Previous month:
2011年7 月
Next month:
2011年9 月

2011年8 月

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:同質化対応」から

2011.8.11   日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:同質化対応」から

大手ブランドが持つ伝家の宝刀「同質化対応」

コラムの著者 中央大学商学部の三浦俊彦教授は、第3のビールを事例に、ライズ&トラウトの著作「マーケティング22の法則)(▶ 参考)による「カテゴリーの法則」について解説している。

第3のビールは、発泡酒と原料が違うことから酒税が安く、低価格のビールテイスト飲料として売れている。最初に発泡酒を出したのは、1994年のサントリー「ホップ」である。現在のトップブランドは、キリンビール「のどごし<生>」(2005年4月発売)、第3のビールとして最初は204年2月発売のサッポロビールの「ドラフトワン」である。ここでここで注目すべきは、同書の「カテゴリーの法則」。当該ジャンルでトップになるのが難しいならば、自分でその中に新しいカテゴリーを作り、そのトップになればよいというものである。

発泡酒のサントリーもサッポロビールもビール系飲料という新しいカテゴリーを作ったからこそ、当初はトップの座で勝ち続けた。しかし、その市場が大きくなると、ビール会社としては大手でブランド力のあるキリンビールが追随し、トップの座を奪う。この力が「同質化対応」である。ブランド力があり販促費をかけ、製品開発能力が高い企業は、後発でも、カテゴリーを席巻する。このようにリーダ企業には、同質化対応という伝家の宝刀があると三浦教授は語る。beer


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「科学技術と社会連携のカギ⑥」から

2011.8.11 日経産業新聞の記事「科学技術と社会連携のカギ⑥」から

政策の策定過程で「対話」が少ない日本

コラムは、政府が政策面で科学技術を後押しする場合、パブリックコメントを求めるといった動きは活発になってきているが、科学技術を評価する点が日本には組織だって行われていないと指摘する。欧米各国では、政策の策定過程で、技術評価を社会にもたらす影響などを予測して行い、広く国民に意見を求めて問題の提起や提言を通じて政策に反映させている。

科学界、政界、社会の間の「対話」がないと、コンセンサスが取れず、2009年の事業仕分けで問題が出たように誤解が生じる。この相互理解が、科学技術が益々日常生活で重視される将来には必須事項となろう。sign03


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「震災の情報伝達ツイッター評価、総務省」から

2011.8.10  日経産業新聞集の記事「震災の情報伝達ツイッター評価、総務省」」から

総務省2011年情報通信白書を公開。ソーシャルメディアの有用性を評価

記事では、総務省が公表した情報通信白書(▶ 参照)について触れている。ツイッター等のソーシャルメディアが東日本大震災で、被災地に関する情報を実時間で発信したことについて、「マスメディアより早く被害状況を伝えた例もある」と評価した。

同白書には、東日本大震災のような災害に対して以下のような課題が浮かび上がったとしている:

  • 災害に強いICTインフラの必要性
  • デジタル・アナログの情報変換
  • 震災に関連したチェーンメールや悪質なメール等への対応

著者も山形県でツイッターなどのソーシャルメディアのありがたさを感じたが、被災地でのデジタル・アナログ変換、風評メールに関してはまだまだ改善が必要と思っている。

震災とインターネット。今後白書が報告しているように密接に絡んだものとなろう。

 


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「パソコン30年先駆者たちの証言」から

2011.8.10  日経産業新聞集の記事「パソコン30年先駆者たちの証言」から

初代MITメディアラボ所長、曰く「成功は明日の敵」

コラムでは、日経新聞の記者が、米マサチューセッツ工科大学(MIT)のメディアラボ初代所長であったニコラス・ネグロポンテ氏(▶ 参考)をインタビューした内容だ。ネグロポンテ氏は、筆者がメディアラボに客員研究員として留学していた時の所長だった。彼の著者、「Being Digital(邦訳:ビーイング・デジタル―ビット時代」」(▶ 参考)はベストセラーとなった。され、インタビューの内容は?

【市場原理がIT業界の世界では熾烈】

米国ICT関係で有名な企業について、ネグロポンテ氏の見通しを語っている:

①アップル:「自己革新的な会社だが、ネット市場をすべて自分で管理しようとすれば、失敗しかねない」と指摘。

②米マイクロソフトとインテル:「成功は明日の敵だ。確かにパソコン市場を支配したが、今では拘泥している」と語る。独占的な支配が反って企業の成長力を鈍らせ、技術革新を妨げると警鐘を鳴らした。

③米アマゾン:「電子書籍はアマゾン・ドット・コムの方が、(アップルより)賢く事業を展開している」と、ネット事業会社での戦略違いを指摘。

④IBMとIBM-PC:「PCは車の『T型フォード』と同じだ。彼らが提唱したのは、誰もが日常生活でコンピュータを使えるようにすることだった。私も彼らのパソコンの普及計画に加わったが、最初は消費者向けを想定したものの、中小企業や学校にしか広がらなかった」と振り返る。

【メディアラボの使命】

・「我々の任務は新しいメディアの開発者とその利用者に共通の場を提供することだった。タイミングは大正解。我々はそれを『コンバージェンス(融合)』と呼んだ。我々の計画を笑う人もいたが間違っていたのは自分だと気付いたようだ」

メディアラボが1985年に出来て25年。今の所長、伊藤穰一氏(ネオテニー社長、デジタルガレージ取締役)は著者にとって弊社の前会長。メディアラボも因縁があり、ICTのパワースポットである点は変わらないようだ。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「『社会的責任』世界の視点⑤:引き金は不祥事から」から

2011.8.9  日経産業新聞集の記事「『社会的責任』世界の視点⑤:引き金は不祥事から」から

米国の「紛争鉱物」規制とCSR

コラムの著者 損害保険ジャパン理事CSR統括部長 関正雄氏が指摘するのは、CSRはもはや国内の社会的責任を越え、国際的な範疇に入っていることを企業経営者は自認しておかねばならないという。

関氏は日本の企業の社会的責任をコラムの中で歴史的な流れを紹介している。

日本での企業の社会的責任が注目されたのは「不祥事」からだと指摘。1970年代、公害やオイルショックによる買い占め・売り惜しみが発端で、さらに、証券・金融業界の一連の不祥事だ。これは1991年の経団連の「経団連企業行動憲章」の序文に「証券・金融業界の一連の不祥事を契機に」というくだりがあrった。(現在は改正)2003年、ソニーやリコーがCSRを部署名に掲げた専任組織を設立し、CSR元年となると同時に、グローバル化を念頭に置いた体制であったことが分かる。

グローバル化は、経済的発展と生活水準の向上をもたらす一方、地球環境問題、南北経済格差の拡大といった負の部分が顕在化させた。国家の問題解決能力は相対的に低下し、変わってグローバル化に対応した企業が影響力を増す。その活動のネガティブインパクトを市民やNGO、消費者、投資家などに影響を与え、活動が盛んになる。

コラムでは、サプライチェーンに希少金属(レアメタル)を含む場合、米国の上場企業に対し、コンゴの人権問題との関与を調査しSEC(米証券取引員会)への報告義務が課せられた。(米国金融改革法の『鉱物紛争』に関する規制 ▶ 参考 )サプライチェーンに含まれる中小企業も早ければ来年早々に実施されるという。日本から遠方のアフリカの国家での人権問題が自身のこととしてCSRを考えないわけにはいかない時代となった。