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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:ローテク金融の復活」から

2012.2.16    日経産業新聞の記事「眼光紙背:ローテク金融の復活」から

長期投資は実物投資で再び脚光も

金融バブルで流行した金融工学を駆使した金融ハイテクによる高速売買、デリバティブなどの複雑化が今後もマーケットの構成要素の巨大な構成要素であることは間違いがないが、コラムの著者が語るのは、昔ながらの長期投資家がマイナーとなった今が逆に脚光を浴びるという。

長期の資産形成を唱える機関投資家も実は、毎年の成績に追いまくられる高速売買型。だが、人口増加など地球低規模でみれば、投資対象は、金融商品ではなく実物投資が大きくなるという。世界中の人々は、豊かな生活を求めて、エネルギー、工業原材料、食糧、水といった不足を補う必要がある。金融ハイテクとは異なり、10年単位の時間軸での投資となろう。長期投資というローテク金融が再度脚光を浴びるのはこう言った理由からだという。

そういえば、お隣の大国では、投資先がハイテク産業ではなく、エネルギー、工業原材料、食糧、水であり、アフリカ大陸の開発途上国である。長期投資はボディーブローのように効いてくることを、四千年の計の国らしくしっかりとつかんでいるようだ。thunderphonetonoodlerestaurant


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:商品選択の尺度」から

2012.2.16   日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:商品選択の尺度」から

消費者への尺度提供はブランドの土俵づくりに

コラムの著者 中央大学商学部の三浦俊彦教授が示すのはコモディティー(汎用品)化した商品への活路を見出す「尺度化戦略」である。

【尺度化戦略の事例】

○「い・ろ・は・す」(日本コ・カコーラのミネラルウオーター

■課題■ 味も機能もそれほど変わらないミネラルウオーター。従来は、採水地イメージや低価格での選択のみ

■挑戦■ 「絞れる軽量ボトル」で当初(2009年市場投入)の520ミリリットルで従来比40%軽量化で12グラム。つぶせる機能からミネラル・ウオーターのエコ商品の最上位に押し上げ、ブランド化に成功。エコという選択尺度を消費者に与えた。

○「一番搾り」(キリンビール)

■課題■ ビールは基本的には美味しいお酒。選択も缶イメージや低価格での選択のみ

■挑戦■ 「一番搾り麦汁しかつかっていないから、おいしんです」を発信。「一番絞り麦汁だけを使うのが良いビール」という選尺尺度を与えて、成功。

○「植物物語」(ライオン)

■課題■ せっけんも基本的には製品間でそれほど大きな違いはない。

■挑戦■ 従来の動物性油脂に代えて、ヒトと環境に優し植物性油脂によりせっけん「植物物語」を開発。「植物油脂のせっけんが良いせっけん」という尺度を消費者に提供、成功している。

上記の事例はどれも一過性ではなくブランドとして定着しており、尺度化戦略の有効性を示している。消費者に尺度を提供することは、「自社商品の土俵」を築く機会でもある。beer


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「体験的リーダー論、キヤノン電子・酒巻社長⑭」から

2012.2.15  日経産業新聞の記事「体験的リーダー論、キヤノン電子・酒巻社長⑭」から

社員の自由を担保した上で最低限守るべきことをきちんと定める

コラムの著者 酒巻氏(キヤノン電子社長)は、コンプライアンス(法令順守)について社内でリーダーが取るべき考えを説いている。

○コンプライサンスに委縮せず

昨年来の大企業の不祥事を受けて、コンプライアンスの重要性が改めて指摘されている。一方で、コンプライサンスの行きすぎで組織を委縮させているという批判があるという。何のためのコンプライアンスかといった根本部分が不在である。何かあると困るからと、あれをやってはダメ、これやってはダメと予防措置的に管理を厳しくしている?結果かもしれないという。

