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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:日本再生、石油危機に学ぶ」から

2012.3.13   日経産業新聞の記事「眼光紙背:日本再生、石油危機に学ぶ」から

危機をチャンスに

コラムの筆者は、1970年代の石油危機での教訓を活かし、現状の多くの課題に取り組むチャンスとみている。

○日本の製造業は石油危機で鍛えられた

・コラムの資料で紹介されている日本経済研究センターは、1070年代の石油高騰の時期、化学や鉄鋼が急速にエネルギー効率を高め、さらに省エネルギー型のエレクトロニクス産業が台頭したと分析している。石油・石炭産業を除く製造業が日本全体の占める割合(産業構成比)は拡大したという。当時の経済成長率は4%、構成比の拡大は、4%以上のスピードで拡大成長したことを示している。

・東日本大震災から1年が経過したが復興への道は未だ険しく、原発の再稼働は困難である。更に、化石燃料の世界的な高騰は、苦境に輪をかけている。産業の空洞化と大不況が懸念材料である。

・石油危機での危機感は、鉄や化学に革新的な製法の導入を促し、エレクトロニクス産業を育てた。当時の危機を日本の製造業は生き残り、世界の省エネ関連部材、製品、設備を手に入れ、競争力を高めた。つまり、「モノづくり日本」の原点はここに在ったわけである。

○電力不足や資源高への挑戦

・省エネ・創電・温暖化削減を念頭に電力不足と資源高を克服することは極めて難しい課題である。しかし、コラムの著者が示唆するように、日本の競争力の原点はまさにここにあると言える。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「今こそ面白く仕事を(中)」から

2012.3.13   日経産業新聞の記事「今こそ面白く仕事を(中)」から

決められたルールを守れば安心?

コラムの筆者 堀場雅夫氏(堀場製作所最高顧問・創業者)が語るのは、規制や法律、ルールと目的に対する行動である。

堀場製作所では1970年代の上場以来、配当性向に関して、一般的な「安定配当」ではなく、額面ではない株主との約束の利益配分を主張してきた。東証2部上場で、当時の大蔵省に直談判して、「配当は本来、利益配分ですよね。」と訴えたそうだ。以後、この訴えは聞き入れられたそうである。

この話でわかることは、横並びで考えもしないで、理論的に規制やルールの目的を、どれだけの企業人が理解して行動してるかという疑念である。

【堀場雅夫氏の視点】

  • 「規制やコンプライアンス(法令順守)が厳しすぎる」と言った批判は、理論的に目的を理解し、論理的に役所に訴えたことはあるのか?⇒役所の側も「今の規制で企業も安心している」と誤解していないか。
  • 皆がきとんとモノを言わず「長いものに巻かろ」では閉塞感が募るばかりである。本来は、人間社会が円滑に動くことに目的に考えた決め事であり、法やルールが目的であるかのような、主客転倒が起こっている。
  • 「決められたルールを守れば安心」という社員が広がれば、社会で本来果たすべき目的を見失う。仕事の面白みも減ってしまう。
  • 起業家について
    • 事業を考える際にも自分の好きな分野よりも、今はやりの分野に進み、皆が参入して成功確率が低くなるようではよくない。
    • むしろ既存のモノづくりやサービス周辺に、「あったら助かる」隙間のニーズを狙ったほうが成功確率もやりがいもあるのではないか。
  • 戦後、成長を果たした後、横並び意識が強まったときに、新興国にちからをつけられたのではないか。

堀場氏の視点は、独自性の追求にある。決まったことに疑いをむけることも重要であろう。sun


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:『線』から解き放たれたい本能」から

2012.3.12   日経産業新聞の記事「眼光紙背:『線』から解き放たれたい本能」から

通信インフラの利用の転換点

コラムの筆者は、最近の通信インフラの転換を『線』の有無、つまり無線インフラ、光ファイバーに代表される有線インフラに対して比較している。

移動移動体通信ベンチャー日本通信の三田聖二社長が語った言葉:『人間は、オギャアと生まれてきてヘソのの緒を切られた瞬間から”線”から解き放たれたいという本能を持ち続ける』を引用。実際、若年層を中心に、光ファイバー(有線通信)から無線データ通信へのシフトが急激に進んでいるという。

