Previous month:
2014年5 月
Next month:
2014年7 月

2014年6 月

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:消費支える訪日外国人」から

2014. 6.11  日経産業新聞の記事「眼光紙背:消費支える訪日外国人」から

内需を支えるのは訪日外国人の外需

コラムの著者は、財務省が6月9日に発表した国際収支速報で、4月に訪日外国人が国内で支払った金額が、日本人が海外で支払った金額を上回り、旅行収支が44年ぶりに黒字になったことから、国内経済について語っている。

○44年前

コラムの著者によれば、旅行黒字は44年前の1970年7月に大阪万国博覧会が開催され、海外からの旅行者が急増した年だという。1ドル=360円の為替レートで、庶民の生活では海外旅行は高根の花、外国人にとっては買い物天国であったという。

一方、現代。4月の消費増税の影響が大きくでると懸念された高額商品を扱う百貨店業界では軽微な影響で終わっている。それも、訪日外国人の財布頼みであるようだ。もはや、日本の消費活動も訪日外国人の動向なくしては語れない時代となったという。presenthappy01airplane


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:技術のバロック化再び」から

2014.6.10  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:技術のバロック化再び」から

過剰機能がガラパゴス化を引き起こす

コラムの著者 中村 雅美氏(科学・技術ジャーナリスト)が取り上げるのは「技術のガラパゴス化」に対する回帰の危険性について述べている。

○かつての技術のバロック化

 フランス語でバロックとは、18世紀半ばごろまでの欧州の感覚的な美術や大げさな音楽といった、装飾過剰な芸術様式だという。技術のバロック化もこれと同じで、日本が得意なエレクトロニクス製品に過剰な機能を満載するものであった。それがメーカーとしては差別化だと思われたのである。実際は、ほとんどの消費者が使わないもので使い勝手が悪く、価格もこれによって高いものもあった。

 技術のバロック化の典型は日本の携帯電話で、技術のガラパゴス化を引き起こし、ガラパゴス携帯、つまりガラケーと呼ばれた。

 中村氏が引用している総務省の人口分布統計でもわかるように、高齢化社会では、技術のバロック化ではなく、むしろ使い勝手の良いものを受け入れる。中村氏は、いまだにメーカーが若者をターゲットにした技術のバロック化したような商品提案を行なっているのは、消費者の懐具合もシニアの方が大きいことに合っていないのではないかと危惧している。mobilephonehappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「ネーミングNOW:ご当地感で『地産全消』」から

2014.6.10   日経産業新聞の記事「「ネーミングNOW:ご当地感で『地産全消』」から

ネットでは地方であることが商品価値

コラムの著者 ネーミング&コピーライターの岩永嘉弘氏は、一見ジョークの連発のようなネーミングであるが、そこには「地産地消」からステップアップした商品のネーミングがあるという。

○楽喜(山口県美祢市)のカレー「山口さんちのごめんなさいカレー」

この長い商品名。47都道府県の県庁所在地と同じ苗字ランキングで「山口」が一位であることを利用して、2012年に発売したカレーである。この情報は、産地である山口県を伝えるため。さらに続いて同社は、「山口さんちの林くんだけが食べられるハヤシ」というハヤシライスを発売した。さらに、この商品名にそえたコピー?がまた長い:

『僕んちに林慎一くんがやってきた。林くんは高校に入るために山口家に住むことになったんだよ。林くんは辛いものが苦手なので、カレーが食べられないんだ。だから母さんが特別に林くんのためだけにハヤシを作っているんだ。林くんは”おいしい”と言っておかわりしていたよ。僕は食べたらダメなんだって!!』

まるでショートショートのようなドラマを添えてパッケージにした。

 一見、ターゲットを絞った戦略のように見えるが、これはネットユーザに向けた全国志向だという。今や地方発信の商品はネットを使って全国に飛び出す。だからこそ逆に、商品のネーミングには地方のアイデンティティーが重要となるという。地方だからこそ商品価値がある。

 今は地産地消を超え、地消を超えて「全国消費=全消」に向かっているという。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:シミュレーションが切り開く」から

2014. 6.5  日経産業新聞の記事「眼光紙背:シミュレーションが切り開く」から

ソフトシミュレータが海外技術の展開を支援

コラムの著者は、ソフトシミュレータ(エムエスシーソフトウェア、東京・新宿)が川崎重工業の鉄道車両事業の国際展開に貢献したことを示し、高精度のシミュレータが拓く可能性を示している。

○川重はニューヨーク地下鉄の案件で実車両試験を免除

 実車両試験が免除されたのも、鉄道車両設計で車体強度維持と、消費電力削減を狙った軽量化の両立できることを同社のソフトシミュレータで検証できたことにあるという。構造解析と実機での荷重試験の結果が一致したことから、衝突時の先頭車両の運転手と乗客を守るよう先端部が変形し、衝撃吸収する構造分析にも応用してみたという。実車両試験で検証し、これが実車両試験の免除につながった。

 これで仏アルストム、独シーメンス、加ボンバルディアの鉄道大手3社に並ぶことができたという。この話から、コンピューターシミレーションの技術的な機能、性能向上はもとより、これを応用したメーカーの製品が国際化につながるヒントがあるに違いない。bullettrainhappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:新技術の有用性、『おもちゃ』に先見性を」から

2014.6.6  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:新技術の有用性、『おもちゃ』に先見性を」から

おもちゃ論議はイノベーションと裏腹

コラムの著者 志村 幸雄氏(技術評論家)は、新技術の機能を揶揄する言い回しとして「おもちゃ」という否定的な言い方だけでなく肯定的なイノベーションの要素もあることを示している。

○グラハム・ベルの逸話

志村氏が紹介するおもちゃ論議は興味深い。たとえば、電話の発明者グラハム・ベルが公開通話実験を行ったとき、成功した彼の前で、義父になる弁護士が、

  • 『そんなものは、ただのおもちゃだ』

と、一笑したという。ただ、その後義父は、ベル電話会社の設立に出資し、電話全盛時代を切り開いたという。

また、掃除ロボット『ルンバ』も開発当初、日本の多くのメーカーは口をそろえて、『これはおもちゃだ』と揶揄し相手にしなかったという。しかし、その判断は見事に裏切られ、累積販売台数1千万台に伸ばしてわだいとなっているという。

おもちゃ論議には、技術の真贋性で否定的にとらえられる反面、おもちゃが発想の原点となってイノベーションにつながった例もあると、志村氏は指摘する。模型飛行機から本物の飛行機を発明したライト兄弟。

たかがおもちゃ、されどおもちゃである。肯定・否定の意見を複眼思考でとらえると、イノベーションにつながることも否定できない。happy01