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【ヒット商品】ネタ出しの会 「ヒット商品のネタ」新聞編

4月1日から掲載を始めた【ヒット商品】ネタ出しの会も今日までは、どちらかといえば、教科書的なガイドに終始しています。そこで、来月から、時事を元にはっと商品のネタになりそうな情報をご紹介して、お役に立てて頂くことにしました。

「ヒット商品のネタ」を見出すには

 これまで触れたように、ヒット商品は、商品計画や事業計画の中で予定された商品です。従って、商品や事業計画を、時事から読み取ることで、

  • その商品が出てきた背景(経済環境)は何か
  • その商品のターゲット顧客は誰か
  • その商品が顧客のどんなニーズにこたえるか
  • その商品の対価は?その価格は適切か
  • 対価の流れ、すなわち事業スキームはどうなっているのか
  • 商品の売れ筋である寿命の予測は?また、商品展開は
  • 商品の機能の特徴は
  • 競合と思われる商品は
  • 現時点でヒットすると予想されるか

といった疑問がわいてきます。これらはさらに、

  • 現時点
  • 短期的展開
  • 長期的展開

といった時間系列で考え、上の疑問を掛け合わせると、以下の表にまとめられます。

Type
なお、ここでは商品の荷姿をハードウェア、ソフトウェア、ソリューション、サービスという意味付けで開設するものとします。

商品の荷姿

商品を目に見えるものに限定はしません。つまり、

と考えます。

【ヒット商品】ネタ出しの会  4. 実行編 「アイデア」と「事業」の違い

 1つの商品アイデアから事業を起こすことがベンチャーでは常套手段です。既存の企業も商品企画は1サービス、1商品が単位です。ヒット商品として成長させるためには、一商品ではなく、事業の柱となるまで進まねければなりません。では、(商品)アイデア、事業ネタ、事業テーマは何が違うのでしょうか。

Column

商品アイデアは雑多でよく、事業ネタは、儲かるのでないかといった「事業のにおい」が自分だけでなく周りにも感じられるものです。事業テーマまで進むと、商品イメージが明確で、あたかも商品がそこにあるように説明できるほど、具体性があることになります。また、価格やコストといった価値も確定できていることでしょう。ヒット商品とは、事業テーマにまで進んだものであることが分かります。事業テーマは最終的には事業計画として数値やデータに置き換えるところでまで進めることができるのです。言い換えれば、ヒット商品は、既存の事業の商品と扱いが違わないことに注意してください。新商品だから、新しいターゲットだからといって無計画に商品を企画したり開発するものでないということです。


【ヒット商品】ネタ出しの会  4. 実行編 ヒット商品ネタを実現する8つのトレーニング⑧Let's challenge!

問題

 プラクティス7でまためた商品カタログを想定して、ロードマップを作成します。次に説明のための設計を行いましょう。

進め方:説明の設計として以下の順序に整理しましょう

  • 最もお客さまにインパクトのある、印象に残るものを商品イメージ、(2)価格、販売方法(3)今後のサービス
  • 企画の責任者、アイデアの実行責任者にロードマップを準備します

回答例

 「Authentic」の商品展開と携帯サイトSNSの連動

技術・コアロードマップも手掛けてみよう

 商品展開については目標に向かって何をお客さまに提供していくかを示すことです。一方、アイデアを実現する側では、提供できるための技術やスキル、知識、人財、コアサービスといったものが必要となります。商品のロードマップをちょうど支える力ですね。中には急に手当てできず、教育や訓練、技術の移管で時間がかかり、タイムリーに対応できないこともあります。アイデアは良いのだが実現できない、ライバル会社に先行されるといったことを避けるためにも、アイデアを膨らますと同時に現実を把握して、技術やコアのロードマップを作成しておくことをお勧めします。自力で実現できないときの戦略の立て方については次章で検討します。

NEXT Step

 次はいよいよアイデアをカミングアウト(露出)します。相手は先ずは身内か同僚が良いですが、想定したお客様になることもあります。

想定する相手:アイデアをカミングアウトする相手を設定してください。たとえば、社内の専門家、営業関係、想定顧客といった具合です。


【ヒット商品】ネタ出しの会  4. 実行編 ヒット商品ネタを実現する8つのトレーニング⑧商品のロードマップを作ろう!

