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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:幸せについて考えよう」から

2012.7.20   日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:幸せについて考えよう」から

幸福は世代を超えた夢の共有から

コラムの著者 大橋照枝氏(東北大学大学院環境科学研究科特別講師)が語るのは、日常の中にある幸福から今の若者も夢が持てる社会であることを年長者も自覚すべきという。

○博報堂の調査

1981年に博報堂が設立した『博報堂生活総合研究所』。訪問調査、定点観測、インターネット調査などで積み上げてきた、生活者が持つ幸福感は、

  • 自分一人がハッピーであることではない
  • 親子や近隣の人たちとのつながりによって多岐な「生活圏」を作り、主体的に自分が結びあうモノ

という。

  • 夕食後、みんなでスィーツをつくる
  • 写真集の編集の仕方を子供に教える

といった体験や思い出をつくり消費することが幸せを形作っていく。つまり、大橋氏によると幸せは、主体的に発見しようとしなければ得られない体験、関係、知識であるという。さらに、企業がこれらを提供するなら、哲学や思想が必要となる。

○幸福な社会とは

大橋氏は更に、年長者は、将来の世代である若者に夢や希望を持たせられる幸福な社会を自覚し、人が明るくなるよう、人のために働きたい、世の中を明るくするという思いを持たせられるかどうかという。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「エマージング市場攻略法⑤:時間のかかる意思決定」から

2012.7.19  日経産業新聞の記事「エマージング市場攻略法⑤:時間のかかる意思決定」から

結果ではなく予兆での判断で決定時間を稼ぐ

コラムの著者 作左部孝哉氏(アクセンチュア・人材・組織マネジメントグループ シニア・プリンシパル)が、変化の激しい新興市場などで、組織の意思決定の精度と速度を極限にまで高める方法論について語っている。

【グローバル企業から学べる意思決定のあるべき姿】

グローバル化の先進企業では、その組織の巨大さにも関わらず、現場での事実上の変化を予兆段階でいち早く把握し、スピーディーに課題を特定してアクションにつなげているという。

作佐部氏が指摘するのは、結果である「財務指標」ではなく、売上データなど経営の先行指標となる「オペレーション指標」で現地を管理していることである。オペレーション指標であれば、日々、現場で起きていることを把握できるからである。

【日本企業の海外進出の蹉跌】

過去の海外進出の際に、現場への権限移譲を行ったが、国別、拠点別といった個別のオペレーション構築をしたことで、結果的に世界的な統一のない仕組みが導入され、多様なシステムの乱立状態となってしまった。こうなると、データの吸い上げどころではない。また、現場への「良きに計らえ」的な場当たり的な対策で終始していることも問題である。

【意思決定での成果を出すために】

  • 先ず新興国での勝ちパターン(ビジネスモデル)を分析し、収益向上の先行指標を見極める。
  • 設定した先行指標に対して、誰が判断し、どのような対応を取るのが適切かといった意思決定の流れを確立する。その流れに沿って、組織間の責任や担当を決定する。
  • 現場の報告の負担を出来るだけ減らし。本社で情報を吸い上げ、意思決定が出来る仕組みを整備する。運用上、システムの改修やデータの定義の統一なども必要となる。

意思決定に時間のかかる日本企業であるため、いち早く現地の状況を感知し、判断する時間を稼ぐことが重要だという。また、環境の変化に対して簡単に人員整理できない日本企業だからこそ、小さな兆しからリスク管理を行うことも重要だという。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:脱・再コンテクスト化」から

2012.7.19   日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:脱・再コンテクスト化」から

海外進出などの対応で必要な2戦略

コラムの著者 三浦俊彦教授(中央大学商学部)は、接客や食品など地域の文化(コンテクスト)に大きくかかわる事業で、海外進出する場合、地域性を超える「脱コンテクスト化戦略」と「再コンテクスト化戦略」の両用が重要であると指摘している。

【グローバル・マーケティングに考慮が必要なコンテクスト化戦略】

コンテクスト(文脈、状況)とは、言葉の意味は前後の文脈で決まるという言語学から来た言葉である。近年はマーケティングで、グローバリゼーション論では、コンテクストを地域の文化的状況を指すと、三浦教授は説明する。

