何れにしても、これまで海外展開や技術指導では地元への利益還元の仕組みが弱く、継続性が厳しい。工業所有権のみならず、仕組みの構築が活性のキーであろう。happy01