【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「論語に学ぶ仕事術⑩:部下からも謙虚に学ぶ」から
2012/06/04
2012.5.30 日経産業新聞の記事「論語に学ぶ仕事術⑩:部下からも謙虚に学ぶ」から
『子貢問曰、孔文子何以謂之文也、子曰、敏而好学、不恥下問、是以謂之文也。』 (論語 公冶長篇)
【書き下し文】子貢問うて曰く、孔文子、何を以て(もって)これを文と謂うか(いうか)。子曰く、敏にして学を好み、下問(かもん)を恥じず、是(ここ)を以てこれを文と謂うなり。
【コラムからの要約】弟子の子貢が孔子に向かって、『衛国の重臣の孔文子は、なぜ死後におくられる『おくり名』に、文という最上の名がつけられたのでしょうか。』と尋ねた。孔子は、『明敏であって学を好み、目下の者にもへりくだって教えてもらうことを恥じなかった。それで文と言うおくり名をもらったのだ。』と答えた。
コラムの筆者 岩淵勳氏(古河スカイ特別顧問)は、この論語の一節から、ビジネスパーソンとして「下問を恥じず」ことの重要性を説いていると注意している。
この論語の一説は、好ましくない人物であった孔文子に、最上級の「おくり名」がつけられた理由として、弟子の子貢は多少不満があったにようだが、孔子は、「下問を恥じなかった」からだと言っている。下問を恥じずとは、知らないことを自分よりも地位の低いものに尋ねることを恥ずかしいと思わないことである。知らないことを、よく知っている人に謙虚に教えてもらうこと、さらに素直に聴くことであると説いている。地位が高くなることで得てして教えを乞うことを好まなくなり、他人の話を聴かないことになりがちであることを戒めている。
【元経団連会長 今井敬氏の例】
下問を恥じずを実践した今井氏は、コラムの筆者の岩淵氏も影響を受けたという。話の腰を折ったりすることなく、教えを受ける態度できちんと聴き、疑問点についても質問していたという。説明する若手もそれに励まされ、さらに学び成長するようになるという。
【孔子の別の言葉】
「知らざるを知らずとなす。これ知れるなり」。
「知らざるを知らず」として、ごまかさず謙虚に目下の者にも尋ねることを恥じないというのはなかなか実践できないもの。この態度を部下に接するときは以外にも癖となり、マーケットやお客様の声、現場の声を聴かなくなったら、世の中の変化にも鈍感となり、自己中心的な思考となって正しい判断が出来ない状態になってりまう。地位が上がれば上がるほど、面倒くさがらず、時間を惜しまず、知らないことは、虚心坦懐で他人の話を聴き尋ねることだという。
【良寛和尚の言葉】
「話の腰を折る」、
「人の言うことは聴かないで自分のことばかり言う」、
「人の発言が終わらぬうちに自分が発言する」、
ことをしないように毎日、自分を戒めていたという。
コメント