コンプライアンスとは、本来、法令の順守を基本として「倫理」に基づき行動することである。倫理を欠いての法令順守では、「法令違反さえしなければ何をしてもかまわない」という違法すれすれの行為に出てくることになる。その結果、社会に迷惑が及ぶ事態になれば、例え法令違反してなくても企業倫理が問われ、組織はたちまち信用を落とし、取り返しのつかない痛手を被ることにもなりかねない。

大事なことは倫理である。ここで言う倫理とは、人に迷惑をかけない、騙されないといった当たり前の道徳的観念である。であれば、何に委縮するのか。

その要因は「何かあったらどうする」とリーダーがその枠の外までも心配して、縛りをかける。おかしな相互監視をしたりして、社員が委縮する。こう言った愚を避けるために、最低限守るべきことを明確に定めてた上で社員の自由を担保したい。

○倫理と常識は新人の時から

酒巻社長は新入社員のときから社会人として当然身につけるべき世の中のルールと倫理をきちんと教えることが肝要だという。これを怠ると、倫理に欠けた法令違反や脱法行為が当たり前になり、リーダや先輩が見逃すうちに、倫理観が麻痺してしまう。やがて権限のある地位となったときに背任や粉飾決算などの大きな悪事に手を染める可能性もある。

「これくらいなら良いだろう」という小さなルール違反の繰り返しが、やがて大きな世間を騒がす不祥事に発展する。倫理なき企業風土は極めて怖い。小さなルール守れない人に大きなルールが守れるはずがないと酒巻社長は警告する。sign03


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:日本のハイテク、異業種連携で新分野開拓」から

2012.2.14  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:日本のハイテク、異業種連携で新分野開拓」から

異業種の絆にITを

コラムの著者 新田義孝氏(四日市大学)は、異業種での連携が、健康増進、孤独救済、引きこもり対策などに役立ち、その連携のキヅナにITが不可欠だと指摘する。

20年前に新田氏が米国の医学部教授から「人工衛星を使って途上国に医療現場向けに正しい治療法を配信し、少し判断が難しいケースや手術の方法などはPC画面で教えることを考えている」と聞いたそうだ。これが実現すると、医薬品や手術の道具、包帯に至るまで指定するモノが流通することになり、医療部門のデファクトスタンダード(事実上の業界標準)となるのではないかと思ったそうだ。

ふり返れば、今や日本は高精細のカメラやモニター、通信衛星も保有する。米教授のアイデアも日本にとって格好の新分野となろう。日本のハイテクが実は、多くの業界や業種を越えた連携を行ったとき、その真価が世界ではハイクラスとなる。

新田氏は、ゲーム産業、旅行業者、スポーツ用品メーカーなどがITで組めば、健康増進、孤独救済、引きこもり対策にもなるという。そこには、組合せから新しい発想と知恵が必要でITも応用しなければ、業種間の絆を築けないと示唆している。thunder


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:ニコンらしいデジカメ登場」から

2012.2.10   日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:ニコンらしいデジカメ登場」から

メーカーに回帰してきた「らしさ」

コラムの著者 栗坂秀夫氏(パシフィックデザインアソシエーツ代表)が語るところによると、ニコンの最新ミラーレス一眼デジタルカメラ「Nikon 1(ワン)」を通じて、長く続いた、商品の量産、量販時代が地域や企業の持つ個性である「らしさ」を失わせたが、これを回帰する動きとして注目している。

デジカメは世界市場で日本メーカーの販売台数シェアが80%を上るとされ、簡単な操作、撮った写真をすぐ見れる、撮影データは失敗したら消せ、送ることもできる優れモノ。国内普及率は70%を超えているという。

当たり前だが没個性から「らしさ」を求めることは、大きな決断だ。ニコンの映像カンパニー・デザイン部の梅原高志氏(同コラムからの引用)は、「Nikon 1(ワン)」の基本概念として「小ささと多用途を融合したカメラとしての要素を厳選し、今までにない新しいデザインを目指した」そうだ。

存在感のあるボディーで一般受けよりもニコンらしいフォルムだ。

震災後消費マインドは慎重だが、「らしさ」を追求した商品は強みがでてきた。この傾向が今後も続くとみる。happy01