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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「パッケージNOW:トイレ洗浄用品、清潔・保管に配慮」から

2014.4.22  日経産業新聞の記事「パッケージNOW:トイレ洗浄用品、清潔・保管に配慮」から

パッケージが商品の機能を保つ

コラムの筆者 竹原あき子氏(工業デザイナー)は、英国の日用品メーカー大手のレキットベンキーザー社の商品である『ハルピック』を取り上げ、その機能性をパッケージが保っていることを解説している。

○設置環境のことなる条件でも機能が働く

同製品は欧州のコンビニエンスストアにある数多い製品の中でも群を抜いてすぐれていると竹原氏は語る。

日本製のように自動洗浄や汚れが付きにくい便器でない欧州での事情を考えると、どのような形状であっても清潔・保管を考慮することは多くの経験値がいる。

使い方は簡単で便器のふちに固形洗剤部分が内側にくるように、かごを使って吊り下げる。これまでは、かごの中に固形洗剤が入っていたが、新型製品は、固形の部分をむき出しにしてかごを不要にした。こうすることで、使い終えると、固形洗剤の芯になっているプラスチックの棒だけが残る。このため、不衛生な感覚はなくなる。

さらに、2個入りのパッケージの裏側のシートをはがすことで、1個分のみを取り出すことができ、のこりはパッケージに入ったままで保管できる。使われない間、香りが抜けることもない。

このようにパッケージが製品の保管までも考慮して作られている。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:国産電卓開発50年」から

2014.4.22  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:国産電卓開発50年」から

受け継がれる技術

コラムの著者 志村幸雄氏(技術評論家)は、電卓の歴史を振り返りながら日本の家電の強みは、かつて何であったかについて触れている。

○最初の電卓は、日本ではなく英国VB

英ベル・パンチ社の「アニタ・マーク8」が世界最初。しかし、実用化と普及に貢献したのはシャープやカシオの日本企業であったという。シャープの国産初の電卓「コンペットCS-10A 」を開発してから50年。

この開発には、

  • 機能・形状の継続的な技術革新
  • 半導体・液晶技術などの要素技術の積極的な開発と実用化
  • メーカー間の厳しい開発競争

などが 受け継がれていった。これらの背景に日本のモノづくり手法があると志村氏は語る。基板上に全機能を一体化したCOS化技術や、各機能をフィルムに搭載し、ロールを通じて接着する「ロール・ツー・ロール方式」で薄さの勝負にまで進んだ。この機能の内蔵、すなわち半導体チップに組み込みプログラミングを施す考えが米インテルのマイクロコンピューターの発明につながったという。このような技術の受け継ぎに今後も日本企業が絡むことをもっと積極的に進めたいというのが現状であろう。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:米IT、世代交代が力の源泉」から

2014. 4.21  日経産業新聞の記事「眼光紙背:米IT、世代交代が力の源泉」から

世代交代が米IT業界の底力

コラムの著者は、IT業界で今年は潮目であると説いている。

○米IT業界の新勢力

IBMのシステム/360登場から50年、米アップル社のマックを発表して30年、アマゾン・ドット・コム設立から20年、グーグルが登場して10年。大型コンピュータの黎明からインターネットサービスまで2014年はその潮目になっているという。

その中で米マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツ氏が再登板する。

そこで面白いのは、同じハーバード大学中退のフェイズブックのマーク・ザッカーバーグ氏とのインタビューである。 既にザッカーバーグ氏は、M&Aを即決、個人情報を大量に収集していた米政府への批判。ここではすでに世代交代がおこっており、IT産業のリボーンを感じさせる。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:STAP細胞の信頼構築」から

2014.4.18  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:STAP細胞の信頼構築」から

成果に至る過程の因果関係を明確に

コラムの著者 山﨑弘郎氏(東京大学名誉教授)は、STAP細胞の再現性について関連論文と検証について語っている。

○STAP細胞自身の存在は?

STAP細胞の問題については多くが語られているが、山﨑教授の視点は、あくまでのSTAP細胞の存在について原点にもどり再考すべきだと指摘する。

STAP細胞が生成できたのであればその成果に至る過程を明確な因果関係で示すことが科学的認識の合理性の基本となるという。確かにバイオプロセスは複雑で、未知の要素を含む生命現象が支配することから、多くの要因が影響し、さらに、実験者のスキルや県境要件で結果も左右されるという。このような状況で、実験の過程ですべての因果関係を明確にすることは困難である。したがって、第三者の結果で、再現されることが最も的確な検証法となる。さらに、STAP細胞が存在しないことを証明することも、あらゆる可能性を否定しなければならず困難を伴う。

さらに実証実験自体も、すべての実験過程に関する情報を公開しなければならない。これによってようやく、関係研究機関の信頼性の回復となると、山﨑教授は語る。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「流行を読む:絵本『ぐるんぱのようちえん』」から

2014.4.18   日経産業新聞の記事「流行を読む:絵本『ぐるんぱのようちえん』」から

絵本を通じて透ける就活

コラムの著者 川崎 由香利氏(ジャーナリスト)は、大人も読む絵本を通して、若年層の就職意識を探っている。

○就活生に話題の絵本

1965年の発売以来、発行部数が累計220万部に達した絵本が、『ぐるんぱのようちえん』(西内ミナミ作、堀内誠一さん絵、福音館書店発行)である。

あらすじを語ると、ネタがばれるので概要だけをかいつまむと、

  • 巨大な象「ぐるんぱ」が、特大サイズの製品ばかりをつくって就職に失敗する話が、転じて、その大きさを生かして幼稚園を開業。これが子供たちを喜ばせて成功するといったストーリーである。

役に立たないと思われた人材が見えない需要に応え、この本は、天職を創出する物語が就活生の癒し本として好評だという。

欠点も含め、ありのままの自分を尊重する「自己肯定感」は、昨今の教育やメンタルヘルスでのキーワードとなっているという。日本の若年層は調査によると他のアジア諸国よりも「自己肯定感」がもっとも低いとのデータがあるという。さらに、これまでのニートが悪で就職を善とする単純な選択ではなく、自分を肯定して働く力が問われているという。企業も昔は平均30年が寿命と呼ばれていたが、現在は7年といわれる。このような状況で、将来に貢献する新しい職業の発想も必要となる。

絵本から透けて見える日本の就業形態について考える時期だ。bookhappy01