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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「コスト削減『仕組み化のススメ⑤』」から

2011.12.22  日経産業新聞集の記事「コスト削減『仕組み化のススメ⑤』」から

子会社への貢献度をゲインシェアリングで

コラムの著者 A・T・カーニー プリンシパル 糸田哲氏が焦点を当てるのは、子会社のコスト削減意識でである。

人材の受け皿、新規事業の立ち上げといった多様な目的で子会社を設立するが、その稼ぎ方が問題になるという。親会社を含めたグループ内での取引は黒字なのに、外部との商談では赤字というケースが目立つという。赤字の阻止をすぐに指示するところであろうが、再検討すると、グループ内取引で出している黒字は、実は”身内”に割高なサービスを押し付けている証拠ではないのかということである。

よくある事例は、グループ内取引が前例踏襲型で、改善が進まない例である。そこで、糸田氏が提案するのは、”ゲインシェアリング”(利益折半)という仕組みづくりだという。

ゲインシェアリングは、調達価格の引き下げなどで手にした「果実」を協力した関係者で山分けにするという考えで、先ずは取引内容とそのコスト構造を明確にしてみる。その際に、包括契約になっていたり、細かすぎて非効率になっているといったグループ内取引の問題も焙り出せるという。

①取引内容とそのコスト構造の明確化

②効率化目標の設定と共有⇒グループ内取引でどこまで切り込めるかを決定。

③利益配分のルール作り⇒原則は貢献度合いによる振り分け。子会社が主体となって努力するなら、期間を1年くらい区切って、親会社と折半するのも1つの目安。

④子会社の社員教育でグループの利益の最大化を第一に考えることを共有する

慣れ合いでは、グループ全体の力が出ないことを共有すべきと糸田氏は警告する。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:IT革命、若き指導者どう向き合う」から

2011.12.21  日経産業新聞の記事「眼光紙背:IT革命、若き指導者どう向き合う」から

キタの動きを映すIT革命

コラムの著者は、アジア情勢に多大な影響のある北朝鮮の金正日総書記の死と後継者と目される金正恩氏について語っている。コラムの著者は、2006年1月に金正日総書記が中国広東省の開放路線の先進地を訪れていたことや、今年5月江沢民前国家主席の出身地、江蘇省揚州を訪ねている。この2つには大きな違いがあるという。

広東省訪問は、改革開放路線と北朝鮮の経済改革のつながりであり、江蘇省訪問は、後継者問題のバックアップを中国首脳部に影響のある江氏に託したとの観測だ。ただ、この2回の訪問も厳重な情報管理によってベールに包まれていたが、今年の訪問は、インターネットで、南京の工場視察御様子などがうかがい知れた。いわゆる盗撮であろう。

ITによって当局の厳戒態勢をも潜り抜け、金総書記の動きが分かってしまう。コラムの著者は、こういった時代に若返りする北朝鮮の指導部は、世界的な変革の波にさらされるのではないかと予想している。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「体験的リーダー論、キヤノン電子・酒巻社長⑧」から

2011.12.21 日経産業新聞の記事「体験的リーダー論、キヤノン電子・酒巻社長⑧」から

改革時の決断

コラムの著者 キヤノン電子社長 酒巻氏が語っているのは、改革時の決断の要諦である。経営者を始めてするリーダーは、酒巻氏の言葉を借りれば、「会社を守り、社員の生活の面倒を見る」ことが前提である。

【秩父の本社の改革事例】

・酒巻氏が社長に就任したころ、秩父の本社関連で子会社が5つあった。100%子会社は1社で、残りは地元資本で、しかも倒産をさせないといった約束があったという。

・しかし、本社の利益を削ってまで、子会社に仕事を回しているいるのが現状で、多くの固定費を本社が面倒を見ていても赤字で、子会社が本社を圧迫しているのは明らかであった。

