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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:データバブルが始まった」から

2016.5.16   日経産業新聞の記事「眼光紙背:データバブルが始まった」から

データ分析とデータブロックのせめぎ合い

IoTを例にとると、米調査会社ガードナーが予測した2020年までに200億台の機器がネットに繋がりデータ量は爆発的に増えるという。コラムの著者は、その反面データをブロックする動きがあるという。

○まるで地上げのよう

これからはデータの時代だという。インターネットの利用データやリアルな買い物の履歴などを付き合わせると人々の行動予測の精度が上がる。ここに、IoTの時代になると、予測できる範囲は個人だけではなく、生産の適正化などの企業活動、最終的には社会全体の効率化につながるという。

一方で、自分たちの持つデータをブロックする動きもある。すべてをオープンにしないというわけだ。仮に小さくても将来の貴重なデータとなれば希少価値があり、データが高く売れるというわけで、まるで、小さな土地の所有権者のような発想だが、データバブル現象が発生しているのは間違いないらしい。企業系列や取引系列ごとに固まってデータを外に出さない「データブロック圏」が形成されつつあるのも事実である。camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:技術に『辺境』の効果、反中枢で革新力蓄積」から

2016.5.13  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:技術に『辺境』の効果、反中枢で革新力蓄積」から

中枢のパラダイムに批判的になることから生まれる辺境の力

コ ラムの著者 志村 幸雄氏(技術評論家)は、白色発光ダイオード(LED)の発明に関連して、中枢の技術だけにとどまらず、中枢に対する辺境での研究開発が大きな革新力を秘めることを語っている。

◯中枢が都会、辺境が田舎といった単純な構造ではない

技術には元より中枢や辺境の概念はなく、自然科学や工学など普遍的な知識に立脚している、従って、同一性、共通性に特徴がある。

ところが、宮原諄二著(元一橋大学イノベーション研究センター長)の「『白い光』をつくる」では、

辺境にいる当事者によってイノベーションが成し遂げられるのは、普遍的な現象である

と書かれているという。

言わんとしているのは、辺境が、中枢に対する反語であるが、中枢が都会で、辺境が田舎といった単純なことをいっているのではない。中枢は、絶えず自ら構築したパラダイム(科学的規範)に縛られ、辺境を異端視して、自分たちのパラダイムを押し付けようとする。辺境は、この種の統制を嫌い、根本にあるパラダイムにも批判的になる。結果として、独自の目標を持つようになり、革新へのエネルギーが蓄積されるというわけだ。

地方創生の掛け声を空念仏にしないためにも、技術の「辺境効果」の創出に戦略的な取り組みを志村氏は期待している。pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:女子のチカラ、強さの核心見つめる時」から

2016.5.12  日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:女子のチカラ、強さの核心見つめる時」から

永遠の少女のまま自立する「大人女子」の増加

コラムの著者 三浦 俊彦教授(中央大学商学部)は、米沢泉(甲南女子大学准教授)著の「女子のチカラ」(勁草書房)について触れ、最近の女性の生き方について語っている。

○外見についても自分らしさ

三浦教授は、昨年出版された米沢泉(甲南女子大学准教授)著の「女子のチカラ」(勁草書房)を参考にその女子パワーの核心について考察している。

キーワードは、「きれいになれば、強くなれる」であるという。ヘルタースケルター(岡崎京子著)を映画化した中で出てくるセリフでと同著では示唆する。コスメと美に関する章では、「化粧した顔が本当の私」という身体的感覚が徐々に定着してきた流れを追っている。1990年代のコスメ時代が到来し、外見至上主義社会となり、茶髪、ガングロ、目力、プチ整形が流行した。2000年代に入ると、カメラ付き携帯やSNSに自撮りして女性が自己をプロデュースするようになる。ポスト「コスメ時代」が到来した。

恋愛よりも大事な自分があること、ファッションで自分を強く変えていくことを主張しだした。40代になっても、ドキドキする心を持ち、チョコレートをもったまま、ミニスカートをはいたまま、永遠の少女のまま自立する「大人女子」が増えるという。

男女雇用機会均等法施行から30年。男性にとってビジネスパートナーとしての「女子」の核心を真剣に見つめる時が来ていると、三浦教授は示唆している。pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:実力会長の功罪」から

2016.5.11   日経産業新聞の記事「眼光紙背:実力会長の功罪」から

今年の社長人事の傾向

コラムの著者は、今年の社長人事の特徴について触れている。

○圧倒的な実績の持ち主の会長に対する社長は?

富士フィルムホールディングス、キヤノン、ファナックなどの今年の社長人事には共通する特徴があるという。富士フィルムHDの「中興の祖」の古森重隆会長兼CEO、キヤノンの御手洗冨士夫会長兼CEO、ファナックも創業家出身の会長の下で40代の若手社長が誕生する。こうした会長の共通項は、圧倒的な実績の持ち主であること。彼らのリーダーシップやカリスマに比肩する人材はそう見つかるものでもないし、育たないという。

優れたリーダーが長期間、会社を引っ張ること自体は悪いことではない。むしろ中長期的な視点で経営に取り組める。一方、このカリスマ性が強まりすぎると、社内でモノを言いにくくなる、いわゆる「風通し」が悪い組織風土を生みやすい。

今後の社長はそういった視点で社内の組織風土をどう活性化させるかが課題だろう。camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「風向計;共有オフィス、商業施設に創造経済の兆し」から

2016.5.11   日経産業新聞の記事「風向計;共有オフィス、商業施設に創造経済の兆し」から

ショッピングモールが巨大コワーキングスペースに変貌

コラムの著者 岩崎 博論氏(博報堂イノベーションデザイナー ディレクター)は、米サンフランシスコでのコワーキングスペース(共用オフィス)の展開で新しい経済の兆しを感じたという。

○起業家やフリーランサーが仕事場として利用

岩崎氏が訪ねたのは以前は大きなショッピングモールがあったウェストフィールドサンフランシスコセンターで、巨大なコワーキングスペースに変わっていたという。起業家やフリーランサーが仕事場として活用し、大部屋型の共用オフィスである。月額会員制で、デスクスペースのほか、ロッカーや会議室が使える。名前は、BESPOKE(ビスポーク)といい、オーダーメードの服という意味だ。キャッチコピーが「テック系起業家のために誂えた」とある。スタートアップには向いているという。

日本でも東京・六本木にある「テックショップ」がコワーキングスペースとして開店した。テックショップにはメーカーズと呼ばれるスタートアップ企業が試作品をつくるために活用されているという。しかも商業施設の一角にあることから、複合オフィスにはこれまで小売業、フィットネスジム、マッサージ店などのサービス業という常識を覆し、自らものを作ったりビジネスを起こしたりする創造に向かっているという。今後の創造経済の兆しかもしれないと岩崎氏は読んでいる。camerahappy01