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2010年10 月

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「部長のためのMBA講座:イノベーション理論⑥」より

2010.10.19の日経産業新聞の「部長のためのMBA講座:イノベーション理論⑥」から

プラットフォーム・リーダーシップは、業界標準を生む

コラムでは、IT業界で馴染みのある「プラットフォーム」を解説。サービス財の土台になる考え方で、土台に乗る補完製品が多いほど、システムやプラットフォームの価値が上がる。例として、テレビ。受像機だけではテレビ放送サービスは受けられない。番組や電波媒体を伝えるプラットフォームがあってサービスが成り立つ。

このようなプラットフォームは、顧客が増えネットワークが広がれば広がるほど、最終的に1つの業界標準になっていくという性質がある。コラムではオークションサイトの例が出ているが、例えば出品が多いほど、入札者から見た価値は上がり、さらに入札者の数が増えれば、最終的に1つの標準サイトになっていく。

マイクロソフトのウィンドウズ、CPUのインテル、検索のグーグルもプラットフォーム・リーダシップの例だ。このように普及率に比例ではなく幾何級数的に増加する価値を引きだす(レバレッジ)戦略も、最初の普及が広がるまでの臥薪嘗胆が重要で、それまでの投資活動も重要視される。万年赤字と言われたアマゾンも今やこのチッピングポイントを超え、成長仮説にのって拡大している。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「博士が語る実践の経営⑨」より

2010.10.15の日経産業新聞の「博士が語る実践の経営⑨」から

同じ戦略でも「経営戦略」は結果論

コラムでの経営戦略が他の「戦略」とは違うという指摘は、17年間CEOを務められ13期連続増配を成し遂げた藤田東久夫氏だか(株式会社サトー元会長)ら、説得力がある。経営戦略を立てることでの弊害として、戦略に縛られ、進捗管理を行うだけの経営となり、自らの方向性が出せず、他社に負けることを招く。長期の経営戦略を立てた途端、経営環境に柔軟に対応できず、修正ができなくなる。立てた人のメンツ、企業の体面がさらに輪をかけることになるという。

必要なのは、経営の目標と方向性であって、意思決定の際、振り返ると見えるものは、強いて言えば「経営戦略」。つまり結果論。つまり、事前に計画する、製品戦略、市場戦略、事業戦略と、根本が異なっている。

経営者としては、戦略に頼るよりも、方向性を確かめながら一歩ずつ意思決定し、結果を謙虚に振り返る姿勢が重要だと同氏は指摘している。

経営ビジョンや方針も同様だ。自らが方向性を確かめ、柔軟に対応してこそ「経営」であろう。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「部長のためのMBA講座:イノベーション理論⑤」より

2010.10.14の日経産業新聞の「部長のためのMBA講座:イノベーション理論⑤」から

キャズム(購買層の淵)を超えるには独自性と資金力が必要

コラムでは、イノベーションをどのように維持し、コアとして差別化要因としていくかについて解説している。多くは、商品やサービスを出し事業化を進めていくときは、イノベーションを知的財産として留保しようとする。特許や商標、ライセンス(利用権化)などがある。あるいは、ステルス化して重要な部分をブラックボックス化することを狙う。しかし、商品のライフタイムが中盤に差し掛かると、競合他社から模倣品や競合商品がでてくることもあるだろう。そのために開発スピードをあげ、差別化を拡げるために、言い換えれば独自性を高めるために、人財の確保や資金が必要となる。この投資が、補完資産であり、越えねばならないキャズムと呼ばれる。

これまで筆者は多くの社内ベンチャーや一般のITベンチャーを支援してきたが、多くは、このキャズムが越えられずに、商材のライフタイムとともに終焉することを目の当たりにしてきた。大企業は、ブランドという武器で、キャズムを難なく越える場合があり、資本の優位性はここに表れる。

いま一つ、ベンチャーでは、補完資産を意識することはもちろん、常に商材のライフサイクルの長短で、再投資の対象を早期に見つけ出す戦略も練っておきたい。


【ヒット商品】ネタ出しの会 プロフェッショナル・コネクター 勝屋久(かつやひさし)さんを訪ねる

2010.10.18の勝屋久さんの「Ajito」を訪ねる

プロフェッショナル・コネクターはソーシャルネットワークの必須「触媒」

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このブログでも紹介したBRIDGE 2010 Septemberのコーディネータのお一人、勝屋久さんが拠点を移されたこともあって、押しかけてhappy01みることにしました。

