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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「SmartTimes:『DX期待症候群』克服を」から

2020.10.9  日経産業新聞の記事「SmartTimes:『DX期待症候群』克服を」から

PoC(Proof of Concept, 概念検証)で終わるのでは成功しない

 コラムの著者 栄籐 稔氏(大阪大学教授)は、デジタル変革あるいはデジタル・トランスフォーメーション(DX)に関する講演依頼が増える中で、企業側のありがちな失敗について語っている。

○時流に乗ることや事業責任がないデジタル化は意味なし

 栄籐教授によれば、DXとは情報技術を用いて企業の諸活動を効率化すること、これまでのビジネスモデルを変えて新たなイノベーションを起こすことだという。ただ、企業経営ではトレンドになっているが、混乱も多いと言う。つまり、デジタル化は重要であるが、いざどこから初めて良いかわからないという経営幹部が多いと言う。さらに、DXの流行に乗り遅れるなというだけでPoC(概念検証)だけで済まし、何も進まない失敗事例も多いと言う。このようなDX自体が目的になってしまっている「DX期待症候群」が多いと栄籐教授は指摘している。

その要因は、実際に現場でDXを体験した事例が少なく、関連情報だけは多いが、自分の肚に落ちていないことによるという。また、PoCは価値創造に必須だが、多くは失敗し、そこから自社の課題を出せないのも問題である。さらに、事業責任のない部署に新しいICTだけを使って「面白いもの」を作りましただけで終始するのも問題である。
成功の秘訣は、経営幹部が現業を伸ばし、さらにもう一つ事業の柱をたてたいという目的があって、デジタル化を道具とすることであろう。😲🏪🛒🧺🍅🩺📈😷💻🛠⚓️💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:東証売買停止で見えたCIO像」から

2020.10.9   日経産業新聞の記事「眼光紙背:東証売買停止で見えたCIO像」から

リスク管理の模範となる記者会見

 コラムの著者は、東京証券取引所の売買停止のトラブルを受けて開催された記者会見の様子について語っている。

◯システムは落ちたが、CIOの株を上げた日本取引所グループの横山隆介CIO

 同記者会見はネット中継され、多くのエンジニアに横山CIOのシステム停止に至る説明などが明快で好感が持てると感じさせたと言う。確かにトラブルは重大事であるが、経緯や原因だけでなく、システムの構造などをわかりやすく説明した実力は素晴らしいという。

これまでの多くのシステム障害の記者会見で事情説明に当たるCIOは素人が多かったという。説明は所々つまりながら、事務方が説明を代行するなどザラであったという。開発の時間軸や人員メドさえつかないという。

しかし、横山CIOは理路整然と、質問のレベルに応じて丁寧な説明をしたという。一般的にシステム障害などの記者会見では報道陣が消化不良をおかして、荒れた会見になりがちだが、今回は他の模範となるような会見であった。💹🍶💰🚑🩺🛠👖💳🍴🚲😷🦠💻🛠💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:伝統メディアの変革」から

2020.10.6  日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:伝統メディアの変革」から

ネット広告と新聞メディアの変化が米国から日本へ

 コラムの著者 小松原 威氏(WiLパートナー)は、新型コロナウイルスがもたらした自粛生活で消費者のデジタルソフトが加速された影響が広告さらにメディアのビジネスモデルを変え、米国に止まらず日本の地域メディアにまで変革を起こしていることを示している。

○米紙ニューヨーク・タイムズに止まらず日本の地域メディア静岡新聞に飛び火

 コロナ禍が消費者のデジタルシフトを加速させたと小松原氏は語る。買い物や食事をする際に消費者にとって最初の拠点がモバイル、つまりスマートフォンなどデジタルになったことである。実際、米国でも米マッキンゼーのレポートでは、2019年までは10年間に毎年1%程度の増加であったものが、コロナ禍で一気に3ヶ月で34%まで急上昇した。ここまで急激なEC化が進むと、広告のトレンドも大きく変わった。企業の広告出稿控えで米Googleでさえ、検索連動型広告が減収となった。これに対してアマゾンに広告を出す「リテールメディア」の分野が急速に拡大した。この「リテールメディア」はアマゾンのスペースを1つのメディアと捉え、出稿する企業に貸し出す広告モデルである。

