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【ヒット商品】ネタ出しの会 時事から 国内iDC流行りは本物か?

2010.07月の時事より

国内iDC流行りは本物か?

 国内大手の経済紙などICT業界で「クラウド」の言葉が掲載されない日はない。クラウドは、コンピューターネットワークの利用形態の1つだが、Wikipediaによると、クラウドコンピューティングは、以下の3種類に分類される場合が多い。また以下を総称してXaaSと呼ぶ場合もある。

SaaS
インターネット経由のソフトウェアパッケージの提供。電子メールグループウェアCRMなど。セールスフォース・ドットコムのSalesforce CRM、マイクロソフトMicrosoft Online Services、GoogleのGoogle Appsや、日本ではブランドダイアログGRIDYグループウェアがある。
PaaS
インターネット経由のアプリケーション実行用のプラットフォームの提供。仮想化されたアプリケーションサーバデータベースなど。ユーザーが自分のアプリケーションを配置して運用できる。セールスフォース・ドットコムのForce.comプラットフォーム、GoogleのGoogle App EngineマイクロソフトWindows Azureなど。
HaaSまたはIaaS

インターネット経由のハードウェアやインフラの提供。仮想化サーバーや共有ディスクなど。ユーザーが自分でOSなどを含めてシステム導入・構築できる。Amazon.comのAmazon EC2、Amazon S3など。


これをみて気付かれると思うが、多くが、複数アカウントとアプリケーションデータをセットとしたレコードを組み合わせたデータベースとその管理を行うシステムからなる。つまり、クラウドの正体は、大きなインターネットデータセンター(iDC)の複合体といえる。

 クラウドをつかったSaasは安価で利用したいが、情報セキュリティの面から国外のセンターを敬遠する企業も多くあり、国内iDCはそれに応えるソリューションとして盛り上がっている。

 しかし、この流行は本物であろうか?地理的な信頼性も重要であるが、クラキングや情報漏洩の面から国内だから安全とは実は言い辛いところもある。多くのクラウドの下支えは、海外ソフトベンダによるパッケージであることから、情報セキュリティの改修の面では若干不安がある。つまり、データは地理的に国内にあって信頼性はあるが、肝心のアプリケーションサービスを利用する際に情報セキュリティの不安があるというわけだ。

 何れにしても、日本のクラウドベンダーが、アプリケーションサービスまでマネージメントできるかが、この流行の行方を左右するだろう。

 すでにセールスフォースやアマゾンは日本でのiDCの建設を進めている。彼らの実績が、日本のクラウドベンダとの差別化ポイントであれば、日本勢は厳しいかもしれない。



【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞掲載のデータより

2010.07.22の日経産業新聞掲載のデータより

音楽CD 生産額11%減 上半期、2000年以降最低

 日本レコード協会の21日の発表によると、「2010年1~6月の音楽CD生産額が前年同期比11%減の約1046億円にとどまった」とのこと。原因は、娯楽の多様化、ネット配信の拡大で「パッケージ離れ」が加速していること、アルバムの減少が響いたと分析している。

 長らくCDで音楽を聴くことから、デジタル音楽プレーヤでパソコンにダウンロードすることへ徐々に移行するとは言われていたが、減少率が2000年以降急降下している。まさにマスの動き方次第でエンタメ業界は一喜一憂であろう。ただ、ダウンロード配信も伸び率は大きくない。つまり、アルバム化できるようなヒットが少なく長続きしない点も気になる。

 パッケージをもつハード志向からダウンロードで音楽を楽しむソフト志向へ。ただ、有望なコンテンツは、志向の変化に取り残されているのも事実。そこは人財育成が見え隠れしている。デジタル化できるところはスピーディーだが、手作りのクリエーティブななところは、短期的には生まれてこない。人財の発掘と育成がここでも課題になっている。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞「戦略構想力のススメ」③

2010.07.21の日経産業新聞の「「戦略構想力のススメ」③

同じ事象、違う視点で考察

 コラムでは、競合他社との差別化を行うために、常識を疑う思考パターンを身につけるべきと説いている。

  1. アナロジー的発想: 自社の業界以外の変化の早い業界での起こった出来事を当てはめて仮説をたてるもの
  2. 制限を外す: このネタ出し会でも説いている、可能性をどんどん追求していくもの。発想の地平にまでいければしめたもの。可能性は常識の思考を支えている前提条件や環境を疑うことでもある
  3. 功体験を捨てる: 経営環境はダイナミックだ。にも関わらず既存のビジネススキームが普遍と考えることを疑ってみるもの。思い切って既存事業が存在しないと何をすべきかをかんがえるもの。

何れの視点も原点回帰で常識を既存として存在するものとしないで、疑念をもつことから始める戦略である。

 同じ事象を「Good News(自己にとって都合のよい状況)」と「Bad news(自己にとって都合が悪い状況」と捉える方法もある。そして、どうしてその事象を良い、悪いと判断するのか。さらに、良い状況なら、何がその状況を継続させるのか。悪い状況なら、見方を変えて良い状況とみることはできないかを検討するものだ。

 アプローチは違っても、事象を一面だけ見ての判断は危うい。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞「流行ウォッチング」増える「ZERO」

2010.07.21の日経産業新聞の「流行ウォッチング」

増える「ZERO」

 コンビニやスーパーの飲料コーナーをのぞくと、最近「ZERO」が目立つ。従来の「Lite」や「ダイエット」を超えた、機能主義的なネーミングとの指摘だ。

 カロリーが気になるが、喉越しや渇きに対応した機能としての飲料。ゼロのネーミングは、深層心理を突いている。となればコラムが予想するように衣料品や自動車にも出てくるのであろう。 例えば、汗のべたべた感ZEROや二酸化炭素ゼロジェネレータ自動車といった感覚か。

 さらに発想を拡げると、ZEROは、数値の原点であり、座標や位置の原点でもある。

 原点回帰の必要な既存ブランドの方が、効果が大きい可能性もある。三ツ矢サイダーオールゼロも既存の「甘い」炭酸飲料のイメージを払しょくする一役を担っているのかもしれない。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の眼光紙背より

2010.07.20の日経産業新聞の「眼光紙背」より

アップル、トラブルはケガの功名?

 iPhone4の電波受信トラブルのコラムである。コラムでは、これまでアップルは「権威や既成概念の秩序を素手で反逆する挑戦者のイメージであった。しかし、今や携帯や情報家電のチャンピオンとなったアップルに、挑戦者のイメージを補充するために、今回のトラブルは助けかもしれないという。

 考えてみればこれまで、日本の家電メーカーも同じ運命をたどってきた。ソニーもパナソニックも、欧米の先端企業への挑戦であった。しかし、世界的な地位を気付いた段階で、多角化した総合メーカーとして居残りをかけるしかなくなった。

 同様にアップルもマッキントッシュ、iPod, iPhone, iPadその他情報家電の総合メーカーになる道を辿ろうとしているのか。 チャンピオンには防戦しかないのか。そうではなく、新しい未開拓な情報領域への挑戦が、同社の将来の方向性を決めるのではないだろうか?eye