Previous month:
2013年4 月
Next month:
2013年6 月

2013年5 月

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:キャラクター戦略の可能性」から

2013.5.16  日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:キャラクター戦略の可能性」から

公開無料開放型キャラクタービジネス

コラムの著者 三浦俊彦教授(中央大学商学部)は、熊本県のPRキャラクター「くまもん」がこれまでのディズニーのミッキーマウスのような厳格なライセンス管理でブランド価値を維持していることとは対照的である点を解説している。

○くまもんの戦略

ロゴとキャラクターを無料で使用できる「楽市楽座」が、くまもんの戦略の強みである。楽市楽座は、信長や秀吉のように、多くの自由な発想が生まれてきたという。つまり、そこに「集合知」ができた。

同じ流れで、歌声合成ソフトのキャラクター、仮想アイドル「初音ミク」も集合知戦略で成功した例である。非営利無償での「2次創作」を認めたこのソフトは、楽曲が流通すると、別の誰かがCGをつけ、またダンスを振り付ける。こうして初音ミクが生き生きと動きだし、米国トヨタで一昨年、カローラのキャラクターに採用したほどである。

○集合知は1社を超えて

集合知の可能性は1社に留まらず拡がっていく。iTunesストアで2012年ランキング2位となったカーリー・レイ・ジョブセンさんの「コール・ミー・メイビー」も、版元が個人が曲データやパロディ動画を制作、動画共有サイトに投稿することを認め、集合知化した。

今後こう言った事例は、これまで厳格な著作権やライセンス管理を行ってきたでディズニーのミッキーマウスのようなキャラクターとは違ったアプローチになろう。数多くの人による2次創作が、集合知を生んでいくという。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「YES引き出す企画書⑬:理解助ける図解」から

2013.5.16   日経産業新聞の記事「YES引き出す企画書⑬:理解助ける図解」から

単なるイラストやイメージは図ではない

コラムの著者 清水久三子氏(アンド・クリエイト代表)は、企画書での図解について掘り下げている。

○企画書でいう図とは

清水氏は、

「図とは概念の構成要素を抽出して形にし、その関係性を示したもの」

と定義している。となると、一般的な図や絵でも企画書では図として扱わないものがある。例えば、

  • 文字の横にあるイラスト
  • イメージ画像
  • 文字での構成要素が描かれていても関連性が分からない

ものは図とはみなさないことになる。

反対に、

  • 三角形で階層を表現
  • 3つの四角を左から右に並べて矢印で手順を表現

といった場合は図となる。

○企画書での図の作成手順

清水氏が示す図の作成手順を示す。

①体系化:図で伝えたいメッセージや情報をピラミッドで体系化する。

②表現要素の抽出・定義:メッセージを端的に表わすのにぴったりのキーワードをたるべく短く易しい表現で定義する

③関係性設定:要素間の位置付け、序列、順序を検討する。その際に「ユニット」(意味のあるかたまり)が幾つになるかを出す。覚えられやすさやレベルに統一が重要で、3から5項目にする。ここまでは、PCではなく手書きでおこなう。

関係性のパタンを

  • 相関:ある時点での状態
  • 流動:物事の変化
  • 構造:階層等の縦関係

のどのパタンかを検討する。

④作成:表現要素の内容で用いる形が決まる。

  • 長方形:プロセスや会社の組織といった具体的な対象
  • 楕円形:価値観のような抽象的な対象
  • 三角形:階層の意識がある対象
  • ドラム型:インフラ、基盤、データーベース
  • 箱矢印:ステップやプロセス

といった使い分けを行う。

ご参考に!


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「ネーミングNOW:『KITTE』和語使い親近感PR」から

2013.5.14   日経産業新聞の記事「ネーミングNOW:『KITTE』和語使い親近感PR」から

うどん県や桃太郎市に通じるネーミング

コラムの著者 ネーミング&コピーライターの岩永嘉弘氏は、施設と親近感を持たせるブランディングを意識したネーミングについて語っている。

○和語の流行

KITTEは、旧東京中央郵便局ビルを再開発した「JPタワー」の低層階の呼称だという。新装したJR東京駅のお隣に誕生した。どことなく、洋風な名称だが、大家さんの日本郵便の売り物である「切手」にちなんでいる。でも、これを発音すると、「来て!」と聞こえ、呼びかけの声になる。英字のロゴを裏切って、和語。岩永氏によれば、チャーミングでキャッチーなネーミングだそうだ。

