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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:総合科技会議の改組、イノベーション実現を」から

2014.8.22  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:総合科技会議の改組、イノベーション実現を」から

プラスされたイノベーションの実現

コ ラムの著者 近藤正幸氏(横浜国立大学)は、5月の内閣府設置法の改正で、これまでの総合科学技術会議が総合科学技術・イノベーション会議になったことで、研究開発の成果を実用とするイノベーションを調査審議できるようになったことに触れている。

○イノベーション色が高く産業界の関与も増大

同会議の構成メンバーも産業界からこれまでの科学技術会議より増え、イニシアティブも「内閣府+文部科学省」から「内閣府」にシフト、内容も「科学技術」から「科学技術+イノベーション」に変わったという。

ただ、近藤氏はいくつかの課題を上げている;

  • 同会議がイノベーションの創出に関する政策に関与するのか
  • 政策のベースが、科学技術基本計画であって、科学技術イノベーション計画でない。現行の科学技術基本法にはイノベーションについての記述はない

これに対して、イノベーションを軸に置いたシンガポールでは2011年にすでに科学技術計画から研究・イノベーション・起業(RIE)計画rに大きく舵を切っている。ただ、日本のイノベーションの創造に関しては各国から注目されていることは間違いがない。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「流行を読む:住宅のような画廊」から

2014.8.22   日経産業新聞の記事「流行を読む:住宅のような画廊」から

自宅風画廊の新しい流

コラムの著者 柏木 博氏(デザイン評論家)は、従来の無機質な白い空間(ホワイトキューブ)ではない、自宅風の画廊に触れ、新しいスタイルについて述べている。

○兒嶋画廊(東京・国分寺市)の試み

6月に開設した同画廊。約70平方メートルのこじんまりした画廊は、従来のホワイトキューブのような空間ではなく、オーナーの兒嶋俊郎氏の意向があって、住宅の調度をそのまま使い、まさに住宅の中での鑑賞体験ができるというものである。

美術作品の簡潔な白い空間もよいが、作品を手に入れて自宅で鑑賞するという「疑似体験」ができる。画廊側が作品のオーナーに対する提案として新しい試みでもある。こういった画廊が、住宅街にあるなら、散歩がてらに立ち寄るといった、画廊にとって新しい流れが生まれるのではないか。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:ハードの使命は避難の後押し」から

2014. 8.21  日経産業新聞の記事「眼光紙背:ハードの使命は避難の後押し」から

最大級の自然災害に対してハードで避難時間を稼ぐ

コラムの著者は、日立造船の防波堤について触れ、突発的な災害に時間稼ぎをするハードウェアの重要性について語っている。

○心理的な壁-正常性バイアス-

人間には「正常性バイアス」という防衛本能があるという。目の前に水が押し寄せても「私だけは大丈夫」と、不快な感情を抑え、現実を拒否して心理的な安定を保つのだという。この心理が逃げ遅れの原因となるという。

そこで、最大級の自然災害に遭遇した時に避難時間を稼ぐハードウェアが重要となってくる。日立造船は、平常時には、邪魔にならず、津波や高潮で水位が上昇すると、、防波堤だけが上昇する「フラットゲート式可動防波堤」を開発している。何れにしても人的な操作は不要という。東日本大震災では、避難者を受け入れるために水門の開閉をしていた多数の消防隊員が亡くなった。自動的に起動できれば、担当者の安全も守れる。確かにハードだけで津波や高潮、豪雨を阻止することはできない。だが、避難時間を稼ぐことができれば命は守れるという。wavehappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:深い対話が生む市場」から

2014.8.21   日経産業新聞の記事「西川英彦の目:深い対話が生む市場」から

福祉車、信頼築き完成

コラムの著者 西川英彦氏(法政大学経営学部教授)は、トヨタ自動車の小型車「ラクティス」の車椅子仕様車タイプⅡ」の事例に、ユーザとの信頼関係を前提に深い対話からニーズをくみ取ったことで好反応を得たことについて語っている。

○開発者自らがユーザーをインタビュー

この仕様車の大きな特徴は、従来のバックドアから車椅子を入れるのは同じだが、固定位置が運転手から手の届く「1.5列」である。この位置決めには、開発を手掛けた中川茂氏の努力によるものであるという。

中川氏は自身の子供が障害を持つことから福祉車両部門への異動を希望。開発するにあたり、身体の不自由な子供を持つ母親のニーズを徹底に調べることにした。

中でも自宅近くに重度の障害を持つ子供をもつ母親との出会いが転機になったという。母親の気持ちに近づこうと、時間をかけて日常生活を詳しく聞いていくと、母親が子供を車で送迎していることが分かった。

駐車場で車椅子から子供を抱きかかえ、自動車の助手席に乗せる様子を観察させてもらい、写真に記録した。雨の日は困るだろうとの問いに、母親は、雨の日は濡れるのは当たり前、まして、車を改良しようといた発想もなかったという。困っているとの実感もなかったという。

既存の小型車にスロープを付け、車椅子仕様なら雨の日にも濡れない。また、バックドアから車椅子を入れることを提案した。これを聞いた母親の反応は、

『それでは、車椅子が後部に設置されていて、怖くてのれない』

といったものだった。運転席から手が届く範囲でないと、前かがみで気道をふさぐような前のめりになった時に危険だというわけである。子供自身で姿勢を保てないためである。

こうしたやり取りから、思いついたのが、「1.5列」という発想。助手席を前方に折り畳み、その後ろに車椅子を固定できるようにして手の届く範囲にした試作車で反応をみた。これに対して良い反応であった。

深い会話をユーザとできることも困難である。さらに信頼関係があってこそ、深い対話ができる。その気遣いを中川氏は心得て、開発したことが成功につながった。rvcarhappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:新半導体装置、羽ばたくか」から

2014. 8.20  日経産業新聞の記事「眼光紙背:新半導体装置、羽ばたくか」から

断捨離後に見えた新半導体製造装置

コラムの著者は、従来の半導体製造装置に比べウェアのサイズが約半分のミニマルファヴについて言及し、新半導体での新産業振興について期待している。

○ジェイテテクトのミニマルファヴによる新方式

同社が新半導体装置を奈良県の研究所に導入した。この装置を大手の堀場製作所が半導体センサーの開発用に導入を検討しており、大手半導体メーカーも興味を持っているという。

技術開発は、難航が予測されたが、洗浄装置についての改良のめどが立ったため、今年はミニマルファヴ元年となると関係者は語っているという。

ウェハの直径が小さいことは、生産性の点では不利だが、装置を小型化でき、さらに設備投資が千分の一ですむというコストメリットが有利だ。これなら一品種づつ製造しても採算ライン乗せられるという。塩の発生や少量純水での製造、省スペースといった技術的なハードを何とか越えられそうである。さらにCMOS対応にするために、イオン注入装置などの開発も急いでいるという。国の支援も今年で切れるため、次へのステップがまさに求められる新半導体製造装置の産業である。happy01