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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:中国大気汚染、技術だけでは解決できず」から

 2013.10.25   日経産業新聞の記事「TechnoOnline:中国大気汚染、技術だけでは解決できず」から

脱硫装置技術を持ちながら大気汚染が解決できない理由は

コラムの著者 新田義孝氏(四日市大学)は、公害問題には技術だけでなく、社会全体での取り組みがなければ進まなかったことを四日市公害の例で触れていいる。

○公害克服には大きな社会的な力が必要

多くの人が中国の大気汚染を憂いているし、日本としても役立つであろう、環境対策技術の多くを供与し始めている。しかし、四日市公害から四日市が脱した理由を振り返ると必ずしも技術的な問題ではないと新田氏は指摘する。

そこには公害裁判を機に企業に圧力をかけた社会派の方や、地方自治体の首長が民主主義が機能していて公害を放置するような人が選ばなかった住民の意思もある。さらに、吉田克己三重大学教授(当時)の役割を新田氏は語っている。吉田教授は、公害裁判の患者側の証人であるばかりか、県政のトップでもあった。また、県政のトップとして、医療補助という仕組みを発案し、四日市市の医療補助を実現し、日本に公害健康被害補助法の導入のきっかけを作った。この働きは、善悪判断ではなく、企業も行政も公害病患者や市民も公害克服のために理性的に動くことだできた点である。

また、新田氏は他の公害病を鑑みても、それぞれ吉田教授の様なキーマンが現れ、具体的な社会的な手法を編み出したことも大きな貢献であるという。つまり、技術や政治制度だけではなく、「日本人同士の了解」としての認識がキーマンを支えてきた。

すでに中国には脱硫装置の技術はあり、微粒子状物質の除去んは物理的には可能だが、こういった社会的な認識も技術同様に伝えていかねばならないと新田氏は指摘している。happy01sign02


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:大学の決断力、世界に挑む」から

2013. 10.28  日経産業新聞の記事「眼光紙背:大学の決断力、世界に挑む」から

大学の国際化道半ば

コラムの著者は、東京工業大学の教育改革について評価するもののまだまだ国内大学の改革が進んでいない実情について語っている。

○東工大の教育改革

同大学が進めている教育改革は今月発表したものも含めて、

  • 学部入学から通常6年かかる大学院の修士号取得を最短4年にできる新制度の導入
  • 科目に難易度の分かるようにナンバリングを行う
  • 2016年度から全学部で4学期制の導入
  • グローバル人財の排出の強化を行い、研究大学として世界のトップ10入りする

といった意欲的な内容である。

しかし、コラムの著者が指摘するように、ランキング1つをとっても、世界の壁は厚いという。海外機関の評価のせいか、国際化の遅れが特に響いている。東工大の教育改革は評価できるものの、世界水準でいえば、常識あるいは前提条件のようだ。国内の他の大学も改革を進めないと、ますます孤立化と低レベル化が避けられなくなる。happy01building


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:自力で書籍を電子化」から

2013.10.23  日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:自力で書籍を電子化」から

個人の使い勝手と著作権侵害の狭間で

コラムの著者 中本千晶氏(ジャーナリスト)は、自ら自宅に溜まっていた中本氏の月刊誌を「電子化」して、その使い勝手の良さと、著作権侵害の問題について語っている。

○紙の書籍を裁断してスキャンし電子化する「自炊」

料理ではなく、自ら紙の書籍を裁断して、1ページずつデジタルスキャンして、PDFなどのデジタルファイルにすることを「自炊」という。中本氏も自宅の舞台関係の月刊誌を「自炊体験」したようだ。

秋葉原にあるレンタル・スキャンイングブース「自炊の森」では、従量制課金(グラムいくら)と時間制課金があるとのこと。中本氏は、本の背をスパッと裁断し、業務用のスキャナーで一気にPDF化。取り込んだファイルをスマホで見えるようにすると、これが快適だという。写真もきれいだし、文字も読みやすいという。

○著作権侵害で訴えられた「自炊代行業」

ところが、著作物の複製は、「私的複製」以外は違法であることから、9月30日に著名作家ら7名が自炊代行業者を相手取り、訴訟を起こした。一審判決で、東京地裁は作家側の主張を認めている。

確かに、手狭な我が家でたまるばかりの書籍や雑誌を有効に見たいというニーズと作家らの著作権保護とは相いれない。中本氏もどこかで折り合えないかと考えているようだ。bookmobilephonehappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:ハッピーターンの直営店」から

2013.10.24   日経産業新聞の記事「西川英彦の目:ハッピーターンの直営店」から

外部からの依頼が新製品開発の引き金に

コラムの著者 西川英彦氏(法政大学経営学部教授)は、偶然の産物を仕組み化することで新市場生み出す連鎖について述べている。

○亀田製菓の「ハッピーターン」

 西川教授によると、キッカケは、昨年10月、大阪市の阪急うめだ本店のリニューアルだという。「亀田製菓ならではの商品を大阪・梅田発の土産物として販売してほしい」との百貨店からの要望で、同社は1年をかけて準備をした。

 先ずその仕掛けは、初の直営店「ハッピーターンズ」と、限定販売の「ハッピーターン」の高級版「ハッピージョイ」である。主力の人気商品である「ハッピーターン」にいろんな風味を付けたものが「ハッピージョイ」で、味を季節によって変え、直営店「ハッピーターンズ」のみでの販売とした。この希少性が人気を生み、オープン当初は4時間待ちの行列ができ、今も30分待ちの状態だそうだ。

 こうした集客力の強さに目をつけ、通常のハッピーターンのテストショップとして直営店「ハッピーターンズ」を使うことにした。単品のハッピージョイの売れ行きを研究し、ハッピーターンとして新商品の系列に組み込んだのだ。すでにテストショップでの売れ行きは流通企業への説得にもなり、展開も容易になったという。

 このように百貨店の偶然の依頼を上手く取り上げ、試作プロセスに仕組み化した同社の取り込みは注目できる。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:未来を見せる東京モーターショー」から

2013. 10.23  日経産業新聞の記事「眼光紙背:未来を見せる東京モーターショー」から

単なる新車発表会ではなくなるモーターショー

コラムの著者は、11月後半に開催される東京モーターショーが、環境性能と安全性能で画期的な技術の向上により未来のクルマのあり方を具体化するのではないかと想像している。

○2つの見どころ

今回のモータショーでの見どころは、

  • 環境性能
  • 安全性能

だという。環境性能は、まだまだコスト面では課題があるものの、水素を燃料に電気をクルマの中で発電し、走行するFCV(燃料電池自動車)である。水素と空気中の酸素を結合して走行するために、排出物は水だけという究極のエコカーとも言われている。日本の国家戦略として脱石油社会を具体的に示すことができ、水素ステーションなどインフラ投資の対象にもなるという。これが経済成長の一翼を担う可能性がある。2020年の東京五輪でFCVが往来を走行しているなら、国際的な宣伝となるだろう。

もう一つの自動走行は、安全技術でほぼ可能であるが、法制度が追いついていないのが現状であるという。現在の法律は、運転はあくまでも運転者で人間であり、機械ではない。自動走行時の人間の判断力のサポート機能としてみとめるのか、人間を超える能力もつ技術をみとめるかの慎重な議論が必要だという。高速無線通信や車間通信、スマホなどの情報機器との通信などで、クルマ社会の安全性はさらに向上するだろう。

今回のモーターショーの見ものはこの2つであり、自動車業界や国家戦略の変化点となるかもしれない。happy01rvcarcar