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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:マーケティングの核心」から

2012.3.8   日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:マーケティングの核心」から

マーケティングは相手(消費者)と自分(企業)の関係のマネージメント

コラムの著者 中央大学商学部の三浦俊彦教授は、マーケティング戦略のニーズ対応コンセプト提案の長所短所を説明している。さらに、この2つのバランスをマネージメントするかが、マーケティングの核心であるということを説明する。

【『ニーズ対応』の事例】

○コンビニエンス・ストアの「セブン・イレブン」

  • POS(販売時点情報管理)端末を使った単品管理システムがベース。
  • 全1万3千店以上を管理。
  • 欲しいものが、欲しい時に、欲しいだけ、欲しい価格で揃うシステムを実現。

■同業他社との差別化は難しい

  • コンセプト提案の導入
    • 商品の50%以上、プライベートブランドとして、差別化を図る。

【『コンセプト提案』の事例】

○パリやニューヨークのコレクションに出るデザイナーブランド

  • 分かる人にだけ買ってもらえば良い

■独善に陥りやすい

  • ニーズ対応に相当する取り組みの導入
  •  
    • 街頭で消費者動向の観察。
    • 消費者の指示を受けている消費者のインタビュー

このようにまとめると、成功事例は、ニーズ対応とコンセプト提案はバランスの上に成り立っていることが分かる。バランスやタイミングの見極めなどのマネージメントがマーケティングの核心であることを三浦教授は指摘している。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:にぎわう数学講演会、市井の人に知性と熱意」から

2012.3.6  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:にぎわう数学講演会、市井の人に知性と熱意」から

国力は政治・経済、最先端の科学技術だけでない日本

コラムの著者 小山信也氏(東洋大学教授)は、数学が専門分野だそうだ。出版社の依頼で一般向けの数学講演会の講師を行ったとき、驚いたことがあったという。

  • 「素数はどれだけたくさんあるか」:過去150年に未解決の難問である数学の最大の謎『リーマン予想』が講演の演題。(▶参考)小山教授はこの演題での集客に驚いた。会場はほぼ満員。
  • 参加者の多くは40~50歳代の男性が多かった。終了後の懇親会で参加者のプロフィールを小山教授が聞いたところ、高校の数学教師が2割ほど、ほかは工学系や化学系のメーカーでのエンジニア。企業に勤めながら余暇に数学を楽しんでいるという。
  • どの参加者も目は生き生きしており、実に楽しそうに数学と自分の関わりを語っていたことだという。

【世界的にも珍しい日本の好評な数学講演会】

  • 主催者は数学講演会は毎回盛況だという。小山教授もこんな現象は日本だけで、米国や英国、韓国でも全く考えられないという。
  • 盛況な要因を小山教授は以下のように推察している:
    • 日本の和算の伝統
    • 日本人は欧米人よりも数学好き
    • 中年世代の学力水準が高い
    • 学問に興味を持って楽しむ余裕がある
    • これらを活かす出版文化が日本には根付いている
      • 素人向けながら最先端まで解説する数学の雑誌や書籍が出版されている
      • 海外ではこのような事例は少ない

参加者の知性と熱意を日本の力とできれば、最先端シニア社会の世界に対する規範となるのではないだろうか。memopencil


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「体験的リーダー論、キヤノン電子・酒巻社長⑰」から

2012.3.7  日経産業新聞の記事「体験的リーダー論、キヤノン電子・酒巻社長⑰」から

リーダーの目は国際標準から国内を見る

コラムの著者 酒巻氏(キヤノン電子社長)は、社内のリーダーには「世界市場・国際標準」が求められる視点であることを示唆している。たとえ、現状が国内市場だけに向いていても、海外から日本市場に参入してきたときに、太刀打ちできない状態になるという。

【技術大国であるからこそデファクトスタンダード(業界標準)からデジュールスタンダード(国際規格標準)に注力】

酒巻社長の視点は、国内から世界を見るのではなく、世界視点で国内を見ることが、これからのリーダーに求められる視点だという。

  • かつては、欧米の一流企業に追いつき追い越せで技術を磨き、他より魅力的な商品を作ることで、世界市場でトップクラスのシェアを得ることで、デファクトスタンダードを勝ち得た。
  • しかし、1990年代から世界市場は一変。TBT協定など、世界でモノを売るには、デジュールスタンダードに準拠しないと、売れない時代となった。
  • デファクトスタンダードでの成功体験が、この変化に追いつけず、世界にベンチマークを求め、学ぶ姿勢も弱くなったという。結果、国内市場にのみ適用される物差しで技術やサービスを進化させることとなり、ガラパゴス化が起こった。
  • 国内市場が小さく、世界を視野に入れたモノづくりに徹したのは、近隣国韓国である。韓国は、国際標準にいち早く追従できた。いわゆる失われた10年である。

