【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:全社マーケティング、部門間で補い迅速に」から
2014/06/29
2014.6.26 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:全社マーケティング、部門間で補い迅速に」から
事前予測で準備できた社員にインセンティブ
コラムの著者 西川英彦氏(法政大学経営学部教授)は、日清食品のマーケティング戦略を例にあげ、競争の激しい市場で勝ち抜くために「全社マーケティング」を行った効果について述べている。
○すべての関連部門でマーケティングを行うことで新市場を切り拓く
日清食品が、商品化決定から3か月で発売する「ハイスピード・ブランディング・システム」を2013年4月から始めた。従来は、商品化決定後、製品開発、原価計算、製造ラインの確保、機械発注のシリアルでのプロセスであった。そこで目途がつくと市場予測や資材調達、広告を取りまとめ、発売を正式決定する。この間、3から10か月かかり、新設備などを導入する場合1から2年もかかってしまう。いわゆる、ステージ・ゲート・プロセスである。多段階の判断で上昇するコストを抑制する方式だ。だが、時間がかかりすぎ市場の変化に追い付かない欠点があった。
そこで、「ハイスピード・ブランディング・システム」では、各関係部門にもマーケティング力を求めた。ブランドマネージャーが正式決定後に指示を行うようでは時間が間に合わない。すべての関係部門がマーケティングを行い、部門間の調整も進め次の一歩を先んじて行う方法である。さらに評価も連帯責任に変更。年俸の上下も反映、事前予測を行って準備を完了させた者や購入資材の転用、転売先まで確保できた者は5%の年俸アップのインセンティブを与えた。
これによってスタッフの意識が変わり、前向きに動くようになったという。まだまだ実験途上と同社HDの社長は語るが、挑戦は無駄ではない。
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