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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「キュレーション、情報の目利き:業務革命④」から

2012.5.31   日経産業新聞の記事「キュレーション、情報の目利き:業務革命④」から

モデルケースを共有し効率アップ

コラムの著者 柳沢大貴氏(大和総研シニアコンサルタント)による「キュレーション」の応用に関して、今回は社内の業務への応用例で説明している。

【目標管制度の刷新にキュレーションをつかう】

多くの企業が人事教育制度の一環として導入している目標管理制度。しかし、制度導入から年月が経つと、どれくらい業績向上に役立っているのか、疑問となってくる。

そこでキュレーションの考え方を使ってみよう。コラムの事例紹介では、先ず、現状把握として、社員の聞きとり調査から、

  • 目標の内容は毎年同じ。目標の数字だけが入れ替わるだけで、創造的であるとはいえない
  • 定量目標を設定してほしいといわれるが、職場によっては難しい

といった意見が出ていた。マンネリ化と現場で制度運用の苦悩があることが読み取れる。また、一方で、魅力的で優れたテーマ設定をしている目標もあることを発見した。

つまり、目標管理の各目標が個人別になっていて、共有化できていないことに気付いたキュレーターのAさんは、模範となる目標をストックし、その内容を見ながら、他の社員が自ら目標を設定できないかと考えた。

Aさんのこれをこれまでの過去の事例を他の人事スタッフや外部の機関の協力で、社内データーベースとして完成させた。これで、目標設定の時に、データーベースを参考にすることで、効率的にしかも分かりやすくなった。Aさんはさらに毎年キュレーションを行い、新しい模範となる目標に更新することで陳腐化を防いだ。

【社内の情報を巧く共有する】

キュレーションでは、前回の説明と同様に、特定のニーズに従って情報を集め、次に情報を独自の視点で整理して再編する。特定のニーズを持った利用者がそれを利用して、共有することで、さらに編集内容がアップデートされる。この好循環をビジネスに生かせれば、新しい事業のネタ作りとなったり、業務の効率を上げたりできるという。happy01

 


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「論語に学ぶ仕事術⑩:部下からも謙虚に学ぶ」から

2012.5.30  日経産業新聞の記事「論語に学ぶ仕事術⑩:部下からも謙虚に学ぶ」から

『子貢問曰、孔文子何以謂之文也、子曰、敏而好学、不恥下問、是以謂之文也。』 (論語 公冶長篇)


【書き下し文】子貢問うて曰く、孔文子、何を以て(もって)これを文と謂うか(いうか)。子曰く、敏にして学を好み、下問(かもん)を恥じず、是(ここ)を以てこれを文と謂うなり。

【コラムからの要約】弟子の子貢が孔子に向かって、『衛国の重臣の孔文子は、なぜ死後におくられる『おくり名』に、文という最上の名がつけられたのでしょうか。』と尋ねた。孔子は、『明敏であって学を好み、目下の者にもへりくだって教えてもらうことを恥じなかった。それで文と言うおくり名をもらったのだ。』と答えた。


コラムの筆者 岩淵勳氏(古河スカイ特別顧問)は、この論語の一節から、ビジネスパーソンとして「下問を恥じず」ことの重要性を説いていると注意している。

この論語の一説は、好ましくない人物であった孔文子に、最上級の「おくり名」がつけられた理由として、弟子の子貢は多少不満があったにようだが、孔子は、「下問を恥じなかった」からだと言っている。下問を恥じずとは、知らないことを自分よりも地位の低いものに尋ねることを恥ずかしいと思わないことである。知らないことを、よく知っている人に謙虚に教えてもらうこと、さらに素直に聴くことであると説いている。地位が高くなることで得てして教えを乞うことを好まなくなり、他人の話を聴かないことになりがちであることを戒めている。

【元経団連会長 今井敬氏の例】

下問を恥じずを実践した今井氏は、コラムの筆者の岩淵氏も影響を受けたという。話の腰を折ったりすることなく、教えを受ける態度できちんと聴き、疑問点についても質問していたという。説明する若手もそれに励まされ、さらに学び成長するようになるという。

