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2012.3.7  日経産業新聞の記事「体験的リーダー論、キヤノン電子・酒巻社長⑰」から

リーダーの目は国際標準から国内を見る

コラムの著者 酒巻氏(キヤノン電子社長)は、社内のリーダーには「世界市場・国際標準」が求められる視点であることを示唆している。たとえ、現状が国内市場だけに向いていても、海外から日本市場に参入してきたときに、太刀打ちできない状態になるという。

【技術大国であるからこそデファクトスタンダード(業界標準)からデジュールスタンダード(国際規格標準)に注力】

酒巻社長の視点は、国内から世界を見るのではなく、世界視点で国内を見ることが、これからのリーダーに求められる視点だという。

  • かつては、欧米の一流企業に追いつき追い越せで技術を磨き、他より魅力的な商品を作ることで、世界市場でトップクラスのシェアを得ることで、デファクトスタンダードを勝ち得た。
  • しかし、1990年代から世界市場は一変。TBT協定など、世界でモノを売るには、デジュールスタンダードに準拠しないと、売れない時代となった。
  • デファクトスタンダードでの成功体験が、この変化に追いつけず、世界にベンチマークを求め、学ぶ姿勢も弱くなったという。結果、国内市場にのみ適用される物差しで技術やサービスを進化させることとなり、ガラパゴス化が起こった。
  • 国内市場が小さく、世界を視野に入れたモノづくりに徹したのは、近隣国韓国である。韓国は、国際標準にいち早く追従できた。いわゆる失われた10年である。

【リーダーとしてすべき「国際標準」の情報収集】

酒巻社長は、示唆はリーダーとして国際標準の正確な現状把握だけでなく、今後の展開や技術の方向性などを、読み解く力をもつことだという。他よりも魅力的な製品づくりは、このような情報収集が基盤となる。さらに、たとえ国内にしか売らないものを手掛けても、先ず世界を前提に考えることという。

  • 国内のみを前提にした商品では、世界に打ってでれない
  • 運よく世界に出ても、基準が変わればすぐに対応できない
  • 世界標準の商品が日本市場に参入してきても太刀打ちできなくなる

情報収集を常に国際標準の動向に意識を向け、自社の製品・サービスや世界展開にいかなる影響があるのかを分析する視点が必要となる。happy01

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