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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「SmartTimes:酒田市が挑む地域DX」から

2022.9.30   日経産業新聞の記事「SmartTimes:酒田市が挑む地域DX」から

自治体DXでも守りのDXではなく攻めのDXを推進

コラムの著者 石黒 不二代氏(ネットイヤーグループ取締役チーフエヴァンジェリスト)は、山形県酒田市の取り組みを事例に地方自治体のDXについて考察している。

○お金主導ではない住民との接点が多いサービスを目指す

 石黒氏によると、同市役所は2020年にDXの専門部署を新設し、NTTデータの本間洋社長がCDO(最高デジタル・トランスフォーメーション責任者)に就任して注目を浴びているという。補助金申請時の押印を無くすといった業務の効率化である「守りのDX」だけでなく、市民サービスの向上を目指した「攻めのDX」を進めている。

多くの自治体行政の課題は、民間との双方向性が欠いている点であろう。それは同市も同じ状況である。さらに、人口の6割が高齢者である点も見逃せない。しかし、酒田市のDXは民間との双方向性をデジタルファーストによって実現しようとしている。過疎化が進んでいるからこそ、デジタルファーストであり、オンライン診療などの要望に合致している。公共交通も高齢者の多い地域では維持が困難となっており、だからこそ、市役所に行かなくてもできることを増やすことが肝要となる。

多くの市役所などを訪れるのは人生のイベント、つまり出生届や結婚届などに関する関わりだけであった。DXが進めば、もっと通常の生活、ライフに市役所が提供するイベント情報、助成金情報、防災、税金などの情報にも触れてもらえることになる。

例えば新型コロナウイルス禍でワクチン接種を推進し、登録が数千人だったLINEの利用者が10万人の同市で3万人までになった。今後はLINEのログイン時に、個人の嗜好によってコンテンツを出し分けるサービスを提供して、市民の体験を向上させようとしている。

民が多くで主導をとると、お金の匂いがするサービスに陥りがちだが、酒田市ではツールの提供ではなく、住民の体験ありきのサービスを作っている。たしかに時流や技術は変化するが、自治体と住民の接点はより増えていく。結婚、妊活、子育てなど、官が提供するサービスをCX(顧客体験)として提供していくという方向性である。こんごの公共サービスの展開が楽しみである。🏢📱🩺🏥👩👨🚘🚗📶🩺📈😷💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:日清食品のバズる発信、スルメサイクルで話題拡散」から

2022.9.30  日経産業新聞の記事「西川英彦の目:日清食品のバズる発信、スルメサイクルで話題拡散」から

噛めば噛むほど面白さが拡散する「スルメサイクル」を目指す

 コラムの著者 西川 英彦氏(法政大学経営学部教授)は、前回に引き続き企業のSNS活用について日清食品の活動について触れている。

◯2段階の仕掛けでスルメサイクルを実現

 西川教授によれば、多くの企業がSNSでバズる(急激に話題になる)ことは偶然なので諦めているという。だが、今回、西川教授は紹介する日清食品ホールディングスでは、SNSでの話題化とテレビでの再話題化という2段階の拡散が、バズるキーとなっているという。

同社の第1段階は、SNSで話題化を狙ったCMである。同社はCMには「世界のカップヌードル」編の「※営業資料により」と記した画面の但し書きや楽曲「ポーポポーポポ」など面白いものが多い。こういったアイデアは、社長と宣伝部員との社内の定例会議で生まれるという。

宣伝部員は日常的にアイデアのストックが求められる。人に勧めたくなる動画や広告を見つけた時、何が興味をそそるのかを徹底的に分析するという。分析結果と同社のエッセンス(基本要素)を組み合わせSNSで話題性を狙ったCMを制作するという。

第2段階は、テレビでの再話題化であるという。SNSで話題化すると、まとめサイトやニュースサイトでクローズアップされる。それが記事化され、CMや動画の視聴が増え、さらにSNSの話題も増え、記事も拡大するという、噛めば噛むほど面白さが拡散する「スルメサイクル」を実現する。

同社もこれまで正統派のカッコイイCMの制作を行なっていた。だがSNSが台頭し、顧客の情報取得の方法が変わったことから、SNSでの話題化につながるCMに変更した。そこでネットでの発信を強化して、2段階の拡散を実現したという。🥤💡♬📱🍟🏥📷💻🍺🦠🎓🏢📈🔎⚡️🌍happy01📶👦👧💡🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「WAVE:広がる月ビジネス」から

2022.9.29   日経産業新聞の記事「WAVE:広がる月ビジネス」から

地球と月を1つのエコシステムとするPlanet 6.0

コラムの著者 石田 真康氏(A・T・カーニー ディレクター)は、最近の宇宙ビジネスの動きで注目されている月開発のアルテミス計画を軸に言及している。

○米国、ルクセンブルグ、UAEに続き日本も宇宙資源法を制定

 石田氏によると、日本の宇宙事業を手掛けるVB、ispaceの米国子会社が米Draper社とともにNASAに対して商業月面輸送サービスを提案し、総額7300万ドルの契約を7月21日受注したという。契約の内容は、Draperチームとして3基の積荷を月面に輸送するというもの。NASAを中心とする月面探査計画「アルテミス計画」の一環としてこの本商業月面輸送サービスが実施される。

米SpaceX社の「ファルコン9」ロケットで打ち上げ、JAXAのロボットやUAEのローバーなど7品目を輸送する。今回月面着陸が成功すると日本初の民間月面輸送となる。