【リーダーとしてすべき「国際標準」の情報収集】

酒巻社長は、示唆はリーダーとして国際標準の正確な現状把握だけでなく、今後の展開や技術の方向性などを、読み解く力をもつことだという。他よりも魅力的な製品づくりは、このような情報収集が基盤となる。さらに、たとえ国内にしか売らないものを手掛けても、先ず世界を前提に考えることという。

  • 国内のみを前提にした商品では、世界に打ってでれない
  • 運よく世界に出ても、基準が変わればすぐに対応できない
  • 世界標準の商品が日本市場に参入してきても太刀打ちできなくなる

情報収集を常に国際標準の動向に意識を向け、自社の製品・サービスや世界展開にいかなる影響があるのかを分析する視点が必要となる。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「今こそ面白く仕事を(上)」から

2012.3.6   日経産業新聞の記事「今こそ面白く仕事を(上)」から

減点主義からは何も生まれない

コラムの筆者 堀場雅夫氏(堀場製作所最高顧問・創業者)が語るのは、ポジティブな評価とそれに伴う行動である。

堀場製作所では社是「おもしろおかしく」がエレベータの扉にかかれている。何も掲示だけではなく、脱・減点主義が、日本の組織を元気にするという。

【堀場雅夫氏の視点】

コラムから、面白く仕事をするヒントをかいつまんでみよう:

  • 代替行動的な人の方が問題を起こす確率は高い。10良いことをして10失敗するかもしれない。このような人と、何もしなかった人は同じ差し引きゼロであるが、日本では、後者を重視する。
  • 社員同士が減点主義で評価していては、組織に前向きな動きが出てこない。
  • ソニーや日立製作所の大手でもトップ人事が変化してきている。従来型の出世コースとは異なり、子会社の経験者や出身者をトップにし、今までの評価軸からの脱却しようとしている。
  • 『社員が仕事を面白く思って働くには?』と質問してくるのは日本企業ではなく、今や日本企業のシェアを抜く韓国のサムスンやLGグループの幹部である。彼らに慢心はなく、さらに組織の活気を保つためにまだまだ努力すべきところがあると思ってる。
  • 韓国勢の勉強熱心さに比べ、「すぐに良くはならないけれど、何とか60点は維持しよう」といった、満点とは違って達成感に乏しい目標では、元気が出ない。さらに下げたハードルで失敗したら周囲から批判されるという。
  • 対策は、日本の企業人が世界に出て、海外の人が何を欲しがっているのかを探す、『商売の探検家』が必要。新しい提案が次々出てくる仕掛けと結果としてそれをプラス思考で評価することで、職場風土を変えようという。
  • 「世界で最も良いものを作ろう」「海外のライバル会社よりもよく売れるものを考え出そう」など、ポジティブな方向性でエネルギーを持って行き、面白く働くことを目指すべきだという。

多くの事業が社員の創意工夫と提案で付加価値を生むものと考えれば、元気が良いことは必要条件であろう。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:東電VS.民主党のチキンレース」から

2012.3.5   日経産業新聞の記事「眼光紙背:東電VS.民主党のチキンレース」から

利用者抜きの瀬戸際交渉

コラムの筆者は東京電力と政府民主党の資本注入騒ぎをチキンレース(▶参考)であるとして批判する。

先ず東京電力側だが、政治力や幹部人脈の強さを発揮し、原子力損害賠償支援機構を通して、昨年11月には8900億円、先月13日に690億円という巨額の資金支援が決定した。ただ、焼け石に水である資本注入も、新たに1兆円を余儀なくされるという。しかも国民の血税からの資本注入で監督官庁の経産省枝野経済産業省大臣が、3分の2以上の議決権を要求しているが、執拗にこれに抵抗しているという。

経営トップが主管の省庁を向こうに回して自信を持った動きが出来るのは、東電側の政治力と人脈パワーだけでなく、チキンレースの相手である民主党の政権の脆弱さにあるという。

さらに論理的に政府支援企業でも破綻する事例としてエルピーダメモリの会社更生法の適用申請がある。

何れにしても、チキンレースのごとく、「共に強硬な態度をとり続けると、悲劇的な結末を迎えてしまうにも拘らず、プライドが邪魔をして双方共に譲歩できない状況」だけは避けねばならない。電力インフラは、日本の企業だけでなく、国民生活の基盤でもある。それが政治の道具として使われている現実を知らねばならない。despair