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2010年10 月

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「部長のためのMBA講座:グローバル経営②」より

2010.10.27の日経産業新聞の「部長のためのMBA講座:グローバル経営②」から

プロダクト・サイクルモデルはもはや限定的

コラムでは、米ハーバード大学のレイモンド・バーノン教授の「プロダクト・サイクルモデル」ではすでに説明できない段階にきていることを示している。つまり、製品の売上と利益の変遷を4つの段階で説明するモデルをさす。

各々の時期において適切な戦略をとることが企業にとって生き残りの鍵となる。

  •  導入期:市場拡大戦略(設備投資費開発費回収のため、速やかな売上拡大を行うこと。)
  •  成長期:差別化、浸透戦略(フォロアー対策のためブランドの確立を行うこと。)
  •  成熟期:シェア維持戦略、ニッチ戦略(競合他社による侵食を阻むこと。成長期において開拓しなかった隙間市場を埋めること。生産工程の効率化を図ること。)
  •  衰退期:撤退戦略(製造設備の転換廃棄に見込まれる損失を見極め、損益分岐を元に撤退を図ること。

問題は、これまでは導入期には新製品を先進国に投下、成長期には、先進国以外の直接投資で規模の経済により優位性を保ち、成熟期には、インフラがようやく整った開発途上国や新興国に生産拠点を移し、価格競争力をつけるという図式が、崩れてきている点だ。

最近は、最初から新製品を本国以外の海外で同時に生産、販売することもあり、先進国間も差がなくなってきている。つまり、このモデルによる国際化戦略の理論武装も限定的になっているというのだ。

おそらく、これまでの海外拠点での単純な拠点政策では無理で、例えば、中国では、企画、生産と販売を一体化した戦略をとるといった、局所的なサイクルが必要となっている。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「見直そうノート術⑤」より

2010.10.26の日経産業新聞の「見直そうノート術⑤」から

ノートの醍醐味は「図解」

コラムでは、思考の整理やコミュニケーション手段として「図解」は有効だという。図解によって、もやもややアイデアを整理でき、その後、新たな組み換えを容易にできる。これが、内容をうま伝えたり、発想を得たりできるものとなる。図に書くと、図形自身が記憶を呼び出すきっかけとなり、検索しやすくなる。

基本は、以下を使い、これらを応用すること:

Zukai
トレーニングとしては、箇条書きで書いたキーワードを上の中で適切と思う図解に当てはめること。新聞や雑誌の解説記事での図解も役立つ。

ノート術は、すべて、つまり希望、計画、目標、心配事などをどんどん書き出していくこと

質より量で勝負だ!


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「部長のためのMBA講座:グローバル経営①」より

2010.10.26の日経産業新聞の「部長のためのMBA講座:グローバル経営①」から

日本企業の国際ビジネスは第3段階に

コラムでは、日本の国際段階として、以下の3段階を解説:

  • 第1段階(~1985年前後)
    • 貿易中心で1970年代から黒字化
  • 第2段階(1985年前後~2008年ごろ)
    • 海外に生産拠点を移動、生産技術を移転
    • 日本をセンターにしたハブ
  • 第3段階(昨今)
    • 経営全体のグローバル化というがグローバル化の定義を模索中

面白いことに、日本だけでなく、欧米のトップの多国籍企業で地域に偏りがある形で国際化している点だ。これは、多国籍企業といえども最初は母国の内需でのジャンプアップで行われてきた歴史的な経緯があることを意味している。

さらに言えば、欧米も独自の考えで国際化を図ってきたことだ。模倣ではなく、日本も国際化の定義を明確にして、経営グローバル化を図る時期だというのだ。

生産拠点を移した後、製造業でいえば上工程を否が応でも現地に委ねることになろう。そこでは、お金といった共通言語以外はない経営が待ち受けてるかもしれない。無形の美意識や技術で、この共通性がない国際化にどう立ち向かっていこうというのか?

 


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「ネットのチカラ第3部冒険者たち②」より

2010.10.25の日経産業新聞の「ネットのチカラ第3部冒険者たち②」から

情報の塊から集合知を生み、未来予測

コラムでは、グーグルを例に、検索データなどで集まった無数単語を整理することで、大量のデータから『集合知』を生むことを解説。検索が、昨年末時点で一日40億件を突破し、個々の些細な情報も大量に集まれば有意な情報に生まれ変わることを示している。ウェザーニュースが気象庁観測データ以上に的中率を上げたのも、個人のちょっとした「今日は薄着では肌寒い」といった情報から精度を上げた。

規模がますます大きくなる集合知は、今や企業や国家の規模を超え、公共財の形を形成する。一企業や一国家が独占する情報ではなくなってくる。そこでは、未来予測も現在の情報を切る出すことで可能となっている。

集まった情報の価値をゴミの山とみるか黄金の山とみるかで、集合知の価値も変わる。公共財に近づけば近づくほど、集合知の管理も一企業、一国家で行うべきかどうかも検討しなければならないだろう。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「ネットのチカラ第3部冒険者たち①」より

2010.10.25の日経産業新聞の「ネットのチカラ第3部冒険者たち①」から

創造的破壊を担うi世代起業家たち

コラムでは、商用化から20年たったインターネットサービスがもたらす創造的破壊をi世代(インターネットで育った世代)に焦点を当てその行方を追うものだ。今回はインターネットの最先端のクラウド技術が、既存企業のみならず、新興のネットベンチャーに追い風を送っている。つまり、2000年ごろのIT投資が10分の一程度に下がり安価なシステムがアイデアの早期実現に役立っている。

コラムの事例ではまさに劇的な動きだ。日本は、起業率が先進各国で最低であるにも関わらず、このような頼もしい動きがあるのも事実。問題は、この動きを全国的に拡げるソフト的な支援サービスが不足している点である。

今までの起業支援は、箱モノで、拠点を中心としたものであった。しかしクラウドのようなサービスが低価格で実現できるとなると、試行錯誤の多さや拠点に縛られない発想での事業化の方がはるかに現実的だ。そこに必要な箱モノ発想でない支援は、起業後の成長を促す、販売促進や提携、資金流入といったソフト面である。そろそろ、起業支援の発想も転機の時期であろう。