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2010年7 月

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の特集記事「ネットのチカラ」②

2010.07月27日の「ネットのチカラ」より

ソーシャルメディアは何を企業内部を変える?

 昨日の記事は、社外の顧客との対応であったが、今回は、社内SNSやツイッター(記事ではSales Forceのチャッター)で、ちょっとしたつぶやきで社内から思わぬ情報が手に入るというもの。意思決定に重要な情報が意外に手軽に入るメリットもある。一方で社外に対しては慎重。

 社内に埋もれている情報を掘り起こし、顧客やユーザの声を直接取り込める魅力は、グランズウェルの魅力だが、反面、批判や失望につながると大きな損害を被りかねない。

 こう考えると文明の利器はすべて、リスクを伴う。自動車は移動には便利だが事故というリスクを伴う。だからと言って、自動車を敵視するわけではない。同様にソーシャルメディアはリスクのある相手だが、自社の処し方が明確であれば、強力なマーケティングツールであるのは間違いない。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の特集記事「ネットのチカラ」①

2010.07月26日の「ネットのチカラ」より

ソーシャルメディアは何を企業にもたらすのか?

 すでにこの【ヒット商品】ネタ出しの会でもとりあげているように、新聞、テレビ、雑誌、といったマスメディアの対極が、個人の情報発信を主体に置いたインターネットでのソーシャルメディアが、企業活動やくらしに影響を与え始めている。

 記事にあるフェースブックが、5億人の利用者数となった今、米国の企業では、実像の顧客の切り口やきずなが、ソーシャルメディアにあるとして、対話戦略を立て始めている。

 スターバックスの売上貢献も、ソーシャルメディアの分析と対話戦略の賜物としての良い実例である。

 すでにハーバードビジネスレビューでは、このソーシャルメディアのうねりを「グランズウェル」として分析しマーケティング戦略として展開している。

 幾つかの研究会や大学院で同様の議論が始まっており、私もグランズウェルをどう企業の味方にするかに焦点が移ってきている。このうねりを味方にしなければ、マーケティング戦略として今後非常に厳しい状況に置かれることが予想されるからだ。

 海外での話ではない。インターネットに国境がないように、ソーシャルメディアにも国境の概念はない。さらに、日進月歩のインターネット技術が、このうねりを大きな変動に変えてきている。

 今回の特集記事は、事例が多く、ネットのチカラを獲得したい企画者、経営者、マーケティング関係者にとっては必読だろう。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「Data Focus」多様化

2010.07月26日の「Data Focus」より

多様な価値観は国際化のバロメーター?

 「雇用や勤務形態の多様化の取り組みにおける問題点」をGooリサーチが企業の人事担当に行ったところ、

  1. 考え方が周知徹底されていない    38.2%
  2. 社員の理解や意識が低い        37.8%
  3. 公平な評価制度作り            35.8%
  4. 経営層と社員の意識の差        24.1%
  5. 進め方がわかりにくい           20.0%
  6. コミュニケーションが円滑に進まない 14.6%
  7. コストがかかる               10.7%
  8. 特に問題はない              17.1%

となっている。性別や年齢、国籍の違いや多様な価値観を受け入れ、経営環境の変化や多様なニーズに対応しようという取り組みを調査で評価しようというもの。すでに何らかの形でこういった取り組みを導入しているのは90%。重要性も90%と認識されているが、実態はかなり意識改革が必要。

 欧米では移民や期間、契約を前提にした雇用形態が前提であることから、多様性を前提に経営資源を活用してきた。一方で、この多様性への対応が欧米の国際性を下支えしている。一方で対極の閉鎖性を指摘されてきた日本の雇用環境は、アジア圏への進出を期に転機に差し掛かっているともいえる。

 多様な価値観を認めつつ、透明な規則や全社を貫く意識がここにきて大きな課題となっている。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「もしドラ」ヒットで活気エンタビジネス

2010.07月23日の「エンタビジネス」より

ライトノベルの功罪

 若手ビジネスパーソンをターゲットにした、「ライトノベル」は、女子高生や女性社会人が奮闘し、これまで難解とされていた経済、経営、技術に新しいジャンルをつくりつつあると記事では述べている。また、入門書から実用での体験に結びついたことが、「もしドラ」は異色との評もある。

 私も3冊のマーケティング関連のビジネス書をだした。そのときの出版社の要請は、「平易で分かりやすく、図解もいれて」、売れる本をつくることにあった。これは、この記事からも今も変わりがない風潮と思われる。

 だが、反面読者からは、物足りない、この次のステップはどんな本なのか?といった問い合わせも多い。

 確かに、多くの人がマーケティング手法や経営手法、経済、技術の学ぶことは悪いことではない。ビジネスパーソンにとっては、悪いどころか、推奨すべきことだ。ただ、学問に王道がないのと同様に、実践で使えるレベルに進むには、近道はなく、すべてがライト(軽量)ではない。

やはり、入門書の革新があれば、本格的で実践に向いた必要な情報や知識を提供する書籍と連動できる工夫も必要かもしれない。

 


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「市場トレンド私はこう読む」より

2010.07月23日の「市場トレンド私はこう読む」より

パリ郊外で11回ジャパンエキスポ開催

 記事では、これまでの漫画やJポップからさらに広がり、伝統文化の紹介し、脱オタクとなったと報じている。今回の記事のポイントは、そこから日本企業への誘致がある点。ニコ動は、コスプレ会場の様子をオンライン化して人気を集め波及効果を分析したり、慶應大学大学院では、サブカルチャーに対するアンケートで留学を勧誘。ようやく韓国の「韓流ブーム」の仕掛けが日本でも発動するか、といったところである。

 この記事をデジハリ大学大学院のゼミ生に紹介したところ、外国の友人も、記事と同様に、日本の漫画やJポップそのものの興味から、これらを生みだした伝統文化に興味が移っているという。中には、来日の際には能楽などをきちんと知りたいとの要望もあったという。

 Japan Coolが、目に見えないソフトやサービスであることから、兎角国内にいる日本人の目には目新しくない、新規性がないと思いがちだが、最先端技術や商品を支えている文化に視点を変えて、ネタにすべき時ではないだろうか?