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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の特集記事「メードバイJAPAN、第2部新興国で『世界標準』③」から

2010.11.26の日経産業新聞の特集記事「メードバイJAPAN、第2部新興国で『世界標準』③」より

分散・小規模・フットワーク軽いが新興国で注目

コラムでは、電源開発の昭和シェル、中小ガス田でのLNG開発の東洋エンジニアリングを話題にしている。共にインフラ整備には欠かせないが、共通することがある。分散・小規模・フットワークの軽さである。

昭和シェルは、原油産国のサウジアラビヤに、自社が石油開発部門を持たないがゆえに、フットワーク軽く、アラムコなどとパートナーをくみ、太陽光発電の事業化を進める。原油産国と太陽光発電は一見矛盾する事業のように思えるが、産油国としては原油の国内需要を減らし輸出に軸を置く戦略。となれば代替エネルギーとして、分散発電可能な昭和シェルの提案するCIS太陽電池で、国内需要を抑制しインフラ整備と雇用創出を一気に行おうという狙いである。分散発電は、広大なインフラ整備のコストを抑制する。一方昭和シェルも、電池自身のコストを下げ火力発電並みに持っていこうとしている。サウジと昭和シェルの思惑が一致したこの事業は、来年開始される。

東洋エンジニアリングは大手が大規模開発で注目する大ガス田で競争せず、短納期開発できる中小ガス田をフットワーク軽く、事業化していく。投資負担が小さいことから新興国でも注目されている。

新興国でもダウンサイジングが進行する中、分散、小規模、フットワークの軽さが、国際市場への進出の条件になりそうだ。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「博士が語る実践の経営⑮」より

2010.11.26の日経産業新聞の「博士が語る実践の経営⑮」より

美学経営―真や善の上位概念を軸に

コラムの著者 藤田東久夫氏(▶ 参考)は、美的経営を、哲学的価値「真、善、美」を経営に当てはめ、「論理・倫理・美」で根幹をなすという。経営学者C・バーナードの著書「経営者の役割」で組織のセンスには、論理ではなく、芸術的な感覚や感情であると示しているという。

美的経営は、「姿の美学」と「行為の美学」からなるという:

【姿の美学】

  • 組織のプロファイルの美醜:理念、事業方針、ビジネスモデル、経営資源、市場認識、社員の理解が、バランスをとり、調和しているか?
  • 細部は輝いているか:社員、取引先は輝いているか?
  • 取締役など幹部は多様か?

【行為の美学】

  • 不祥事はないか?
  • 社会貢献は美しくなされているか?
  • 株式総会は美しく実施されているか?
  • 行為ごとに動機、方法、結果において美しいか?
  • 真・善を含んだ美しさになっているか?

私も、ソーシャルメディアを企業が取り扱うとき、法人として美をもつなら、大いに顧客に真や善を越え、ファンとなってくれると感じる。これからは、企業の独り立ちはありえず、ステークホルダーを巻き込んで、「美しい」経営で運営されているかが課題となろう。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「デジタル時評:高機能携帯 無知出し禁止?」から

2010.11.22の日経産業新聞の「デジタル時評:高機能携帯 無知出し禁止?」より

ノートパソコン持ち出し禁止処置はスマートフォンには?

コラムでは、パソコンを

  • オフィスでの利用のみ
  • 社外持ち出し禁止
  • 自宅利用は不可
  • 他のパソコンを社内に持ち込んでいけない

という方針がある日系企業で、パソコンをスマートフォンに置き換えると

  • スマートフォンは、オフィスでの利用のみ
  • スマートフォンは、社外持ち出し禁止
  • スマートフォンは、自宅利用は不可
  • 他のスマートフォンを社内に持ち込んでいけない

となるが、これでは仕事にならないという企業もあるだろう、という。確かに、多くの業務がスマートフォンで可能で、紛失や盗難、情報漏洩といったリスクが多いことも分かる。では、スマートフォンにはこんな方針がないのか?

おそらく、情報漏洩をはじめ情報セキュリティーを厳しくみれば、この方針を出すところもあろう。しかし、何のための情報機器かと考えると、情報の効率的な活用で成果を出すことだ。と考えれば、モバイルワークを考え、スマートフォンにセキュリティー対策を施して、最初のパソコンの方針も柔軟にすべきではないだろうか?


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「デジタル文具で高める仕事力②」より

2010.11.24の日経産業新聞の「デジタル文具で高める仕事力②」から

数十万のストックデータをHDDに記憶すれば費用対効果が出てくる?

コラムの著者、文具王の高畑正幸氏によると、何でもデジタル化は、最近のスキャナーや裁断機の普及で短時間で手間がかからなくなってきたことで、ストックしてきた文書や写真は確実にROI(投資対効果)が上がっているという。

高畑さんがいうには十万枚を超えたところで、過去のデータと検索が、個人の「ロングテール」を満足するという。たまにしか見ない、思い出がある、貴重だといって、そのままで保管する方が、死蔵するというのだ。

今はHDD(ハードディスク)も安価になった。これに全てのデータを(バックアップもして)持ち歩く醍醐味は、デジタル時代ならではだろう。

過去のアーカイブが、温故知新新たなアイデアになることも多い。かく云う私も、非常にニッチなブログを書くのもこのあたりが動機だ。ライフブログやライフログも米国では盛んである。

非常に興味ある話である。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の特集記事「メードバイJAPAN、第2部新興国で『世界標準』②」から

2010.11.24の日経産業新聞の特集記事「メードバイJAPAN、第2部新興国で『世界標準』②」から

日本中心の視点からの脱却がグローバル展開のカギ

コラムでは、昨日に引き続き製造業を話題にしている。事例はエアコンの雄、ダイキンとカーナビのアルパインだ。共に、製造のキーとなる金型、ソフトウェアの開発や生産を中国の有力な技術集団に委託している。

技術やコア・コンピュタンスが海外に流出するのではないかという危惧。だが、ダイキン会長 井上礼之氏は、「いずれ委託先は独自開発するかもしれないし、他の企業と手を組むかもしれない」と反対する役員を前に言った。このリスクテイキングで、一挙にコストリードを果たしたダイキンは、低コストの生産ラインと購買力を一気に獲得した。同様にアルパインも20年来の中国の大学との交流によって、信頼による低価格で高品質なソフトウェア開発環境を得た。

では日本国内で技術は?属人的な技術で、技術者の高年齢化、後継者不足によって先々が不安定な技術継承。海外流出と考えずに、日本中心から視点を変えて、これらの技術の資産化するのではなく、フローとして活用し、相手と組むことでコスト削減やシェアや最新の市場情報を手に入れ、購買ネットワークのグローバル化で勝負する方が、勝算が大きいのではないだろうか?