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2012.7.19  日経産業新聞の記事「エマージング市場攻略法⑤:時間のかかる意思決定」から

結果ではなく予兆での判断で決定時間を稼ぐ

コラムの著者 作左部孝哉氏(アクセンチュア・人材・組織マネジメントグループ シニア・プリンシパル)が、変化の激しい新興市場などで、組織の意思決定の精度と速度を極限にまで高める方法論について語っている。

【グローバル企業から学べる意思決定のあるべき姿】

グローバル化の先進企業では、その組織の巨大さにも関わらず、現場での事実上の変化を予兆段階でいち早く把握し、スピーディーに課題を特定してアクションにつなげているという。

作佐部氏が指摘するのは、結果である「財務指標」ではなく、売上データなど経営の先行指標となる「オペレーション指標」で現地を管理していることである。オペレーション指標であれば、日々、現場で起きていることを把握できるからである。

【日本企業の海外進出の蹉跌】

過去の海外進出の際に、現場への権限移譲を行ったが、国別、拠点別といった個別のオペレーション構築をしたことで、結果的に世界的な統一のない仕組みが導入され、多様なシステムの乱立状態となってしまった。こうなると、データの吸い上げどころではない。また、現場への「良きに計らえ」的な場当たり的な対策で終始していることも問題である。

【意思決定での成果を出すために】

  • 先ず新興国での勝ちパターン(ビジネスモデル)を分析し、収益向上の先行指標を見極める。
  • 設定した先行指標に対して、誰が判断し、どのような対応を取るのが適切かといった意思決定の流れを確立する。その流れに沿って、組織間の責任や担当を決定する。
  • 現場の報告の負担を出来るだけ減らし。本社で情報を吸い上げ、意思決定が出来る仕組みを整備する。運用上、システムの改修やデータの定義の統一なども必要となる。

意思決定に時間のかかる日本企業であるため、いち早く現地の状況を感知し、判断する時間を稼ぐことが重要だという。また、環境の変化に対して簡単に人員整理できない日本企業だからこそ、小さな兆しからリスク管理を行うことも重要だという。happy01

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