 いよいよ、温めたアイデアを具体的なイメージにしてカタログにするところまで来ました。少なくとも1枚のメモで1つの商品イメージはお持ちですね。部分(商品そのもののイメージ)、全体(商品を取り巻く環境)、価格、コスト、ターゲット顧客、販売方法、特徴などがそろってきたでしょう。アイデアを商品化するためには、ここまでは必須の情報です

商品カタログにしよう

 でも、少し不安がありませんか。商品の多くは、1つではなく、将来販売や提供を計画しているものも含めて系列やラインナップが存在します。また、初期と売れ始めてから、さらに認知されてからでは同じ商品でも改善が必要になりますね。このように1つの商品でも、いくつかの改善があって展開が変わってくるものです。

 安藤さんの即席めんも、最初は容器なしでフライめんであったのを容器に入れたカップめん、さらにラーメンだけでなく、水気少ない焼そば、また、容器の大きさを半分や1.5倍にしたカップめんというふうに、ニーズに応じた商品の展開があります。

 もちろん、アイデアの段階で、商品展開をすべて描くことは難しいでしょう。しかし、お客様や商品企画を決定する人から見ると、商品に流れている思いを具体化した商品展開は、1つのアピールポイントとも受け取れます。商品を通じて実現したい上位概念をロードマップとして示すことは商品に特徴をつけることにもなります。

 「おとなのチョコドリンク四季限定版」企画でも、「手軽に勤務時間でも息抜きができる場の提供」を実現するという上位概念があります。これを1つの目標として考えると、発想の触媒で練習したようにブレークダウンできます。

 例えば、先ずは、飲料でくつろいでもらう、次に、空腹でない場合は、道具を提供することで、リラックスしてもらう。さらに、知的なくつろぎとして情報を提供する。会社で息抜きできる場ができる支援を行う、といった今はできないが将来提供したい商品やサービスが発想できます。これらを実現していく順序で並べてみましょう。目標に進むために、提供したい商品やサービスが1つの道(ロードマップ)として浮かび上がってきます。

 最初は飲料提供です。ただ、肝心なことは飲料提供でも、このロードマップにそった商品を計画的に出すことも検討しましょう。つまり、「空腹でない場合は、道具を提供することで、リラックスしてもらう」段階でも、飲料といて提供できる価値を見出すのです。すでに飲むことは満たされているのに、飲料を提供するのは、無理、とは考えないで、のどの渇いている別の同僚のために飲料を手に入れてもらうアイデアも必要になります。このように、ロードマップに沿って別の商品やサービスを提供することは、割合と易しいことですが、すでに提供した商品を活かし改善しつつ、ロードマップに沿って提案していくことも重要なことです。これが、商品を囲む雰囲気作りにつながります。

3-8

 「おとなのチョコドリンク四季限定版」企画では、飲料提供を超えて、リラックス携帯サイトを提供して、空腹やのどの渇き以外の息抜きにも使ってもらおうというサービスを並行して提供するアイデアです。飲料の方は、顧客のニーズを汲み取るために男性向け、キャリア女性向けといった二系統に展開することを提案しています。携帯サイトなら、パソコン以上に個人が手軽にアクセスできるメディアとして採用しました。閲覧する人が増えれば、ファンサイトとして商品にフィードバックして限定キャンペーンなどのプロモーション活動にも利用します。

 前回のプラクティスの商品カタログとロードマップなどの構想を含めて今度はあなたのアイデアを具体化することにしましょう。


【ヒット商品】ネタ出しの会  4. 実行編 ヒット商品ネタを実現する8つのトレーニング⑦Let's challenge!

問題

 プラクティス5まで扱ったあなたのアイデアを(1)部分と全体の2つの図に(2)価格とコスト、(3)提供方法、(4)系列の説明を書き加えて完成させてください。

進め方:商品そのものを先に図示しましょう。次に、商品のラインアップやシリーズを書き足しましょう。お客様への提供法、つまり販売方法を書き、最後に、その位置付けや付加価値、コストを書き込みます。

本商品の位置付

オフィスワーカーをターゲット

 

特徴

本物志向のチョコレートを使用、ホット・アイス・季節をカバー、甘さ控えめ

提供方法

当初社内限定販売

商品


ベルギー直輸入チョコレートを使用、季節ごとに果物を封入

価格

200円以下

ラインナップ

「おとなの」ホットケーキ








回答例

商品カタログは両刀の剣

アイデアを拡げる前にイメージを早くから固めて、商品カタログの様に図示することは、アイデアを柔軟にことに対して障害になる場合があります。あくまでも、発想の地平線に到達してから、イメージを固めること、つまり、ルール2を思い出してください。

NEXT Step

 商品カタログが固まれば、お客様への特徴や説明に対する戦略が必要です。次回は、その設計を行いましょう。

商品カタログの設計:自分の商品カタログで何をアピールポイントにするか、キャッチフレージは何かを検討しておきましょう。