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2016.5.13  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:技術に『辺境』の効果、反中枢で革新力蓄積」から

中枢のパラダイムに批判的になることから生まれる辺境の力

コ ラムの著者 志村 幸雄氏(技術評論家)は、白色発光ダイオード(LED)の発明に関連して、中枢の技術だけにとどまらず、中枢に対する辺境での研究開発が大きな革新力を秘めることを語っている。

◯中枢が都会、辺境が田舎といった単純な構造ではない

技術には元より中枢や辺境の概念はなく、自然科学や工学など普遍的な知識に立脚している、従って、同一性、共通性に特徴がある。

ところが、宮原諄二著(元一橋大学イノベーション研究センター長)の「『白い光』をつくる」では、

辺境にいる当事者によってイノベーションが成し遂げられるのは、普遍的な現象である

と書かれているという。

言わんとしているのは、辺境が、中枢に対する反語であるが、中枢が都会で、辺境が田舎といった単純なことをいっているのではない。中枢は、絶えず自ら構築したパラダイム(科学的規範)に縛られ、辺境を異端視して、自分たちのパラダイムを押し付けようとする。辺境は、この種の統制を嫌い、根本にあるパラダイムにも批判的になる。結果として、独自の目標を持つようになり、革新へのエネルギーが蓄積されるというわけだ。

地方創生の掛け声を空念仏にしないためにも、技術の「辺境効果」の創出に戦略的な取り組みを志村氏は期待している。pchappy01

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