・子会社の整理を断行する前に、多くの役員から強い反対の声があった。つぶさない約束を反故しないために存続してくれというのだ。これに対して酒巻氏は、「だったら、子会社を残してどうやってキヤノン電子を立て直すのですか。子会社に回す仕事はもうないんです。このままではキヤノン電子が潰れるかもしれない。整理に反対するなら子会社を黒字にして見せてください。そうしたら何も言いません。」と言い切った。

・多くは「会社のために」と考えつつも、地域の有力者に力を誇示していい顔をしたいだけで、本気で子会社を救う意思はなかったという。

・子会社の整理の決断後、多くの子会社が猛反発したが、「このままでは親子共倒れで、どのみち子会社は潰れます」と説得。結果的には、本社所有の不動産に集約し、土地を安く譲渡。解散子会社の社員はキヤノン電子がすべて引き受けることで合意したという。

【改革の反対理由】

・多くは既得権で、これを保持したいために反対をする。この改革は自分の利益のためではないのかと何度問い直し、「会社のため、社員のため」と確信できるかであろう。

・決断の大敵は、「情」と「欲」である:情は、上記の事例のように「社員がかわいそうだから」といった匿名の投書がたくさん酒巻氏に届いたそうだ。それに流されていては決断が鈍る。社員のために本当に何が第一かを考え、情を排除しないといけない。同様に、欲も正しい判断には邪魔であるという。何れにしても、反対派に隙を与えてしまいかねない。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:においでがん診断」から

2011.12.20  日経産業新聞の「TechnoOnline:においでがん診断」」より

医療の最先端、におい診断の将来

コラムの著者 東京大学名誉教授 山﨑弘郎氏は、病人の発する特有のにおいで診断ができないかという最先端研究にふれ、採血の手間や放射線被ばくの心配のない理想的な非侵襲診断の可能性について紹介している。

人間より嗅覚の鋭い訓練された犬で、患者の呼気から、肺がんと健常者とを高い確率で識別したとの報告もあるという。においでがんが早期発見できれば、身体に負担がない診断が行える。

診断技術は、人間による視診、聴診、触診で確立され、それにセンシング技術やICTが結び付き、超音波エコー技術、コンピュー断層撮影装置、磁気共鳴画像装置に発展してきた。同様に、「嗅覚」による診断が付け加われば、ICTによって、がん指標の成分を雑音となるにおいや人間由来のガスを取り除き、センシング技術で分析できるようになれば実用化も夢ではない。すでにガス漏れ検知のメタンガスセンサー、飲酒運転を見つけるアルコールセンサーなどが実用化されていることから、微量な爆薬や麻薬も訓練犬なしに検出できる高感度検出器の開発も成功しているようだ。

医療とICTの結合による新診断法。まだまだフロンティアではあるが、実用化には近付いているようだ。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:経営陣の理解あっての革新」から

2011.12.19  日経産業新聞の記事「眼光紙背:経営陣の理解あっての革新」から

『技術は一流、経営三流』を最後にしたい

コラムの著者は、オリンパスの経営問題に関して、憤りを感じている。今から53年前に現オリンパス(当時、オリンパス光学工業)からスピンオフした技術者 故・杉浦睦夫氏が創業した杉浦研究所について触れている。杉浦氏は、昭和20年代に東京大学病院らの医師とともに「ガストロカメラ(胃カメラ)」を開発した方で、吉村昭氏の小説『光る壁画』(新潮文庫)の主人公だ。

胃カメラという人類の医療のイノベーションを成し遂げた杉浦氏はオリンパスを退職後、40歳のときに研究所を立ち上げた。その成功に、多くの現場技術者の成果に結びつく要因として、「経営陣の理解と励まし」があるという。

財テクの失敗による巨額損失隠し問題で、老舗のオリンパスが危機に瀕している。まさに「技術は一流、経営三流」は最後にしたいというのがコラムの筆者の口調だ。wobbly