消費者の極めて近いECサイトのアマゾンに広告を出す利点が大きい。企業広告が新しいデジタルメディアにシフトを始めると紙媒体を筆頭とした既存の伝統メディアは厳しい経営環境に陥った。このような中で起死回生に成功したのが米紙ニューヨーク・タイムズである。すでに同社は2014年に社内資料であった「イノベーションレポート」を公開し、大きな反響を読んだ。デジタル化が進む新しい時代に柔軟に対応すべきとの景勝をならした。記事の内容にこだわるのではなく、デジタル化で読者を開拓し、関係性を深めていくことを提案してきた。収益源を広告からデジタルの講読料にシフトし、今年6月の時点で有料購読者数4000万人を獲得した。直近の四半期ではデジタル経由の収入がついに紙関連の収入を超えたという。

実はこのニューヨーク・タイムズ紙を参考にしてきた地域メディアがシリコンバレーの拠点に従業員を送り、米紙の変革を実体験させ、複数の新規事業を手掛けているという。日本の静岡新聞がそれで、米紙と同様、「イノベーションレポート」を公表し、社内外の大変革を起こしている。新しいビジョンは記者本位の記事を押し付けるのではなく、とことんユーザーファーストで生まれ変わることを宣言した。社員は七転八倒の中でも明るさを失わず、会社を変えること=社員が変わることとして宣言で退路を断ちながら変革を続けているという。 📰🗞💰💴📖✈️😷💺💻🛠⚓️💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🦠🇯🇵🇺🇸


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:金融緩和の株高バブルのもろさ」から

2020.10.8   日経産業新聞の記事「眼光紙背:金融緩和の株高バブルのもろさ」から

積極的な買い材料がない中での株高こそバブル

 コラムの著者は、米ナスダックやS&P500種では一部の株式がすさまじい勢いで買われていることで、株高バブルのもろさについて語っている。

◯ちょっとした「心のひだ」がバブル崩壊を招く

 どの企業も業績の伸びは確かではあるが、株式市場はそれを遥かに超えてバブル買いが続いているのが現状だという。多くの投資家は、バブル高とさえ思っておらず、コロナ禍で世界的な金融緩和がまだまだ続くとみている。FRBのパウエル議長が言うようにゼロ金利政策は2023年まで続けられるようで、金は余っている。これが機関投資家をはじめ多くの市場参加者で共有されている。

こういった安心感がすでにバブル現象であり、一気に市場参加者の「心のひだ」によっては崩壊を招く状況だと言う。つまり、これといった積極的な買い材料がないのに株高となっている。このもろさが近く起こる可能性があろう。🍶💰🚑🩺🛠👖💳🍴🚲😷🦠💻🛠💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏🇯🇵🇺🇸🇨🇳


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「小野譲司の目:コロナ禍、評価高い業種、安心感・非日常に起因?」から 

2020.10.9   日経産業新聞の記事「小野譲司の目:コロナ禍、評価高い業種、安心感・非日常に起因?」から

コロナ禍でのCS(顧客満足度)調査が示すもの

 コラムの著者 小野 譲司氏(青山学院大学経営学部教授)は、2009年から毎年継続して行われてきたJCSI(日本版顧客満足度指数)の7月再開の調査をもとにコロナ禍での顧客体験や顧客心理を読み解こうとしている。

◯平時にはないサービスの再考が重要

 小野教授は、JCSIを元にコロナ前後で市場環境の様変わりを経験したサービス業に対して顧客心理の変化を追跡してみた。調査対象となったシティーホテル、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、銀行においては、満足度、推奨意向、再購買意図などのスコアをみた。

結果、1ポイント以上上昇したブランドが半数を占めた。また、企業のコロナ対応に対する顧客評価は業種・ブランドによって若干の違いがあったという。そこには、コロナ対応が優れているから満足度やロイヤリティーが上がるほどの根拠は今のところ明確にないという。では、コロナ対応そのものがポイントアップの要因でないとすると、その理由は何か:

  • 行動が制約される中で、顧客があえて選択した企業やブランドであること:それはあらゆる商品やサービスを買い揃えられる小売店での「安心感」である。また、ホテルデあえば、非日常感覚に起因する。つまり自分にとってCSが高いブランドだからこそ、CSが上がったと思われる。
  • サービスの多様性が生まれコストパフォーマンスがよかったこと:ホテルではリモートワークやステイケーションなどで割引料金の設定をしたり、稼働率が低いことからゆったりした感覚で独占的な非日常が得られたことなど、コストパフォーマンスの良さを生んだからだと思われる。
  • 企業側が行った一連の感染防止対策は満足を押し上げたとは特定できていない。ただ、リモート対応、料金、キャンセル料、ポイントなどの柔軟な取引条件は、推奨意向や再利用をお流した傾向は見られた。

サービス企業が模索している新サービスや取引制度の改革は、CSの調査データにはでてきている点は読み取れる。🏬🏨😷🦠📱💻📒🛒🎓💳⚡️🌍happy01💡📶🇯🇵