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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:水面下で進む技術革新」から

2014. 4.28  日経産業新聞の記事「眼光紙背:水面下で進む技術革新」から

まさに水面下の活躍に必要な技術

コラムの著者は、少し変わった技術を紹介している。

○潜水艦と掃海艇

コラムの筆者が注目しているのは、広島県呉市にある海上自衛隊呉史料館「てつのくじら館」で詳しく解説している潜水艦と掃海艇である。

潜水艦は海の安全保障を担い、掃海艇は海上封鎖を目的とした機雷の除去を行う。潜水艦は、探知されないように随所に静音化技術が使われているという。艦尾のプロペラの出す音から、相手の位置から潜水艦の種類まで特定できることから、プロペラの形状の最適化は高い技術が要求されるという。

一方、掃海艇は、日本は世界でも第一級の掃海技術をもつのだという。第二次世界大戦で米国が日本近海に多量に敷設した機雷を除去した経験で培われたという。

磁気に反応して爆発する機雷に対して、木造船であった掃海艇は、今やFRP製である。プロペラも、日本の技術が生かされ、CFRPをつかった磁気を帯びず、従来のものより振動が少ない。この技術は商船への採用が進んでいると「水面下」の競争が起こっている。shiphappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:外国人に選ばれる日本に」から

2014. 4.25  日経産業新聞の記事「眼光紙背:外国人に選ばれる日本に」から

市場原理が働く外国人労働者の動向

コラムの著者は、全体的には増加している国内の外国人労働者であるが、ブラジル人は逆に減少していることから、政府の成長戦略にある外国人労働者の受け入れ拡大による見通しに甘さはないかと指摘している。

○厚生労働省の外国人雇用状態調査

昨年10月末時点で71万7千人の届け出があり、前年同期に比べ5.1%増である。このデータのみであれば成長戦略にある外国人労働者の受け入れ拡大は成功するように見えるが、実態は異なるという。

つまり、建設、製造、流通業など様々な分野で現状人手不足で、外国人労働者で補っている。逆に、日本から出ていく外国人にブラジル人がいる。

ブラジル人は、昨年10月末に9万5505人で、6.3%の減少。全国のブラジル人が多かった地域でも減少しているという。原因は、母国への帰還。2016年リオデジャネイロ五輪の関連工事で、建設需要が拡大し、賃金も上昇しているためだ。「日本よりも稼げる」市場原理が働いている。

黙っても外国人労働者が来てくれるといった政策では甘い。子供の教育や医療体制など外国人労働者に選ばれる日本の施策が必要であろう。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:関係なさそうな概念、関連見つける独創性を」から

2014.4.25  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:関係なさそうな概念、関連見つける独創性を」から

まさにA×B⇒Cの独創性

コラムの著者 和田昭允氏(東京大学名誉教授)は、高い視点と広い視野で独創性を生み出すことに触れている。

○サイエンスの要素還元主義と哲学の離隔概念

関係なさそうな要素の関連が見えたとき、それが新しい世界を開くと和田教授は指摘する。そのためにも高い視点と広い視野が必要だという。

サイエンスは、要素還元主義であり、物事をシステムとみて、その要素群の相互作用で全体を理解する。哲学の離隔概念を壊し、その総体・要素・相互作用を見いだせばサイエンスであり、新学説や発見となる。
これまで、広大な知の沃野での精神活動として、

  • ひたすら壁を作って、アレとコレは違うと分類に徹する
  • これまでとは「別概念」といわれるものの間に関係を見出し、新しい概念モデルを構築する

後者は独創性を生みだす力である。筆者のいう異種間融合(A×B⇒C)の上位概念の発見である。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:消費の二極化」から

2014.4.24   日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:消費の二極化」から

所得階層と商品・サービスの関与が要因?

コラムの著者 三浦俊彦教授(中央大学商学部)は、1990年代から広く指摘され始めた、消費の二極化の要因について考察している。

○時計、外食、自動車などの傾向

もとは時計、外食、自動車について中間価格帯が最も売れ筋であったはずが、高価格帯と低価格帯に分かれて両方が売れる時代になっていると、三浦教授は指摘している。

二極化の説明には、「階層論」と「関与論」があるという。

  • 階層論:最近の格差社会論につながり、一億総中流の日本も上下2つに分かれて、上流層は高額商品を、下流層は低額商品を購入するというもの。経済学者が主に調査。
  • 関与論:消費者行動は、その人の関与(各商品に対する思い入れやこだわりの度合い)が規定するというもの。主にマーケティングの専門家が支持。

 三浦教授によると、どちらが正しいかは、アンケート調査などを行ってみると、高額商品の購買は、関与要因の影響が、低額商品では階層要因の影響が大きいという。

つまり、高額品は「好きだからいいものを買いたい」、低額品は「お金がないから安いものを買おう」と選ぶという。まずます中途半端な価格帯は厳しい。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:超異分野から生まれる連携」から

2014. 4.23  日経産業新聞の記事「眼光紙背:米IT、世代交代が力の源泉」から

国家プロジェクトばかりが産学提携ではない

コラムの著者は、理科系の教育・研究支援会社のリバネス(東京・新宿)と墨田区が行っている産学連携プロジェクト、超異分野学会が少し変わった、しかし有意義な産学連携が行われていることに触れている。

○医工連携でも、文理融合ではない「超異分野学会」

コラムの著者によると、大学の若い研究者と墨田区の町工場のおじさん、おばさんと結びつけようという試みだという。若手研究者が自分の研究で欲しい機材などを絵を示し、中小企業の社長や技術者がアイデアを出す。

  • 研究者:自身の研究には詳しいが、実験機材などを作ることは素人
  • 中小経営者:難しい理論は門外漢だが、細かい装置を作るのはお手のもの

この春のこの学会後も企業と研究者の話は継続され、最初は小さな器具づくりのお願いから産学連携の輪は広がるという。そこでの中小企業の経営者の言葉で、どんな注文がやる気がでるかと尋ねてみると、

大手から図面をもらっていくらでやってと言われるよりも、やりたいことのストーリーを見せてもらえば、よっしゃとなる。信用してもらえば、一番良い部材を提供する

と答えたという。国の予算がつくばかりが産学連携ではない。happy01