【孔子の別の言葉】

「知らざるを知らずとなす。これ知れるなり」。

「知らざるを知らず」として、ごまかさず謙虚に目下の者にも尋ねることを恥じないというのはなかなか実践できないもの。この態度を部下に接するときは以外にも癖となり、マーケットやお客様の声、現場の声を聴かなくなったら、世の中の変化にも鈍感となり、自己中心的な思考となって正しい判断が出来ない状態になってりまう。地位が上がれば上がるほど、面倒くさがらず、時間を惜しまず、知らないことは、虚心坦懐で他人の話を聴き尋ねることだという。

【良寛和尚の言葉】

「話の腰を折る」、

「人の言うことは聴かないで自分のことばかり言う」、

「人の発言が終わらぬうちに自分が発言する」、

ことをしないように毎日、自分を戒めていたという。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:希土類資源の確保、互恵関係の構築、重要に」から

2012.5.29   日経産業新聞の記事「TechnoOnline:希土類資源の確保、互恵関係の構築、重要に」から

欲しい資源だけを採取し環境汚染を残すモラルの無さ

コラムの著者 内田裕久氏(東海大学工学部教授)の憂慮は考えなばならない。

レアアース、レアメタルの一種である希土類資源を海外に依存している日本が、欲しい資源を手に入れることは、資源確保の安全保障上当然と受け止められる。しかし、採取後に出るトリウムなどを含む放射能残渣処理について、中国政府など現地の当局から依頼が来ているにも関わらず、日本企業が相手にしないというモラルを欠くやり方が憂慮する点だという。

中国では、中国国内で製品を製造し中国から輸出する企業に対しては、希土類資源を優先的に提供している。トヨタやホンダはハイブリッド自動車を中国で製造し、技術提供しながら、現地で資源の提供を受ける。こう言っ互恵関係に基づいた日中間のスキームである。今後、内田教授はこの互恵関係が重要で拡大すると指摘する。

資源の国際的なサプライチェーンを築こうとするなら、日本企業のモラルのなさも是正しなければならない。despair


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:社会インフラ支える年金資金」から

2012.5.29  日経産業新聞の記事「眼光紙背:社会インフラ支える年金資金」から

マネーゲームからの転換

コラムの筆者は、巨額の積立資金をもつ世界の年金が運用先を長期投資スタンスに変え、社会インフラ投資に拡げつつあると述べている。

年金資金の運用は、長期投資をもともとは行っていた。しかし、30年ほど前から毎年の運用成績を競うこととなり、単なる数字を追いかけるマネーゲームに変質してしまった。それが、ヘッジファンドやデリバティブ、証券化商品の大流行につながった。一方でこの巨額の長期投資は、経済の現場へ資金を供給する役目を担ってきた。

金融バブル後の世界経済の大混乱で、運用成績という無機質な数字と実体経済との格差が歴然とした今、これを反省した点は評価できるという。社会インフラへの投資は、長期資本の提供でもあり、20年、30年後に毎年一定額の配当収入が得られることは、年金の性格からも原点に立ち返ったとの見方である。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:ニッチに生きる」から

2012.5.25   日経産業新聞の記事「眼光紙背:ニッチに生きる」から

グローバルvs.ニッチ

コラムの筆者は、生物学者ユクスキュル(▶参考)の研究で出てきたダニを事例に、企業のニッチ戦略について触れている。

コラムの著者が触れたダニとは、森の空き地の枝先にぶら下がり、血を吸う相手の哺乳類をじっと待っているという。中には18年間も獲物を待ち続け、絶食している場合もあるという。時間の単位や空間の感覚が、人間とは全く違う。

企業を生物にたとえて、生存競争の原理を使う場合も多い。このダニの例は、ニッチ戦略とたとえられるという。ちょうど、企業がそれぞれ、独自の時空、環境を生みだし、その中で生存していくことに似ている。

京都の老舗や、歯科向け器械に特化した販売会社んどこのような事例となっている。均質空間で弱肉強食が生じるといった見方で企業間競争を捉えるのも、一元的な見方かもしれない。

しかし、マネー経済の浸透、ICTの普及によるグローバル化は、世界規模で均質化しようという圧力である。ニッチを相手にする企業にとって、それだけ均質化に対抗できるかが課題となろう。