NTT東日本は同社の「フレッツ光」の月額料金を3月から1割超引き下げるという。2011年度のフレッツ光解約数は月間9万~1万件で3年前の2倍。自宅に固定回線を引かず、スマホの高速通信を使ってパソコンのインターネット接続を利用する『テザリング』(▶参考)が流行している。値下げはその対策というわけだ。

逆に線から解放する無線インフラは、パンク状態。NTTドコモやKDDIで大規模な通信障害が発生した。要因は、従来の携帯端末の比較して10倍の通信帯域を使スマートフォンの通信量をうまくコントロールできなかったことによる。

NTT東西の光ファイバー回線に投じた投資額は累計3兆円。国家的なインフラに閑古鳥が鳴くのかどうか、三田社長のいう本能によるというのはどうか。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:成長の”のりしろ”大きい中国」から

2012.3.9   日経産業新聞の記事「眼光紙背:成長の”のりしろ”大きい中国」から

内陸部の”のりしろ”

コラムの筆者の見方は、3月5日に全国人民代表大会で温家宝首相が発表した政府経済活動報告の中身から、中国経済の余力を推し量っている。

欧州危機を念頭に、前年8%成長を下げ、7.5%とした。ただ、実質経済成長率は、1~2%上回ってきたので、8%は達成可能との観測である。

さて、この根拠だが、コラムの筆者は以下をあげている。

  • 財政支出が14%の増加と積極財政の維持
  • 金融政策は、インフレ抑制で引き締め一本槍であったが、預金準備率の引き上げなどで成長に配慮している
  • 欧州危機に対しては、内陸部のインフラプロジェクトを再開する余地がある
  • 民生重視は変わらず、輸出投資主導型から消費主導型へ変化している模様
  • サービス産業の育成(高齢者向け介護、健康分野、文化活動、ツーリズム、フィットネスなどに注力)を手掛けてはいるが、きめ細かい対応が要求されることから容易に達成できず、相変わらず、電気、ガス、水道、鉄道、高速道路、住宅といったインフラ整備が成長のけん引役とみられる

内陸部のフロンティア開発が今後の成長の原動力。日本は欧米を抑えてどこまでこれに関与できるのであろうか?happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:勝敗を分けるのは技術力か」から

2012.3.8   日経産業新聞の記事「眼光紙背:勝敗を分けるのは技術力か」から

経営の総合力で韓国勢は振り切った

コラムの筆者の見方は、技術開発力のアップだけでは、ターゲットにされた日本の家電メーカーは太刀打ちできない立場に追い込まれてきているという。

コラムの筆者は、1990年代半ばのソウルで開催されたエレクトロニクスショウで、サムスン電子が試作した1GbitのDRAMチップを誇らしげに説明している社員と日本のメーカーの幹部らしい人物がそれを聞き「なかなかやるな」といった表情が忘れなれないという。その後、一世代前の256Mbit DRAMでは、サムスンが製品化で日本のメーカーの先に出た。エルピーダメモリの破綻より以前の1994年のことである。

研究開発で追いついた韓国勢が、戦略的な設備投資で一気に日本勢を攻めた。まさに「ロックオン」された。同様に液晶テレビもロックオンされた。

技術を磨くことで日本は打開を見出そうとしているが、突破口は安易に見つからないのが現状だ。ブルーオーシャンとなる市場に技術開発力だけで突破することはできても、元のブルオーシャン自体が見い出せないなら、勝ち目は、経営の総合的な戦略がある方が優位である。家電メーカーだけの問題ではない。如何に乗り切るかは、厳しい状態だ。pc