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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:中国で領収書を切らないワケ」から

2012.5.10   日経産業新聞の記事「眼光紙背:中国で領収書を切らないワケ」から

当局の統計資料もあやしくなる?

コラムの筆者が語るのは、中国での領収書にまつわる話である。コラムの著者の知人が上海で家賃に対してトラブルがあったという。大家が領収書を切ってくれないというのだ。これでは、会社に請求もできないと。

さて、領収書を切らない理由は、

  • 上海では、不動産賃貸で政府機関から正式な領収書を発行してもらうには大家が家賃収入の5%の費用を払う必要があるという。つまり、領収書発行費用も賃貸契約に入れこむ必要があったというわけ。
  • 価格競争の厳しい小売などでは、領収書代まで負担してはかなわないという。
  • 正式な領収書を切れば、税務当局に売上高から分かる納税(企業の所得税、営業税など)が避けられない。過少申告したい事業者は領収書を切らない。

とある。最後の理由で、中国の国家統計局の小売統計も最近減速気味との数字だが、本当のところ領収書を切らない習慣であれば、真偽が分からないという。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:アンテナショップ」から

2012.5.10  日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:アンテナショップ」から

菓子メーカーの本気度を示すアンテナショップ

コラムの著者 高岡美佳氏(立教大学経営学部教授)が語るのは、アンテナショップに賭ける菓子メーカー業界に意気込みである。

○アンテナショップの役割

①対面販売を通じて消費者のニーズを直接に探り商品開発に活かす

②メーカーや地域のブランドを浸透させる

があるが、数年大都市に登場した地元の名産を物販する都道府県が営むショップは①の性格が強い。①と②を菓子メーカーは狙っている。

○POSで売れ筋データを得るが、ニーズの把握までは無理

POSでは、商品がなぜ売れたのか、あるいは売れなかったのかを知ることはできない。アンテナショップは、その把握が理由で商品開発活かせる。

スナック菓子は昨年も前年比でほぼ横ばい。しかし、人口減少による市場縮小は否めない。海外展開と国内でのシェア拡大が至上命令だ。また、流通大手ではPB商品が増え、菓子メーカーとしては対抗するためにブランドを浸透させる必要がある。つまり、商品を「はずさず」低価格で販売できるようにコストを削減しなければならない。消費者の反応を素早く見ながら、売れる商品づくりを行う必要があると言える。高岡教授も指摘しているように、原宿や東京駅地下街、お台場などのアンテナショップは、菓子メーカーの本気度を示している。happy01birthday


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:消費も個性の時代」から

2012.5.9   日経産業新聞の記事「眼光紙背:消費も個性の時代」から

消費の二極化がビジネスモデルを変えている

コラムの筆者が語るのは、ビールや自動車の消費傾向が二極化している現実から、個性的で消費者の満足度の高い商品やサービスを提供して稼ぐビジネスモデルの開拓が必要と説いている。

店頭に並ぶ多くのビール。発泡酒よりも低価格な第三のビールから高級なプレミアムビールまであり、低価格と高級品が人気で、中間価格帯は苦戦しているという。

自動車でも、昨年度の外国車シェアでは高級ドイツ車が好調で過去最高となり、地方でも人気のある軽自動車販売も拡大している。しかし、かつての大衆車クラスはシェアを落とし続けているという。

日本のデフレ経済下での低成長を背景に、消費者の行動様式も大きく変化してきた。安全性が確保されているなら生活必需品は100円ショップなど低価格製品を購入する。一方、長く愛用し、満足度の高い商品やサービスは高額でも買い、自分の好きなことや趣味にもお金を使う。

個性に応じた商品やサービスの提供はこれからも日本経済の軸になり続けるようだ。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「論語に学ぶ仕事術⑦:目標への貢献考え行動を」から

2012.5.9   日経産業新聞の記事「論語に学ぶ仕事術⑦:目標への貢献考え行動を」から

『子曰、不憤不啓、不非不発、挙一偶不以三隅反、則不復也。』 (論語 述而篇)


【書き下し文】子曰く、憤せずんば(ふんせずんば)啓せず、非せずんば発せず。一隅をあげて、三隅をもって反らざれば(かえらざれば)、則ち復(ふく)せざるなり。

【コラムからの要約】弟子を教える際の考え方について、孔子は、「弟子が何かに疑問を持ち、心の中がうつうつとしていないような状態では教えない。何か言いたくても、もどかしそうにしていない時には導かない。また、四角形の一隅を示してあげたい時、他の三隅についての反応を示さなければ、二度と教えないことにしている。」と語った。


コラムの筆者 岩淵勳氏(古河スカイ特別顧問)は、この論語の一節から、ビジネスパーソンとして目標をもって行動することの意味を説いている。

孔子のこの言葉には、

  • 教育とは、外から与えられるものではなく、本人の心の中にあるものを引き出してやるものである。
  • やる気や意欲がなければ、心の中に何もないのに、押し付け教育をしても仕方がない

といっている。さらに、

  • 「これを如何せん、これを如何せんとたずねざる者は、吾れこれを如何ともすることなきのみ」
    • これをどうすべきか、あれをどうすべきかと自分自身に問いかけないような者には、教えようがない
  • 一を聞いたら十を知るように、日頃からいろいろ自分の頭で考えて苦慮し、胸が痛むようでなければだめだ

ともいっている。

企業と言う特定の目的をもった集団では、実践に結びつかないような知識は不要である。学んで自分の頭で考え、身に着け、仕事に活かす必要がある。そのためには、自分なりの目標を持つ必要がある。大きな目標である必要はなく、その目標実現のために自分の必要な能力や知識、技術は次第に切磋琢磨される。

時には自分の行動が、自分の目標に対してどんな意味があるかを考えることも必要といえよう。eye


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:空気を読む日本人、原発の本質的議論妨げる」から

2012.5.8   日経産業新聞の記事「TechnoOnline:空気を読む日本人、原発の本質的議論妨げる」から

会議で空気を読むことが妨げ?

コラムの著者 円山重直氏(東北大学流体科学研究所教授)は、日本人がルールを守るだけでなく、その場の雰囲気を読んで秩序を守る習慣が反って、審議や審査を行う場合の本質的な議論の妨げになっているのではないかと危惧している。

円山教授によれば、特に、国や自治体、大企業が関係する委員会や会議でこの風潮が強いと感じるそうだ。また、同教授は、宇宙関連の技術委員会で装置の根本的な欠陥を指摘したら、二度とその委員会出席の依頼はこなくなったとの経緯もあったようだ。

このような風潮が、原子力発電所の安全性の本質的欠陥を見逃す温床になっている可能性もあるのではないかと、円山教授は危惧している。委員会や制度を整備しても、我々の「空気を読む」姿勢が国の重大決定や安全審査において本質的な議論を妨げることになろう。

若者でなくてもKY(空気が読めない)と嫌われるのは当事者だけかもしれないが、欠陥を避けることが目的である審査や会議で、KYばかりを考えると、本来の目的を損なうだけでなく大事故や大きな災害につながりかねない。happy01eye