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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:『イケメン経済学』の必要性」から

2014. 7.25  日経産業新聞の記事「眼光紙背:『イケメン経済学』の必要性」から

顔の美醜というタブーがやぶれる

コラムの著者は、容姿の美醜とビジネスの関係にふれ、今や三面雑誌の域をこえて世界的なかだいになろうとしていることを述べている。

○美男美女のどちらが得か?

このような調査を20年前米国に行った内容を批判誌「ユリイカ」では取り上げている。正解は男性。男女ともに容姿が賃金の格差を生んでいるという。中でも「不器量」で受ける損は女性より男性が大きかったとのことである。

これを現代の日本に当てはめると、経済のサービス化、労働力の流動化が進み、米国に類似してきたという。顧客や同僚、取引先など初対面の人に好かれることは結果を左右することになってきた。

さらに人間は本来、美男美女の発言を信じやすい傾向があるとの研究もあるという。

となると、これまで差別にも時にはつながる容姿も、研究対象としてきちんと取り上げる時期にきたかもしれない。その一方で職探しや経済的成功、選挙結果などに対応する「容姿ビジネス」の市場が広がってきているのも事実である。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「流行を読む:衣類にユニバーサルデザイン」から

2014.7.25   日経産業新聞の記事「流行を読む:衣類にユニバーサルデザイン」から

高齢化で高まるニーズ

コラムの著者 栗坂 秀夫氏(パシフィックデザインアソシエーツ代表)が、アソシエCHACO(川崎市)が制作販売するユニバーサルファッションを取り上げ、少子高齢化との関係について触れている。

○立ち遅れる衣服のユニバーサルデザイン

すべての人に使いやすいユニバーサルデザインやバリアフリー仕様は商品や建物は顕在化しているものの、意外に身近な衣類に関しては、これまでほとんど未開拓領域だという。

アソシエCHACOの栗田佐穂子氏はこれに挑戦。2006年に立ち上げ、「ユニバーサルファッションとは、全ての人にとって『着脱しやすく、おしゃれな服』を提案すること」をミッションに展開しているという。

ただ、全てが最初はボランティアで手作り。しかも、一人づつ異なる。それを丁寧にそれぞれの個性と用途に合わせて服を作っていくという。それぞれの使いやすさに加えて、ファッション性も加味しているところは脱帽。

日本の少子高齢化の拡大に伴ってますますニーズは大きくなると考えられる。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:魔法のコーヒーマシン」から

2014. 7.24  日経産業新聞の記事「眼光紙背:魔法のコーヒーマシン」から

職場のモチベーションの維持に

コラムの著者は、米バンク・オブ・アメリカのコールセンターでの改善事例を取り上げ、貴重な人材をどう引き止め、モチベーションを維持するかのヒントを示している。

○米国組織論の専門家ベン・ウェイバー氏著『職場の人間科学』(早川書房)より

高い離職率で有名なコールセンター。その要因は、電話をかけてくる人のクレーム処理で、電話の主のストレスをオペレーターがそのまま受け止め、さらに過大なストレスにつながることで、仕事を辞める人が多いという。

同著では、ノーコストでこの事態を解決する手段として、コーヒーマシンを職場に持ち込み、15分程度の休憩時間にオペレータがそこに集まって雑談したり、愚痴をこぼす場を用意した。結果、働く人相互のつながりが強まり、離職率が低下したという。米バンク・オブ・アメリカのコールセンターの事例である。

組織科学にも目を向け、人材の確保とモチベーションの維持をどうするかのヒントになりそうだ。telephonehappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:小型テープのり、使い方調べ収納に着目」から

2014.7.24   日経産業新聞の記事「西川英彦の目:小型テープのり、使い方調べ収納に着目」から

利用シーンが変われば顧客価値も変わる

コラムの著者 西川英彦氏(法政大学経営学部教授)は、文具メーカー大手プラスの使いきりタイプの小型テープのり『ノリノ ビーンズ』で顧客の利用シーンでその価値も変わることを述べている。

○収納時の状態が課題

同製品は2012年3月発売以来、小中学生を中心に人気を集め、13年には前年比1.7倍の売り上げるヒット商品である。

開発は2011年5月のみモニター調査の実施から始まった。同社の「交換式」スティックタイプのり「ノリノ」を中高生男女約200人に2週間使ってもらい、新製品のためのアンケートを実施した。

  • 利用頻度:週2から3回 39%、週4から6回 28%
  • 携帯頻度:常時携行55%、時々34%
  • 用途:ノート添付 63%、教材のプリントをノートの罫線に合わせて貼る
  • 不満点:①サイズが大きくペンケースに入らない、②ふたがなくなりそうで心配、③必ずしも交換式でなくてもよい

以上の調査から不満点を分析すると、常時携行で交換式ではなく、ペンケースに入る小さくて、ふたが収納できる商品が望まれると考えた。これは従来自宅で利用して、引き出しに収納するといった利用シーンでないことも分かった。

使われ方が変われば、顧客価値も変わる事例として面白い。cliphappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:宅配便、電報に参入」から 

2014.7.17  日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:宅配便、電報に参入」から

流通機能を多重利用

コラムの著者 高岡美佳氏(立教大学経営学部教授)は、佐川急便が7月14日に始めた『飛脚電報』サービスについてマーケティング戦略を考察している。

○法人向けの全国サービス

電報はこれまでNTTが独占していたが、2003年「信書便法」が施行され、民間事業者でも特定信書便事業者として認可されれば電報サービスを提供できるようになった。これを受けて多くの事業者が参入し、インターネットを利用した簡単な受付システムで格安な料金設定ができるようになった。

佐川急便はこうした電報サービス事業者と提携して、サービスをOEMで展開する。それでいて同社にとって利があるのは、宅配サービスの拡充にある。近年、物流機能の一括委託も個々のサービスで差別化しにくいことから、サービスのラインナップを充実することでマーケティング戦略を実施した。

「飛脚電報」は、顧客の他の荷物とともに提供できることから、いわば多重利用でコストが大幅に削減できる。さらに、荷主の伝票処理のコストも下げることで差別化できるとみた。サービスの多重化での付加価値の獲得は面白い結果を生みそうだ。rvcarhappy01