その地域のコンテクストから脱する「脱コンテクスト化戦略」と再びコンテクスト化する「再コンテクスト化戦略」について解説していく。

【資生堂の『ニューロマーケティング』による脱コンテクスト化戦略の事例】

脳科学を製品開発や販売活動に応用する「ニューロマーケティング」。これを海外の販売に応用し、脱コンテクスト化戦略としたのが資生堂だ。同社の美容部員は日本流の「おもてなし」の心を大事に接客をするが、「おもてなし」はコンテクスト度が高く、海外の美容部員に伝えることは難しい。そこで、ニューロマーケティングの研究で、例えば、商品に両手を添えて客に示すという日本流の接客をした方が客の反応も良いという客観的なデータを提示して、海外の美容部員に適応することで「脱コンテクスト化」するという戦略である。このようにすれば、世界中どこでも通用する普遍的接客になる可能性も出てくる。

【脱コンテクスト化後に、再コンテクスト化を行うファミリーマートの事例】

ファミリーマートの中国戦略は、脱コンテクスト化に再コンテクスト化を加えている。例えば、店頭でのおでん販売。上海と日本では、買われ方が異なるという。日本では、おかずとしてカップに入れて持ち帰る顧客が多いが、上海ではファーストフードのように、その場でおやつ代わりに食べる人が多いという。

そこで同社は、おでんを串に刺すといった日本流をやめて(「脱コンテクスト化」)、ファーストフード的な販売(「再コンテクスト化」)を進め、売上を伸ばしているという。

脱コンテクスト化と再コンテクスト化が巧く生まれてこそ、地域で認められた企業となるようだ。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:原発技術、生かすも殺すも」から

2012.7.18   日経産業新聞の記事「眼光紙背:原発技術、生かすも殺すも」から

SF作家アシモフの慧眼(けいがん)

コラムの筆者は、米のSFの大家アイザック・アシモフの代表作『銀河帝国の興亡』(ファンデーション・シリーズともいわれる)(▶ 参考)で、原子力技術の衰退について述べたことを思い出したという。

○原子力技術の衰退

コラムの著者、同書を読んだ当時は、原子力発電がまだまばゆい先端技術で、日本で原子力発電所の建設がいよいよ本格化した時代であったという。しかし、アシモフの描く銀河帝国は、「超高速航法」などの広大な宇宙を自在に移動する高度な技術がありながら、エネルギー不足に苦しみ、その原因が原子力技術の衰退で、化石燃料に頼らざるを得ないというものだった。

コラムの著者もアシモフの意図が当時理解できなかったという。しかし、震災後の日本における原子力をめぐる議論を省みると、アシモフの慧眼には驚くという。

○残すべき原子力技術

日本では原子力技術を習得志望する若者が減っているという。だが、問題は技術の失敗を乗り越え、それを修正し、一歩先に進めるのも科学の役割ではないかと。情報通信や宇宙工学がいくら先に進んでも、日常の暮らしでエネルギー不足では、話にならないのではないかとも。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「成功する朝活術②:早起きメリット多く」から

2012.7.18   日経産業新聞の記事「成功する朝活術②:早起きメリット多く」から

早起きの3つのメリット

コラムの著者 池田千恵氏(CONECTA代表、外資系戦略コンサルティングから独立)は自らの経験も含めて、早起きの3つのメリットを解説する。

【3つのメリット】

  • ①余裕度の向上

早起きすれば、時間がたっぷり使えることから、焦りやイライラから解放され、余裕が生まれる。余裕が生まれれば周りにも優しくなれるし、意欲を持って物事に取り組むことができる。

  • ②達成度の向上

「早起きが出来た」、「時間が有効に使えた」といったうれしさが基本。日々のコツコツした活動が、大きな自信につながる。目標達成というと、難関資格試験に合格するとか、社内の大きなプロジェクトの成功に関与するといったイメージも良い。日々、自分との約束の中で「やればできる」という気持ちが育ってくる。

  • ③統制度の向上

自分の時間をコントロールする、つまり統制する力、統制力が高まる。夜は予定が客先との関係などで見通せないことが多いが、朝の時間は、自分が早起きできるかどうかだけの問題なので、意志さえあれば自由に時間をつくることができる。

時間管理がうまくいかないと悩む時、先ずは自己責任でつくることができる朝の時間の訓練を、池田氏は推奨する。

次回は、池田氏が早起きを習慣化する具体的な方法について解説する。happy01sleepy