【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:素材の新しい利点」から
2012/05/29
2012.5.24 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:素材の新しい利点」から
顧客のクレームがヒントで売上増加
コラムの著者 西川英彦氏(法政大学経営学部教授)は、素材の持つ新しいり円に気付くことで新市場創造が出来ることをミツカンの納豆商品を事例として説明している。
【過去商品の反省から】
ミツカンが2008年に発売した「金のつぶあらっ便利!超やわらか納豆とろっ豆3P」での解決した内容は、
- 開封時に、納豆のたれ袋から中身が飛び散る
- 開封後のフィルムで手や食卓が汚れる
という不満を解消するため、ゼリー状の「とろみたれ」を開発、これらの問題を解決した。ところが、これに対して50代から60代を中心に、
- ゼリー状になったためかき混ぜにくい
といった意見が出て客離れが起きた。そこで従来のなじみのある液体で、混ぜやすく、手を汚さない袋の開発が必要となった。
【偶然の気付きから問題解決へ】
いくつかのアイデアを検討したがどれもコスト高となり実現性が低い。そのとき、開発担当者の一人が、発泡スチロールの容器を触っていて、その素材が繊維質で、一定のすじに沿って割れやすいという利点に気付いた。
偶然気付いた「割れる」という発泡スチロール容器のふたの上部にフィルムをつけ、そこにたれを入れた。食べる前に蓋を割り、たれをかけるというアイデアが生まれた。
1年半かけて商品化し、「金のつぶパキッ!とたれとろっ豆3P」として今年1月に関西以西で発売を開始。従来の「とらみたれ」の商品の2倍以上の売上となった。50から60代の消費者を呼び戻し、さらに今まで納豆を食べていなかった消費者も新たに取り込んだ。
今までは、割れることは消費者からクレームとして欠点と考えられていたことを見方を変えて利点としたことが成功の要因となった。アイデアの展開で必要なのは常に見方の変更である。
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