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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「眼光紙背:日本の”監督”は力不足?」より

2010.09.07の日経産業新聞の「眼光紙背:日本の”監督”は力不足?」より

日本の企業トップは外資で”監督”として売り込めるか

 コラムでは、サッカー日本代表のアルベルト・ザッケローニ新監督がイタリア出身で、6人目の外国人監督。そこから企業トップをみると、

  • 日本板硝子社長: クレイグ・ネイラー氏 (元米化学メーカー デュポン上席副社長)
  • 日産自動車: カルロス・ゴーン氏
  • ソニー: ハワード・ストリンガー氏

と続く。楽天やファースト・リテイリングは英語を社内公用語としたり、メーカー幹部でも外国出身者が増加しているという。ところが、日本人経営者が、請われて海外の有力企業のトップに就任するケースが稀有という。

 政治だけでなく、海外にも通用するマネジメント力を生むことは無理なのだろうか?

 大きなヒントは、英語だけではないが外国語環境で事業を進める社内向けの評価に加え、社外へもキャリアを売り込む教育だろう。このように言うと、貴重な人財を社外に流出するだけと思われるが、将来の自社のM&A戦略やパートナー戦略を考えると、”社長ネットワーク”の国際化のため、役員や幹部候補の人財教育も重要だろう。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「NewsEdge:米国市場で急上昇のニコン」より

2010.09.07の日経産業新聞の「NewsEdge:米国市場で急上昇のニコン」より

コンパクトデジカメで米国首位となったニコンに何があったのか

 コラムでは、キヤノンを抜いてコンパクトデジカメの米国市場で首位となったニコンのマーケティングについて解説。

これまでのニコンの米国市場戦略との差異は、

  • 思いきった広告戦略:ここでは女性層、若年層へのリーチを拡げる戦略をとった
    • 米国では珍しいイメージキャラクタの登用など、指名買い現象を起こした
  • 開発を日本の視点から米国法人の販売店や生活者動向を細かく追ってニーズをくみ上げたこと
    • 日本では考えられない、大きいサイズのデジカメが好評
    • 早期の商品投入でタッチパネル=ニコンというブランドが確立できた
  • 企画、開発、生産、マーケティングを同一レベルにして、市場の動きに柔軟に対応できる体制にする

といった地道な努力だ。

 海外のマーケティング戦略を日本起点で考えてきた企業。ここにきて国際的な流通と”地産地消”を組み合わせたマーケティングも重要となってきた。

 


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「部長のためのMBA講座:M&A①」より

2010.09.07の日経産業新聞の「部長のためのMBA講座:M&A①」より

M&Aは、企業支配権の移動が目的の戦略、投機的な乗っ取り行為ではない

 コラムでは、M&A(合併・買収)は、ライブドアや村上ファンド事件でクローズアップされた投機的な株価の高騰を招くことではなく、企業の経営権を取得し、現実に経営することを目的にすることと、明確に説明している。現実に経営するとは、M&Aによって企業の支配権を動かし、経営資源を既存の経営主体の枠を超えて、事業単位の組み換えを行う経営を継続していくことだ。そこでは、自社以外の人財の登用、補完的な製品や顧客の取得と併せて、市場支配力(シェア)の向上、市場参入の時間短縮、シナジー効果の期待といったプラス面があるという。

 国内外のベンチャービジネスの場合は、①市場参入の時間短縮と②シェア拡大、③製品と顧客の補完の順でM&Aを考える。中堅の企業であれば、③、②、①の順であろうか。何れにしても、グリーン・メーリングのような仕手筋での経営介入で「実際に」経営しないことではない。そこには事業継続が前提にある。

 M&A戦略は、業界の大きな変化、速度に応じて、企業経営になくてはならないものとなるだろう。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「デジタル時評:ネットTVに再び脚光」から

2010.09.06の日経産業新聞の「デジタル時評:ネットTVに再び脚光」より

海外のインターネットTVへの脚光は日本のTV製造に光をさすか?

 論説では、HTML5を軸に国際標準化が進むマルチメディア・コンテンツの配信についての話題である。HTML5はW3Cで標準化作業が進んでいるが、グーグルもアップルも、PC、携帯に続く第三のマルチメディアプラットフォームとしてTVを念頭に入れていることは興味深い。W3Cでも活発な論議になってはいるが、これまでインターネットTVがイマイチであったのは、背景に映像コンテンツを1次制作を行っているテレビ局が出し惜しんだことだ。

 ただ、テレビ局も広告収入の低下を考えると、HTML5を使って世界的なインフラとどう向き合うかも論議になろう。

 昨今、電子書籍、デジタル配信といったサービスの受け皿である端末が低価格化してきたことや普及が進んできていることから、今度は、制作や配信側がこれらのサービスにどう応え、ビジネススキームを打ち立て得るかが焦点である。この論説では、日本の嘗てのお家芸であるTVメーカーが「ガラパゴス化」しないで、この流れにどう乗れるかを話題にしている。しかし、本来は、日本のテレビ局の番組フォーマットのライセンス化から配信、TV受信機までを「一気通貫」するビジョンが必要ではないだろうか?


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「iTunesにSNS機能」より

2010.09.03の日経産業新聞の「iTunesにSNS機能」より

個人の購入経路の徹底:SNS機能「Ping」の導入

 記事でアップル恒例の製品更新に続いて、トピックになったのがこの話題だ。SNS機能自身は目新しいモノではない。同じ音楽を楽しむ仲間の輪を広げるといったものだ。アップルのこの動きの背景には、コンテンツ販売の伸びが、予想よりも鈍化してくるとの見込みを先回りするものである。音楽好きの知人のお勧めなら、購買意欲が上がるとの仮説だ。

 既にこのようなマーケティングを実施しているネット販売業者がいる。アマゾンである。アマゾンは、同じ商品を購入者の評価を公開し、さらにその購入者の評価も信頼できるかといった評価している。SNSではないが、商品に興味を持った購入者の批評は、購入前の判断材料であろう。日本ではカカクコムが同様な仕組みを持っている。

 今回のPingはまだ実験的な意味合いが濃い。コミュニティーをアップルとして初めて公式に導入することになる。アマゾンやカカクコムのような商品ありきではなく、音楽を軸にした生活提案での導線をつくることが目的であろう。生活提案には低価格のアップルTVなどの商品投入を考えると、音楽に止まらず、動画などのコンテンツ支配が狙いと思える。