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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoSalon:遅すぎる決断は致命的」から

2020..8.18  日経産業新聞の記事「TechnoSalon:遅すぎる決断は致命的」から

修正の時間切れでは救いようがない

 コラムの著者 山﨑 弘郎氏(東京大学名誉教授)は政治家や経営者の新型コロナウイルスを押さえ込み経済を回復させるための決断を見て、適切な決断が良いタイミングに行われているとは言い難い状況を考察している。

◯時間をかけての議論も良い結論とは限らない

 過ぎ去った過去を変えることができないことから、未来に対する決断が重要なことは今も昔も変わらない。今回のコロナ禍に対する対策を打つ決断を政治家や経営者が行う際に、どうも決断を先延ばしにしてはいないかと山﨑教授は疑念を持っている。

確かに未来に対する未知数が多い。そのため決断を遅らせて、誰が考えてもこれはといった時期になるまで決断を控える傾向にある。あるいは、未来が見えてから決断するのは決断とは言えない。

政治家や経営者が、一般よりも高い報酬を得ているのは、その決断において未知の将来への洞察の重さと結果の責任への対価であろう。つまり、高い報酬は、決断の重さと結果の責任をとるからこそと言える。では現実はどうであろうか?

決断を下す時期も非常に重要なファクターである。適切な時期、タイミングで決断しなければならない。早すぎる決断は、情報や熟慮が不足しているために、時期尚早となり誤ることが多くなる。しかし、遅すぎる決断はもっと悪い結果である。しかも時間をかけて義尊を尽くしても必ず良い結果が得られるとは限らない。つまり、神様でもない限り、人間には至難なことである。正しくない決断で誤れば速やかに訂正し、軌道修正しなければならない。

軌道修正を行うにしても時間がなければ厳しい。従って早い決断軌道修正の時間がまだあるが、遅い決断では修正さえもできない事態に陥る危険がある。今回のコロナ禍での対策に遅すぎる決断は望まない。😅🏃‍♀️🏠😷🦠❄️🍅📖🔎⚡🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「SmartTimes:偏見無くし観光に光を」から

2020.8.19  日経産業新聞の記事「SmartTimes:偏見無くし観光に光を」から

観光の語源は易経の「観國之光」

 コラムの著者 加藤 史子氏(WAmazing代表取締役社長CEO)は、コロナ禍が感染自体も恐るものであるが、人間の差別、偏見、中傷はそれ以上に怖いものであることを背景に観光業の萎縮について語っている。

◯国際政治での緊張ではなくお互いの個人関係によって成り立つ観光

 新型コロナウイルスの感染防止は当然ではあるが、感染者や医療従事者を差別したり、偏見あるいは中傷するといったことが、残念ながら日本国内でも起こっていると、加藤氏は語っている。

この3ヶ月半の間、「感染者ゼロ」だった岩手県だが、7月29日に新型コロナウイルスの感染者が初めて確認された。感染者の勤め先やネット上には中傷や差別発言が相次いだと言う。この状況は、15世紀から18世紀にかけての中世ヨーロッパでおきた「魔女狩り」と同根だと加藤氏は指摘している。その後、科学技術の発達にもかかわらず、我々の精神の未熟さは変わっていない。

転じて、コロナ禍での国際的な関係をみると分断や緊張が続く中、いずれ収束を迎えた時、観光業はどうなるのかが、加藤氏の考察である。観光は、元は易経にある、観國之光で、国の光を観ることにあるという。観光客は国の利害や対面を背負っているわけでなく、訪ねた土地の人との関わりを持ちながら、その土地の文化、歴史、自然を学び、楽しむものである。そこには個人と個人の相互理解と暖かさに満ちている。つまり、観光産業は平和への架け橋だという。コロナ禍での感染防止は重要だが、そこで人々の分断や日本でいう鎖国状態だけは避けなばならない。そこには海外に禍根を残していくことになるからである。🗻🛕🗼😷💻🛠⚓️💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:マットレス販売にDXあり」から

2020.8.14   日経産業新聞の記事「眼光紙背:マットレス販売にDXあり」から

蓄えと機転が「失敗」をチャンスに変える

 コラムの著者は、マットレスのエラーウィーヴ社の取り組みについて、対面営業から非対面型営業で業績を上げている背景について語っている。

◯非常時には平時からのデータの蓄積と変わり身の早さが重要

 同社が取り入れた非対面型販売とは、

  • お客様が身長や体重をウェブに入力
  • 「自撮り」の体型の写真を送る
  • 同社のコンシェルジュがお客様の体型に合わせて、3分割したマットレスの各部位から選択し、チャットでやりとりを行う

