いよいよ、温めたアイデアを具体的なイメージにしてカタログにするところまで来ました。少なくとも1枚のメモで1つの商品イメージはお持ちですね。部分(商品そのもののイメージ)、全体(商品を取り巻く環境)、価格、コスト、ターゲット顧客、販売方法、特徴などがそろってきたでしょう。アイデアを商品化するためには、ここまでは必須の情報です。
商品カタログにしよう
でも、少し不安がありませんか。商品の多くは、1つではなく、将来販売や提供を計画しているものも含めて系列やラインナップが存在します。また、初期と売れ始めてから、さらに認知されてからでは同じ商品でも改善が必要になりますね。このように1つの商品でも、いくつかの改善があって展開が変わってくるものです。
安藤さんの即席めんも、最初は容器なしでフライめんであったのを容器に入れたカップめん、さらにラーメンだけでなく、水気少ない焼そば、また、容器の大きさを半分や1.5倍にしたカップめんというふうに、ニーズに応じた商品の展開があります。
もちろん、アイデアの段階で、商品展開をすべて描くことは難しいでしょう。しかし、お客様や商品企画を決定する人から見ると、商品に流れている思いを具体化した商品展開は、1つのアピールポイントとも受け取れます。商品を通じて実現したい上位概念をロードマップとして示すことは商品に特徴をつけることにもなります。
「おとなのチョコドリンク四季限定版」企画でも、「手軽に勤務時間でも息抜きができる場の提供」を実現するという上位概念があります。これを1つの目標として考えると、発想の触媒で練習したようにブレークダウンできます。
例えば、先ずは、飲料でくつろいでもらう、次に、空腹でない場合は、道具を提供することで、リラックスしてもらう。さらに、知的なくつろぎとして情報を提供する。会社で息抜きできる場ができる支援を行う、といった今はできないが将来提供したい商品やサービスが発想できます。これらを実現していく順序で並べてみましょう。目標に進むために、提供したい商品やサービスが1つの道(ロードマップ)として浮かび上がってきます。
最初は飲料提供です。ただ、肝心なことは飲料提供でも、このロードマップにそった商品を計画的に出すことも検討しましょう。つまり、「空腹でない場合は、道具を提供することで、リラックスしてもらう」段階でも、飲料といて提供できる価値を見出すのです。すでに飲むことは満たされているのに、飲料を提供するのは、無理、とは考えないで、のどの渇いている別の同僚のために飲料を手に入れてもらうアイデアも必要になります。このように、ロードマップに沿って別の商品やサービスを提供することは、割合と易しいことですが、すでに提供した商品を活かし改善しつつ、ロードマップに沿って提案していくことも重要なことです。これが、商品を囲む雰囲気作りにつながります。
「おとなのチョコドリンク四季限定版」企画では、飲料提供を超えて、リラックス携帯サイトを提供して、空腹やのどの渇き以外の息抜きにも使ってもらおうというサービスを並行して提供するアイデアです。飲料の方は、顧客のニーズを汲み取るために男性向け、キャリア女性向けといった二系統に展開することを提案しています。携帯サイトなら、パソコン以上に個人が手軽にアクセスできるメディアとして採用しました。閲覧する人が増えれば、ファンサイトとして商品にフィードバックして限定キャンペーンなどのプロモーション活動にも利用します。
前回のプラクティスの商品カタログとロードマップなどの構想を含めて今度はあなたのアイデアを具体化することにしましょう。