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2010年9 月

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞のコラム「デジタル時評:クラウド市場、課題評価?」から

2010.09.27の日経産業新聞のコラム「デジタル時評:クラウド市場、課題評価?」から

国内企業推計の根拠は?

 コラムでは国内大手IT(富士通、NEC、日立)のクラウドによる売上推計の合計額が、調査会社のIDCなどの額より大幅に上回っており、その根拠に疑問を呈している。

 最も大手の現場でも、「クラウドサービスでは企業統治(ガバナンス)の確保が難しいし、企業システムの理解が浅いプレーヤーには任せられない」(同コラムから引用)とあるように、調査会社の推測に賛同しているとのことだ。

 クラウドは、インターネット技術による単純な「仮想化」によるデータセンターとは異なり、「プロビジョニング」と呼ばれるハード的な資源の最適化を行う機能が必要だ。本来は、この「仮想化」と「プロビジョニング」がクラウドの必須機能だが、前者のみで国内推計は出来ているようだ。これは、国内において「プロビジョニング」は未だ開発途上であるからだ。

 では、この国内企業推計は、IRを意識したな希望的なデータであって、過大評価を行っているなら問題がある。また、クラウドを導入する企業でも、目先のハード資源のコスト削減だけで見るなら、将来の厳しい経営環境に柔軟に対応できるサービス拡張についてはどう見るのだあろうか?おそらく「プロビジョニング」機能がなければ、柔軟性も確保できないだろう。国内企業推計には、提供者側だけの論理推計に見えるがいかがであろうか?


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の特集記事「強い大学第3部活路は世界に④」から

2010.09.27の日経産業新聞の特集記事「強い大学第3部活路は世界に④」から

学生までも「内向き」な日本の将来は?

 特集記事では、日本から海外への留学生と逆に日本に来る留学生が7万人対13万人と大きな違いあると指摘。背景に、「留学して不便な暮らしをするチャレンジ精神が乏しくなった」(同記事の日本学生支援機構 吉野利雄留学情報センター長の談話)と、少子化や所得の減少で、地元志向が高まっているからだという。

 企業経営から現場までもが「内向き」である日本社会。将来を担う学生気質が、「内向き」でチャレンジしないとなると、新興国に立ち向かっていけるグローバルな人財をどこに求めるのか?

 知人から紹介のあった白石一郎著「海のサムライたち」に出てくる日本を変えてきた海外視点のサムライが生まれないことも意味する。鎖国政策の弊害、「内向き」文化=ガラパゴス化で、国際競争を乗り切れるのか?

 筆者も、米国留学を通じて、「世界の中の日本」を厭でも体験し、各国の思考や文化の違いを体験できた。国内での知識ベースでなく、現地で肌で感じたことで理解できたことは非常に多い。同じ年齢や職業であってもモノの見方や考え方の多様性を学べるのも留学体験だ。是非とも、国際的にタフな学生を留学制度で高めてほしいものだ。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「博士が語る実践の経営6」より

2010.09.24の日経産業新聞の「博士が語る実践の経営6」より

現場主義が重視される理由

 コラムでは、身近な現象が、大きな環境変化の予兆であることを語っている。現場主義の良否でなく、採用される理由に、この「予兆」を重視するところがあるからだ。

 景気の好不況を概念的にとらえるよりも、食卓に上るおかずの量や種類などに目を向けると、実勢を示すことが多いという。

 ただし、重要なことはこの予兆を分析して戦略として活かせるトップの判断がある。仮説と検証を進める上で、仮説の合否も重要だが、結果的に仮説を裏付けるデータの質も落とし穴になりやすい。最も危険なのはデータの賞味期限だ。如何鮮度の良い情報でも、日々変化する最新情報には勝てない。そこから判断するには、現場とトップの連携が必要なのは明らかだ。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「眼光紙背:『長いおつきあい』もうない?」より

2010.09.24の日経産業新聞の「眼光紙背:『長いおつきあい』もうない?」より

長期契約からの脱皮の効用?

 コラムでは、長期契約がこのところコンプライアンスで見直しをかけているところが多いという。営業部隊には耳の痛い内容だ。契約が取れても、契約更改の際にはライバルとの競争がまっている。厳しい状況で、営業部隊が新規開拓で行う際に「貴社は長期契約を今も続けていませんか」という殺し文句だという。

 状況は確実に公正な企業間競争につながっているが、この話、どこか笑えないところがある。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「部長のためのMBA講座:ゲーム理論③」より

2010.09.24の日経産業新聞の「部長のためのMBA講座:ゲーム理論③」より

ゲーム理論「囚人のジレンマ」は進路は示すが、結果は保証なしを示す事例

 コラムでは、ゲーム理論の「囚人のジレンマ」を扱い、前回でた、「絶対優位の戦略」が必ずしも、望ましい結果を生まないことを示している。競合との価格競争も、このジレンマを抱えており、業界全体が泥沼の値下げ競争となることも説明できる。

 経営理論の多くは、示唆や進路を示すことはできても、結果的に実践による矛盾を含むのも、囚人のジレンマにあるような心理戦がそこには見え隠れするからだ。心理戦がない理論での経営が成り立たないのもそのためである。

 他者心理を読むからこそ、他者から心理を読まれることも悟り、実践での優位性を確保するには、政治的な手腕が必要かも知れない。