といったもので、コロナ禍で当初、リアル店舗での販売は7割減となったが、今では非対面型で盛り返しているという。社長の高岡本州氏によると、非対面営業は失敗の集大成だという。

マットレスを3分割したのは、米国で配送の問題に直面したときの対策であったという。写真などから最適の商品を弾き出すシステムは、実は、東京オリンピック・パラリンピックの選手村向けに開発したものだった。2万人もの選手にあったマットレスを一人ずつ計測するのは非効率であるので、蓄積してきた体型データを使って活用したもの。東京大会は1年延期となったが、これを一般向けに展開して応用した。

DX(デジタル・とランスフォーメーション)はどの企業でも課題であるが、同社の成功の秘密は、日頃からデータを蓄積し、非常事態での変わり身の早さが重要であることであろう。まさに失敗学の成功事例である。💤🛌🏢😷🦠🗼💻🛠💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏🇯🇵🇺🇸


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:レストランと技術革新」から

2020.7.21  日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:レストランと技術革新」から

投資判断は論理的なファクトだけでなく人間性への評価と相性も

 コラムの著者 伊佐山 元氏(WiL共同創業者兼CEO)は、シリコンバレーでVCと起業家との接点になっていたレストランが潰れたことで、イノベーション(技術革新)がいくら進んでもリアルな交流が不可欠であると述べている。

○多くの交流で得られるビジネスのインキュベーション施設であったレストラン

  シリコンバレーでVC、投資家、スタートアップの起業家や関係者が交流し、投資を決めたりしたレストランがあっけなく倒産したと言う。名前をMayfield Bakery & Cafe である。

簡素で品の良い店で、地元の新鮮な食材と自家製の焼き立てパンに拘って、地元のビジネスコミュニティーの人気のスポットであった。

シリコンバレーがいくら先端技術に優れていたとしても、レストランでの交流や、投資家との会食は、イノベーションのエコシステムが健全に発展する上で不可欠なプロセスであると、伊佐山氏は語る。そんな日常が失われた今日、VCは困惑を隠せないと言う。

多くのベンチャー投資は、確かに論理的なファクトベースの分析でビジネスを評価するものだと思われガチだが、実は、レストランでの人間性の評価や相性も重要なファクターであるという。zoomなどのビデオ会議で行うものには、この人間性まではわからないという。そこでのアナログ的な人間の交流から生まれるインスピレーションをデジタルが代理するにはまだ難しい。そこにイノベーションの鍵があるという。仕事も効率化の一辺倒ではなく、日々の驚きと発見であって欲しい。📖✈️😷💺💻🛠⚓️💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🦠🇺🇸🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:富岳を産業活用のモデルに」から

2020.8.12   日経産業新聞の記事「眼光紙背:富岳を産業活用のモデルに」から

速度競争だけでなく産業応用のモデル構築が重要

 コラムの著者は、理化学研究所と富士通が共同開発した国産コンピューター「富岳」が世界一となったことの意義について語っている。

◯事前にプログラムの検証も可能に

 批判的に米中よりも早くから次世代機にかかれたことが勝因だという厳しい指摘はあるものの、日本の技術力がまだ建材であることは誇るべきであろう。

さらに「富岳」は国家プロジェクトを支えるインフラストラクチャーであると同時に、いかに産業界に活用してもらうかといったミッションが実は重要だと言う。すなわち、計算速度での競争であれば、何れにせよ他国にも追いつかれる。しかし、産業活用のモデルを構築できれば、その価値は簡単には失われない。

コラムの著者は、兵庫県、神戸市、神戸商工会議所が設立した計算科学振興財団は富岳の技術を取り入れた富士通製の産業用スパコンを独自に導入し、1台1時間当たり数百円で貸し出すことを取り上げている。国内の企業、研究機関なら幅広く利用でき、自分たちで作成したプログラムが実際の富岳の上で動作するかを事前検証できるものである。産業用スパコンとはいえ、計算能力はたかく、富岳とともに利用して効率的に開発を進めることも可能である。

このような試みを広げて、産業応用のモデルとして構築できれば、実利的な性能を高めることも期待できる。完成したからといって終わりではなく、これからが本番である。♨️🏢😷🦠🗼💻🛠💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏🇯🇵🗻