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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:日本の未来映すアジア市場」から

2012.4.2   日経産業新聞の記事「眼光紙背:日本の未来映すアジア市場」から

アジア市場は日本の過去ではなく将来がある?

コラムの筆者の視点は、日本人の多くがイメージしているアジア市場が、日本の過去と同様未成熟で、消費者の行動もかつての日本人の姿と考えることに対する逆説であるところが面白い。

コラムの筆者の仮説の原点は、ICTの発達過程にあるという。つまり、日本では、テレビの次にパソコンやインターネット、そしてスマートフォンやSNSなどソ-シャルメディアと順を追って普及してきた。この過程のために、パソコン世代、スマホ世代などと呼ばれるように、世代によって使う機器やサービスが異なってきた。日本のすべての世代が、あらゆる情報機器やサービスを使いこなすのはまだ先のことと言える。しかし、アジアでは、薄型テレビ、パソコン、スマートフォン、SNSがほぼ同時に普及してきていて、日本のような世代は形成されず、世代に偏ることなく、ほぼ消費者はそれらを使いこなしている。言い換えれば、ICT市場では、日本よりもアジアの諸国の方が進んでいると言えるという。

アジアの市場が日本の市場の将来像というのは、同時的な普及によるICT市場が作られているという理由からだという。さらに言えば、アジア市場で通用したマーケティング手法は、日本でも通用するともいえるという。

コラムの著者の逆説は、日本が一方で開放された市場であれば在りうる話と思うが、果たして日本の市場が、そこまで開放的な市場であるか?またしてもガラパゴス化するのでがないだろうか。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:増える座禅女子、迷いの時代、素の自分見つめ」から

2012.4.2    日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:増える座禅女子、迷いの時代、素の自分見つめ」から

迷いの時代と座禅ブーム

コラムの著者 粟飯原理咲氏(アイランド代表取締役)が取り上げるのは、マラソン・ウオーキング人気と同様、女性に人気だという座禅である。人気の証左として、今年2月に出版され、日常に簡単に取り入れられる座禅と禅の作法を紹介した「身体と心が美しくなる禅の作法」(主婦の友社刊)が、発売1カ月足らずで重版となっているそうだ。

自宅や旅先で、座禅に親しむ”座禅女子”が注目されているという。「身体と心が美しくなる禅の作法」の著者、星覚さんによると、5年ほど前から、国内外を問わず女性参禅者が増えているという。さらに、ネット時代にお寺も、一般の方に広く情報を発信して座禅会を開くところが増えていると、「宿坊研究会」主宰の堀内克彦氏は語る。

これまで座禅のイメージが「苦行や罰ゲーム」であったが、座禅が身近になり、「気持がよい、健康と美容にも良いもの」として認識されるようになったのでは」とブームの背景を堀内氏は分析する。

場所や道具要らずで、思い立ったときにはじめられる点も魅力だという。星覚氏が推すのは、「禅を学ぶことは、自分を学ぶこと。おすすめなのは、一番ニュートラルでいられる朝の時間帯。先ずは、一日5分からでも少しずつ座禅で身体と心を整えてみては。」と語る。

迷いの時代こそ、素の自分を見つめる座禅。そこに需要があるのだろう。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「グローバル時代の課長学①:調整役の殻を破る」から

2012.3.29   日経産業新聞の記事「グローバル時代の課長学①:調整役の殻を破る」から

消費者への生活提案に2つの重点を設定

コラムの著者 キャメル・ヤマモト氏(デロイトトーマツコンサルティング・ディレクター)は、日本企業のグローバル化に伴って、従来型の日本人課長(J型課長)から「世界に通用する」グローバル課長(G課長)への変化について語っていく。今回は、J型、G型課長のイメージについて説明している。

【課長のスタイルの違いの典型例】

Tableなるほど、やんちゃなG課長と従順なJ課長。ヤマモト氏の視点は、海外から見れば国内で成熟した企業であっても、「新興企業」であることに立脚している。この新たな成長機会をつかみ、前線を引っ張るのは、残念ながらJ課長ではなくG課長だ。G課長の目には国内市場も新興市場と見えるはずだという。

