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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:マーケティングの節度」から

2014. 3.27  日経産業新聞の記事「眼光紙背:マーケティングの節度」から

化粧の濃さは見抜けるか

コラムの著者は作曲者偽装問題に触れ、企業のマーケティング活動と類似点にふれている。

○偽装者で話題になったか?

もしも、「真の作曲者」が本人名義で同じ曲を発表していても、世の中の評価を受けたかどうかと、コラムの著者はいう。実際は多くのイメージ作りで一般人に強い印象を与え、そこから出てくるインパクトが曲に「彩り」を添えたのではないかと指摘する。

○企業のマーケティングは?

では、曲を商品やサービスに置き換えると、偽装者は一種のマーケティングを受け持ったとも言える。商品・サービスのみでは輝いて見えることは少ない。そこで、パッケージやデザイン、ネーミングなどの工夫を凝らし、良好なイメージを広告などで伝えようとする。つまり、ある程度のお化粧が必要となる。

問題は、化粧の濃さであり、その程度である。作曲者偽装や食品の原料偽装といったことは許されない。しかし、「健康に良い」というイメージだけを植え付ける演出や廉価に見える表示方法などは微妙なところである。消費者が過度な演出の商品は買い控えるといったメカニズムが働ければよいが、実際、この化粧を見抜くのは困難である。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:イノベーションのブランド化」から

2014.3.27   日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:イノベーションのブランド化」から

R&D(研究開発)からC&D(コネクトと開発)へ

コラムの著者 三浦俊彦教授(中央大学商学部)は、日本マーケティング協会等が開催した『フィリップ・コトラー マーケティングフォーラム2014』で同氏が『イノベーションで勝つ』のテーマで講演した内容について触れている。

○研究開発(R&D)からコネクトと開発(C&D)への変化

コトラー氏は、席上、R&DからC&Dへの革新を訴えた。これまでの研究室に引きこもったものではなく、社内外の他者とつながり(コネクト)、イノベーションを進めるべきだと説く。

  • 韓国サムソン電子:多様な社内外の集団を取り込み開発チームを編成。このチームに与えられるミッションは『如何に現在の製品を陳腐化させるか』だという。
    • セオドア・レビット教授(ハーバード大学教授)が1960年に発表した『マーケティング近視眼』の戦略化である
    • レビット教授は米国の鉄道会社が疲弊したのは、自社を「鉄道会社」と生産視点で捉え、「輸送会社」と消費者の視点で捉えなかったために、後発の自動車や飛行機に負けた。
  • 代替品のない製品はない:代替品の出現は一気に経営を困難にする。逆に自社で代替品を作ってしまおうというのがサムソン流のC&D。
  • イノベーションのブランド化:同性能の製品であっても、その価値を顧客に正しく伝えないと、市場で認知されず失敗する。

米アップル社もイノベーションのブランド化で成功した。日本は機能性では高い評価があるがマーケティング戦略はどうだろうか?happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:カントリーリスクの再考を」から

2014. 3.26  日経産業新聞の記事「眼光紙背:カントリーリスクの再考を」から

脱中国で2つ以上の海外拠点が必要

コラムの著者は米国オバマ政権の支配力の低下で、企業もカントリーリスクを考えるべきだという。

○マイナス・チャイナ・プラス・ツー

米国の支配力の低下で、国際情勢が不安定化して、国際ルールを守らないところが増えるという。特に中国は、ロシアのクリミアでの米国の動きをみて、何も手出しをしないとみるや、従来の枠組みを大きく変えるという。日本企業の協力で拡大する経済力を軍事力に振りかえ強化する点でも大きなカントリーリスクである。

経済がいくら結びついたといってもそれが安全保障にはならないのは歴史的に明白である。米国のアップルなどはすでに脱中国を進め、日本企業もマイナス・チャイナ・プラス・ツーを考えねばならない時期であろう。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「ソーシャルNOW:潜在的顧客を引き寄せる販促」から

2014.3.25  日経産業新聞の記事「ソーシャルNOW:潜在的顧客を引き寄せる販促」から

広告がフローならコンテンツはストックとしてPRに

コラ ムの著者 広田 周作氏(電通コミュニケーション・プランナー)は、新しいマーケティング手法として「コンテンツマーケティング」に注目している。

○コンテンツマーケティングとは

コラムによると、

”見込み客や顧客にとって価値あるコンテンツを提供し続けることで、興味・関心を引き、結果として売上につなげるマーケティング戦略”

だという。これまでの広告とは異なり、ブランドのメッセージに興味を持っていない人にまでも関心を引くことはやめ、潜在的な顧客が自ら見つけてくれるような戦略をとる。広告が「注目を獲得する」ことに対して、コンテンツマーケティングは、「引き寄せる」戦略だという。

また、広告は、一瞬で伝える「フロー」なら、コンテンツマーケティングのそれは良質なコンテンツを資産として蓄積する「ストック」だという。検索される機会を増やし、時間をかけて理解してもらい、ファンになってもらう狙いである。広田氏は、コラムで米コカ・コーラの事例を紹介している。同社は、2015年に全ての企業プレスリリースを撤廃するとまで宣言している。大量の印刷物の配布をやめ、自社サイトを見直し、「デジタルマガジンとしてコンテンツを提供していく」とした。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:味覚・嗅覚、奥深い存在、多様な研究を」から

2014.3.25 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:味覚・嗅覚、奥深い存在、多様な研究を」から

これまでの工学的以外の異なるアプローチと多様な戦略で

コラムの著者 山﨑弘郎氏(東京大学名誉教授)が、五感に相当するセンサーで遅れていた味覚と嗅覚についての最近の研究について述べている。

○九州大学の研究

昨年11月九州大学に味覚・嗅覚センサ研究センターが設立され、味覚センサーの開発ではVBを起業し実用化に向けようとの進められている。味覚が数値化でき、食品メーカーなど製品開発や品質管理に応用されようとしているという。嗅覚センサーも開発が進み、高感度のにおいセンサーが開発中だ。センサーに特化した研究施設は九州大学だけである。

○米モネル化学感覚センターの研究

1968年米ペンシルバニア大学で初めて設立された研究組織だが、現在は大学から独立しているという。研究範囲は基礎から応用まで遺伝子レベルから動物の行動まで広がり、多くの学際的な分野で多様な専門家が研究チームを組織している。日本企業等と政府や企業との共同研究も推進している。

成果として人種による味覚や嗅覚の偏りや感覚障害の研究や、個人特有の体臭が指紋のように生涯不変で特定の遺伝子によって支配されていることも明らかにした。

九州大学のような工学的なアプローチと人工物でない動物などのセンサーによる研究も、五感の中で感性に最も近いといわれ、味や香りの文化を形成することから、異なるアプローチと多様な戦略で挑戦すべきだと山﨑教授は示唆している。そこには相補的な連携によって明らかにされる知見や研究のツール、試料の提供などが期待されるという。happy01