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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoSalon:鉄道事故の多重化を防ぐ」から

2019.10.31  日経産業新聞の記事「TechnoSalon:鉄道事故の多重化を防ぐ」から

国鉄時代に起きた鶴見事故から学んだものは

 コラムの著者 山﨑 弘郎氏(東京大学名誉教授)は約50年前1963年11月9日の夜半に起きた国鉄の鶴見事故と今年9月に起きた京急線踏切も鶴見駅に近くであり、この50年間での対策について語っている。

◯電車は軌道しか走れないので事故が多重化しやすい

 山﨑教授によると鶴見事故は、

  • 国鉄横須賀線と並走していた国鉄貨物線で起きた貨車が脱線
  • 脱線した貨車が横須賀線の線路に傾いた
  • 横須賀線の上り電車が傾いた貨車に衝突、脱線
  • 脱線した上り電車に下り電車が衝突、脱線
  • 死者161人負傷者121人の三重の大事故になった

という。鶴見事故が起きたのは深夜に近く、直前の事故に電車の運転士は気づかずに現場に進入して大事故になったという。また列車の運転管理をしていた部署が事故発生を把握するのに時間がかかった。

今回の京急事故と鶴見事故との差異を多重事故の側面で山﨑教授は考察している。

  • 現在の方が電車の走行速度も大幅に増加
  • 踏切の数は減少
  • 踏切を横断する車両数は増加
  • 自動停止を行う設備が導入された
  • 自動通報や信号機への連携が導入された

と進歩はしたが、踏切以外での事故は検知できない。倒木や土砂崩れでの脱線事故は多重化が起こる可能性が十分にあるという。情報を伝える、例えば携帯電話などは急速に進歩したが、公共交通ではもっと無線通信を活用すべきだと山﨑教授は指摘している。約50年前に事故を教訓として電車は軌道上しか走れないので事故が多重化することを留意して、場所の特定や事故原因から発生予測まで行い、発生や多重化を防ぐべきであろう。💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🚚🚃


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:世界は狂っているか?」から

2019.10.31   日経産業新聞の記事「眼光紙背:世界は狂っているか?」から

東京五輪の誘致での謳い文句は?

 コラムの著者は、東京オリンピックのマラソン・競歩の札幌開催問題を気候変動の理由で解くには無理があることを立候補ファイルにある謳い文句をとりあげ述べている。

◯狂っているのは「天気」ではなく人間の方では

 観客動員数1000万人を超えた新海誠監督作のアニメーション映画「天気の子」での台詞で「世界なんてさ、どうせもともと狂っているのだから」という主人公の行動との対比で語られる場面があるという。今回問題になっている、東京オリンピックのマラソン・競歩の札幌開催は狂っているのは気象なのか人間なのかという映画のテーマが重なって見えるともいう。

そもそも、東京開催を招致する際の立候補ファイルにある以下の文章が気にかかる;

「この時期(五輪開催予定の7月24日〜8月9日)は晴れる日が多く温暖でアスリートが最高の状態でパフォーマンスをできる理想的な気候」

という謳い文句である。確かに誘致成就の歓喜でかき消された感がある。改めてこの文章を東京の夏の猛暑を考えるとかなり違和感があると言える。IOC(国際オリンピック委員会)は今年9から10月にドーハでの世界陸上選手権大会で酷暑のため多くの棄権者が出たことから、今回の札幌開催に動いたという。もともと、真夏の開催は巨額の放映権料を支払う米テレビ局の意向とされるが、それでこの謳い文句とは招致委員会の信頼性はどうなのか。☔️☁️☀️📖🗞🌃🏢💡🔎⚡️happy01🌎🎓🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「横山斉理の目:ファンベースのマーケティング、必要な価値体系転換」から 

2019.11.1  日経産業新聞の記事「横山斉理の目:ファンベースのマーケティング、必要な価値体系転換」から

デジタル情報革命でマーケティングもパラダイムシフト

 コラムの著者 横山 斉理氏(法政大学経営学部教授)は、情報が氾濫する現代でヒット商品やロングセラー商品を作るにもかつての顧客の捉え方が変わってきていることを論説している。