近年の商業施設のネーミング傾向が日本語である点に注目したい。

  • 「有楽町イトシア」
  • 「渋谷ヒカリエ」
  • 「東京ソラマチ」

など、和語がネーミングの主流になってきた。

○うどん県や桃太郎市

地方都市のイメージを向上させようとしたネーミングで著名なものに、香川県の「うどん県」や岡山市の「桃太郎市」がある。このブランディング戦略と同様に、KITTEの戦略も、ともに地名や企業名と言った冠ではなく、施設のマーケティングコンセプトやメッセージをネーミングすることになってきている。最も日常的な日本語で、親近感を与え、それでいて魅力があることをイメージさせると岩永氏は語っている。happy01postoffice


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:新生歌舞伎座、学び楽しむテーマパーク」から

2013.5.15    日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:新生歌舞伎座、学び楽しむテーマパーク」から

歌舞伎からKABUKIへ、一過性から継続性へ

コラムの著者 中本千晶氏(ジャーナリズム)は、4月にリニューアルオープンした東銀座の歌舞伎座についてである。

○新生 歌舞伎座はどうよ?

レトロな外観の歌舞伎座の正面と背景にあるオフィスタワーを合わせた複合施設「GINZA KABUKI」。外国人観光客も呼び込む、KABUKIZAのテーマパークになっていると、中本氏は語る。

ただの観劇のみならず、食事も楽しみ、ウンチクも学べる「歌舞伎ギャラリー」、コスプレもできる「歌舞伎写真館」、地下2階に拡がるお土産通りと、1日楽しめる仕掛けが用意されている。

歌舞伎座自身の改装は、旧歌舞伎座を出来るだけ残し、エスカレータが整備されて、2階席、3階席へのアクセスが容易になったという。

○勝負はコンテンツ

一過性の観光客も重要であるが、継続的に足を運んでくれるには、舞台そのものの魅力が重要である。若手の台頭などこれから期待できると中本氏は語る。歌舞伎からKABUKIへ、、正に正念場であろう!happy01scissors


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:老朽下水管、日本発、再生技術に期待」から

2013.5.14   日経産業新聞の記事「TechnoOnline:老朽下水管、日本発、再生技術に期待」から

成熟社会の弱点を克服する技術開発

コラムの著者 山﨑弘郎名誉教授(東京大学)が期待しているのは、社会インフラの老朽化が成熟社会の弱点であり重要課題であるが、それを克服しようとする再生技術である。

○下水道の老朽化の現状

日本の下水管の総延長:43万キロ

  • このうち耐用年数(50年)を経過した管路:1万キロ
    • 東京23区内では総延長1万6千キロの内、2千キロが老朽化。東京オリンピック前後に敷設された下水管6千キロがこれに加わるとのこと

地下のため目立ちにくいが、官の破損や漏水で全国年間4千件以上の道路陥没が発生している。交通量の多い道路が上部にあって下水管を再敷設するとなると、大きな影響がその地域に発生するといった課題があり、さらにコストも大きい。

○革新的な再生技術

下水管をそのまま利用しながら、内壁の内側に新しい内壁を作り、旧壁との間をモルタルで埋める工法で、効率よく管路を再生する技術を、積水化学工業、東京都下水道サービス、足立建設工業などの技術者が共同開発した。

  • 特殊な断面を持つ特殊塩化ビニール樹脂の帯状部材を開発
  • これをマンホールから連続的に供給。らせん状に旧管壁面に巻き付けて内壁を作成
  • 部材の接合接着、湾曲部の伸縮にも対応
  • 円形断面以外の下水管にも対応
  • 施工前に下水管を診断し、内壁を施工するロボットや旧内壁との間に特殊なモルタルを注入する機械の開発
  • 分岐部分も作成することも可能

といった自動化機材と施工技術とも合わせて開発した素晴らしい再生技術である。海外も含め施工実績を積み上げており、国債規格等の策定にも注力しているという。

保守・保全といった一見地味な作業を革新的な技術で推進すれば、日本発のイノベーションとして開花するのではないかと山﨑教授は期待している。happy01