一方、月面探査については日本の政産学官がメンバーである月面産業ビジョン協議会が昨年、地球と月が1つのエコシステムとして機能するPlanet 6.0の将来ビジョンを発表した。2040年には1000人の宇宙飛行士が5〜10拠点に分かれて長期滞在し、月面活動を行なっていると想定している。実現には、エネルギー、建設、通信、測位、食糧などの様々なシステムやインフラが必要で、ここにビジネスチャンスがあるとしている。一方、政府としても民間企業が宇宙空間で採取した資源を、国として所有権を認めると定めた宇宙資源法を制定した。民間企業による活動の基盤整備を進めている。この宇宙資源法は、米国、ルクセンブルグ、UAEに続き4番めであるという。

政産官学の各分野で連携し月開発が始動準備に入った。🌔🌖⏳📱🩺🏥👩👨🚘🚗📶🩺📈😷💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇯🇵🇺🇸🇱🇺


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoSalon:あらゆる知識がデュアルユース」から

2022.9.29   日経産業新聞の記事「TechnoSalon:あらゆる知識がデュアルユース」から

技術ばかりではなく、情報や知識もデュアルユース

コラムの著者 山﨑 弘郎氏(東京大学名誉教授)は、前回に引き続きウクライナ戦争を軍事技術のみならず多様性をもってきていることに言及している。

◯戦争が軍事技術のみならず、情報や知識にも及ぶ多様化

 山﨑教授は、前回の投稿でも技術は人間の道具であるのだから、軍事技術かどうかはその使用目的で決まり、技術の内部の明確な境界はないが、技術は実際にはその成果や生み出す価値で性格付けられるために、入口は同じでも出口では明確に区別すべきであると説いた。

ロシアによるウクライナ戦争は、その様相を今までの戦闘行為以上に、あらゆる技術、手段が総動員されている。自らの主張やその正しさを国民や世界に訴え、相手の考えや手段を非難する宣伝戦や情報戦、相手の社会インフラを狙った経済封鎖やサイバー攻撃などが展開されている。

戦場では、無人航空機やドローン、ロボットなど先端技術の使用が目立つ。味方の犠牲を避け、遠方から攻撃目標を正確に狙える要求が高い。使用される技術も目標のセンシング、誘導、制御、通信など多岐にわたる。これらは民生用での開発されてきたが、原理的には軍事用への転用はできる。しかし、このような転用は軍事用に実用化するにはかなりの応用研究や開発が伴う。また従来無関係と思われていた分野の研究成果が利用される可能性もある。また、アイデアは基礎研究から生まれる場合もあり、技術がどう展開するのかも予想できない。

今回の戦争は、技術の面だけでなく、情報や金融、通商など多くの施策が採られている。技術以外の面でも今回の戦争で各分野で多様化し、姿も変わってきた。いまや、各分野の専門家や学者、研究者、開発技術者などの意見や発言が必要で多くの知識を総合的に動員する事態となっている。💣⛴🛫📊⚡️💡😷🌍🤖💻🧠🍞🎓✏️🏙🌾🍓😅🏃‍♀️🏠😷🦠❄️🍅📖🔎⚡🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「SmartTimes:戦略は理不尽であれ」から

2022.9.28   日経産業新聞の記事「SmartTimes:戦略は理不尽であれ」から

戦略とは未来を作るためのもので予想するものではない

コラムの著者 スティーブン・ブライスタイン氏(レランサ社長)は、企業戦略の立て方で多くが将来を予想して計画するものという大きな誤解があることを解いている。

○過度の注意深さよりも賢明な慎重さと大胆さが成功をよぶ

 ブライスタイン氏によると、多くの経営者の誤解は企業戦略が既存のビジネスを理解して将来を考えて計画することという大きな誤解があると指摘している。これでは新しいビジネスモデルを実行できない。

では何が違うのか。企業戦略は、未来つまり将来のビジョンを明確にして、そこに行き着くために何をすれば良いかを遡って考え戦略を立てることだという。既存事業がどうであれ、自社のビジョンを見つめ方向性を見失わないことである。

ただ、いくら大胆な経営者でも、会社や業界の現状を考えると気弱になるのが通例だという。

  • 自分が目指す方向を拒絶する社員
  • これまでに頼りにしてきた販売業者からのシャットダウン
  • 新規事業での顧客をサポートするインフラの未整備
  • 営業チームの能力向上の必要性

といったさまざまなリスクを考えてしまう。だが、しっかりしたビジョンがあれば、それを無価値にするほどのリスクでないことがわかる。リスクばかりの捉われると、素早い行動ができずに競合他社に先を越されたり、戦略を盗用するところが出てきてチャンスを逃すことになってしまう。

ビジネスにおいて過度の注意深さを持つことと賢明な慎重さを持つことは同じではない。注意深いほど戦略目標を低くしてリスクを回避しようとする。だが、競合の積極政策をとったところに一気に不意打ちをかけられる状況に陥ってしまう。

成功のための戦略は斬新で、かつ大胆であるべきで、そうでなければ、大胆な戦略をもつビジネスにとって代わられることになる。つまり、戦略自体は理不尽であるべきで、それをビジョンに違わずに進めれば成功につながると、ブライスタイン氏は示唆している。💴⏳📱🩺🏥👩👨🚘🚗📶🩺📈😷💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇯🇵🇺🇸