J課長のように、上司と部下の中間sの存在でつなぎ役である。一方、G課長は、自ら引っ張る部隊を持ったリーダー型で、上下関係の両者を利用する。サムソン電子が世界各地に「地域専門家」を送りこんだように、自由に活動できる現地の活動の中核を育てるためには、本社の人事戦略に沿って、「やんちゃ」さがある中間管理職である。やんちゃとは、欧米の代表的なグローバル企業の人事本部長が、同社で活躍するマネージャーを日本企業のマネージャーと対比する際に形容した表現だという。

J課長がG課長になるのは困難に見えるかもしれないが、ヤマモト氏によればG課長がJ課長になることは更難しいことだそうだ。以後、このコラムでは、J課長がG課長に変身する術を示すようで楽しみである。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:サントリーのブランド戦略」から

2012.3.29   日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:サントリーのブランド戦略」から

消費者への生活提案に2つの重点を設定

コラムの著者 三浦俊彦教授(中央大学商学部)は、サントリーの和田龍夫宣伝部長の講演である「低迷していたウイスキーを2009年以下にハイボールで復活させたか」を通じて、ブランド戦略の重点をあぶりだしている。

和田氏の話から、サントリーは製品ブランドの価値向上とともに、豊かな生活提案を考えている。その際の重点は「目標のビジュアル化」と「飲用時品質」だという。

【目標のビジュアル化】

  • あるブランドが目指すゴールイメージ(新たな生活者の姿)を写真などでビジュアル化するもの
    • ハイボールは、若者に最初に食事と一緒に飲むウイスキーをイメージして、炭酸で割って飲みやすくすることであった。
    • 若いといった抽象的な表現でなく、写真でそのイメージを担当者で共有できることで意思統一をはかった。

【飲用時品質】

  • 実際に消費者が飲む際の飲用時品質を、製造時品質や出荷時品質と同様に重視した。ハイボールは炭酸で割ったり、レモンスライスを入れたりするので、生活提案が重要となる。

この二つの重点は、他の製造業でも、例えば飲用時品質を利用時品質とすることで、サントリーを事例としてブランド戦略を検討できるだろう。三浦教授の視点は、事例研究で得た、この重点政策を解きほぐして、他の業態でも応用してほしいと語っている。beer


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「論語に学ぶ仕事術①:実行する前に見切る愚」から

2012.3.28   日経産業新聞の記事「論語に学ぶ仕事術①:実行する前に見切る愚」から

『冉求曰、非不説子之道、力不足也、子曰、力不足者、中道而廃、今女画。』 (論語 雍也篇)


【書き下し文】冉求(ぜんきゅう)曰く、子の道を説ばざる(よろこばざる)には非ず(あらず)。力足らざるなり。子曰く、力足らざる者は中道にして廃む(やむ)、今汝(なんじ)は画れり(かぎれり)。

【コラムからの要約】孔子の十大弟子の一人である、冉求が、『先生の教えを学ぶのはうれしいのですが、自分の力不足でこれを実行することができません』と言った。これに対して孔子は、『力不足のものが、途中で挫折してしまうのはやむえない。しかし、お前の場合は、実行する前から、自分で自分の能力に見切りをつけているだけだ』と叱っていった。


コラムの筆者 岩淵勳氏(古河スカイ特別顧問)が語るのは、s仕事の結果は、能力の差よりも、仕事に向き合う態度・姿勢によるものだと指摘している。新しい仕事をやろうとすると、やれない理由などを否定的に見つける癖がついている人がいるという。

実際実行してみて、多様な中身があり、その効果は社員の連携、効率的な作業などのあらゆることに及ぶことが実体験できることが重要であるという。これまで気付かなかった能力を見出し、それが結果に結びつくことも分かり、リーダーシップのヒントなどもそこから生まれてくるという。

孔子のこの言葉、新しい仕事について、実行する前から見切りをつけるのではなく、先ずは受け止め、どうやとうかと前向きに取り込むことが重要である示唆しています。成功は、前向きに取り込んでこそ出てくる結果であって、仮に途中で失敗しても、その姿勢に他人が信頼を寄せ、次の仕事もこの人に相談しようとなる。また、多くの人は自分自身の能力も気付いていないことが多いという。happy01

岩淵氏が同様に意味で示した言葉:

  • 松下幸之助氏:「成功とは、成功するまで続けることである」
  • 聖書:「すべて求める者は得、探す者は見出し、門をたたく者は開けてもらえる」(マタイ伝、7章7~12節)