今回の目的は2つと心に決めて、「Ajito」(弊社事務所から歩いて10分以内、恵比寿)へ。1つの目的は、プロフェッショナル・コネクター(PM)とはそもそも何なのかを知ること、さらに、勝屋さん自身のPMに対するモチベーションを聞きたいという不埒なものです。

明るいオフォスにつくと、いつもの陽気な勝屋さんが迎えてくれました。早速、お互いに、これまで何をやってきたかを「図解」しながら進めます。

勝屋さんは、元IBMのバリバリ営業から、米国本社と日本のVCや有力企業、VBを「つなぐ」ことが重要なミッションに。このときの体験で、仲良くすることがビジネスにつながることや、人のつながりが、実はつながった人から見て大きな価値のあることに気付かれたそうです。

今は、このつながりを勝屋さんを意識して、「信頼のあるつながりの提供」、「つながりを紡ぎだす場の提供」、「つながり方を人に伝える活動」を多くの企業や大学、行政機関などに行っているそうです。勝屋さんは、「プロフェッショナル・コネクターは職業としてはまだまだですが、この3つの活動を通じて、若手がプロとして目指していくようなところまでは行きたい」と。「つながり方を人に伝える活動」では、「コネクタースクール」も構想しているとは、勝屋さんらしいですね。(これで、最初の目的は達成coldsweats01

PMについて語ってもらっていくうちに、著者が唱えている第三時間、第三空間の話とリンク。どうも、PMというのは、A,B二人の人物の「エネルギーレベル」を上げて、アイデアCを生む、触媒ではないかと。つまり、

A×B⇒C (ここでの反応に触媒は、A,Bを活性化して、Cを生み、自らはそれを終えるとひそかに身を引く)

ではないかと。さらに、A,Bが第三時間をうまく引き出す人でないと、活性化しないのではないかとも。

著者の大企業での体験やVB投資の支援を振り返ってみると、一つ一つうなずく事例ばかりでした。

最後に、勝屋さん自身のモチベーションを探ると、左脳での仕事の限界を感じ、自分の人生での仕事を超えたところにPMがあり、そこにやりがいやワクワク感を感じるとのことです。

今日は短い時間でしたが、濃くて楽しい時間を共有できました!感謝です。

▶ 勝屋さんのブロッグ 「勝屋久の日々是々」

▶ 取材の記事は こちら

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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「トレンドウォッチ:SNS利用拡大の影響は?」から

2010.10.13の日経産業新聞の「トレンドウォッチ:SNS利用拡大の影響は?」から

脱ハードウェアのゲーム時代の到来

コラムでは、個人でゲーム機を買うか、ゲームセンターで楽しむという、従来の楽しみ方を変えつつあるソーシャルゲームについて、その根底にSNSがあると解説している。

SNSは、素朴な個人のコミュニケーション手段であった。その中で参加者同士が楽しむゲーム、ソーシャルゲームというジャンルが立ち上がった。さらにSNSの携帯端末への拡大と課金決済環境の成長が、このソーシャルゲーム市場を拡げている、と説く。

既に任天堂やソニーの家庭用ゲーム機器の販売が落ち込んでいる。多くのユーザがネットに流れ、さらにSNSという仲間うちで楽しめるゲームに移行しつつある。一人ゲームからソーシャルゲームへというのは、一見大きな志向変化に思えるかもしれないが、一人ゲームでも特定のジャンルにはネット上で仲間と語り、交流を深めることは多くみられた。今やその交流とゲームコンテンツを分ける必要はなく、SNSに加入すればゲームもでき、交流も可能というわけだ。

ゲーム機でない高機能携帯電話やiPad/iPhoneといった携帯端末、ネットTVまでもが、ゲーム機になる。さらに、ゲームといったジャンルもコンテンツの幅を超えてTV番組や映画も取り込まれる可能性がある。

DeNAの南場社長が、「人の集まるコミュニティー、コミュニケーションに今やビジネスの種がある」というのも頷ける。