○今も見えない売上高とファンの盛り上がりの関係

  横山教授によれば、顧客から愛されるヒット商品やロングセラー商品をどのように伝えるべきか情報氾濫の時代には従来とは異なったパラダイムが現場に必要だという。

そこでファンを軸にしたマーケティングが出てきた。ファンベースのマーケティングとは、2割のファンが8割の売上げを占めているという経験に則った、少数の顧客に対して濃い接触や体験を提供して熱烈なファンを作り、その人たちをベースに、ネットとリアルの口コミを増進させて市場を獲得しようというものであるという。

ただ、売上高の向上という点でその効果を測定して可視化することは極めて難しい。以前からマスコミによる広告効果も可視化できないでいて、さらに感覚的な方法で市民権を得た広告マーケティングが未だ現場の主流である。ただ、ファンベースになると、現場の価値観が全く異なってくる。そこでは、既存の広告マーケティングのパラダイムを変える、転職してきた人やマーケティングの素人でも進められる世界かもしれない。🏪🍎🍅🏪🚚📦💡⚡🌍happy01👜


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「トレンド語り:双方向型の動画制作、20〜30代女性とらえる」から 

2019.10.30 日経産業新聞の記事「トレンド語り:双方向型の動画制作、20〜30代女性とらえる」から

動画広告の拡大につれて需要増加

 コラムの著者 面川 真喜子氏(マーケットプランナー)が、MILの光岡敦CEOが手掛けるインタラクティブな動画制作サービスの需要増の背景について語っている。

◯F1層をターゲットに

 面川氏によれば今までは動画広告に効率的なマネジメントサイクルPDCAが回せなかったという。A/Bテストなどがしにくいといった問題点もあるという。

視聴者が直接動画にタップし、購入に至るような仕組みがあれば良いのにという要望がマーケティング担当者には多いという。その需要を満たしたのが、MILの光岡敦CEOが手掛けるインタラクティブな動画制作サービスだという。同サービスは動画にタグを埋め込んで、視聴者にアクションを起こさせる仕込みを追加・編集できるSaaS型ツールであるという。

視聴者が動画内の商品をクリックすると、その商品の概要がポップアップで表示されたり、ECサイトへのリンクが設定できたり、視聴者の選択で「ストーリー分岐」、アンケートフォーム、応募フォームの設置、電話番号へのリンクも設定できる。さらに、SaaS型サービスで利用者ごとのトラッキングデータを蓄積し統計データが作成できる。ちょうど動画がウェブサイトのような役割を担うという。これを、インスタグラムなど動画好きなF1層(20〜30代の女性)をターゲットにデータ分析ができるという。動画も別価値を産む時代である。📸🤳💐🍔🏢💻📺🏢💡⚡️💻🌏happy01📂🌎📈📊


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:ノーベル賞、企業の基礎研究に光を」から

2019.10.30   日経産業新聞の記事「眼光紙背:ノーベル賞、企業の基礎研究に光を」から

企業は地味な基礎研究を誇りに

 コラムの著者は、旭化成の吉野彰名誉フェローがノーベル科学賞を受賞の意義について語っている。

◯発見は重要だが、その影響を見抜いて使える技術にする研究開発も重要

 吉野さんが現代社会に欠かせないリチウムイオン電池を企業内研究で開発したことでそれが受賞の理由になった。企業に在籍する日本人研究者の受賞は島津製作所の田中耕一氏以来の二人目であるという。

ノーベル賞は社会に貢献した技術が対象でも、ルーツに遡った基礎研究を重視する。最初にリチウムイオン電池を商品化したソニーの研究者はそのルールで受賞に至らなかった。同様なことがあり、2007年にノーベル物理学賞を受賞した巨大磁気抵抗(GMR)はハードディスクなどで活用され、東芝が最初に商品化したが受賞には至っていない。

発端となる現象や原理を発見した功績は非常に大きいが、ただ発見が持つ影響力を見抜いて実際に使える技術にする地味な基礎研究も重要であろう。そうした製品化にも独創性や想像力がなければ社会にでることはない。

イノベーションの重要性は多くで説かれているが、企業がこのような基礎研究を地道に進め、誇りを忘れないこともこれからの企業内研究には重要であろう。🧴🥤🖥📖🗞🌃🏢💡🔎⚡️happy01🌎🎓🇯🇵🇳🇴