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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:ミュージカル『テニスの王子様』」から

 

2012.2.22   日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:ミュージカル『テニスの王子様』」から

「型破り」が、さわやかなミュージカル

コラムの著者 中本千晶氏(ジャーナリスト)が紹介するのは、若い女性に大人気というミュージカル『テニスの王子様』(略称テニミュ)である。この作品は、週刊少年『ジャンプ』に掲載された同名の漫画原作を舞台化したものだそうだ。

物語は、天才少年、越前リョーマを擁する青春学園中等部(青学)テニス部が、各地の強豪校を激戦の末に下し、全国制覇するもの。2003年に始まった舞台版では年2回の公演で主要な対戦を順に取り上げていった。昨年来キャスティングを変え第二シーズンとなっている。

中本氏によると。テニミュには従来の常識を破った特色があるという。

  • 登場人物はすべて男子。青学メンバーと相手校の選手のみ
  • 「恋愛」要素も一切なし。男子同士の爽やかな「絆」が焦点。
  • 主役を頂点とした階層がない
    • 公演ごとに対戦相手が変化し、スポットが当たる選手も変わる。
  • キャスティングの基準は原作のキャラクターに以下に近いかにある
    • 舞台経験のない人もキャストに入り、若手男優の登竜門となった
    • ファンとして新人の成長過程を見守り、応援するといった楽しみ方もある
  • 照明や音響、映像を巧みに使う
    • 迫力の試合シーンが見所。

スポーツ界の爽やかな「絆」を満喫しつつ、役者とファンも「絆」で結ばれ、共に決勝戦まで盛り上がるようだ。結果として劇場側は、新規の若い顧客層を得たことになった。

さて、テニミュは○○48のプロデュースとどこかにていると感じるのは私だけか。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「体験的リーダー論、キヤノン電子・酒巻社長⑮」から

2012.2.22  日経産業新聞の記事「体験的リーダー論、キヤノン電子・酒巻社長⑮」から

キヤノン電子のコミュニケーションの基本「一に面談、二に電話、仕方がないから三にメール」

コラムの著者 酒巻氏(キヤノン電子社長)は、社内のリーダーとして「顔の見える」コミュニケーションの重要性を説いている。

先ずは優先すべき、顔の見えるは面談であり、それが無理なら声の聞ける電話、メールは最後の手段と酒巻社長は指摘する。メールに頼りすぎていると顔の見えるコミュニケーションをおろかになり、人間関係の機微が分からなくなるという。読者の会社では、この順序が逆になっていないだろうか?

○悪い話ほど直接会って:会社を救った面談○

酒巻社長のグループ会社のA社の逸話が、コラムにある。

A社はある商品を納品する予定であったが、A社の幹部が過労のために倒れてしまった。幹部が倒れたことで、キヤノン電子では、この会社が納期に商品が間に合いそうにないことが、それまで連絡がA社からなく、この事態で発覚した。早速A社長を呼んで現状を把握し、キヤノン電子で商品の開発支援が行え、納期的には遅れるるが完成することが分かった。

問題は、ここである。納期遅れの上に、商品を納品して実際の運用するには顧客との調整が必要だ。驚いたことに、A社の担当者は「ご迷惑をお掛けしましたが完成しました」とすぐに飛んでいくのか思いきや、完成の報告や今後の日程調整などメールですまそうとした。驚いた酒巻社長は、すぐに、「なぜ、先方に行かないのか。今から報告に伺いますと電話してすぐ行きなさい」と言って現場に急行させた。

商品を発注してくれた顧客の担当者も気が気でなかったに違いない。「なぜ、そんな会社に頼んだのか」と社内ではきっと立場が悪くなるに違いない。すぐに、安心してもらうためにも飛んでいくのが道理だ。このような当たり前のことをきちんとやっておかないと、同じ商品の商談があっても、「いい加減なことをした子会社の親会社」とされ、ビジネスチャンスを逃してしまうかもしれないと、酒巻社長は鋭く指摘する。

結局、A社の担当者が現地に着いたのは夜だったが、顧客である担当者は待ってくれて「無事に出来て何よりでした」と歓待してくれたという。翌朝、改めて出向くと、顧客の会社幹部から慰労されたそうだ。

人として常識的な誠意を見せれば、失態があっても心を通じるはずだし、災い転じて福となすで、信頼を得ることもできるという。

○メールの弊害○

「百歩譲って、いい話や単なる連絡ぐらいはメールでも良いが、悪い話や面倒な話は絶対直接会って話すべきである」と、酒巻社長は語る。リーダーたるもの、人と会い、面談を重ねることで仕事人としての人間関係力は鍛えられるという。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:電子書籍端末で争う通販シェア」から

2012.2.20   日経産業新聞の記事「眼光紙背:電子書籍端末で争う通販シェア」から

電子書籍端末はネットでのショッピングカートの代理戦争

コラムの筆者が指摘しているように、米国で大ブレークしているアマゾンの電子書籍端末「キンドル・ファイア」が国内市場にも本格参入してくる。対抗馬はアップルのiPhoneやアンドロイド端末でない。同じEC(ネット販売)を手掛ける大手楽天の動きである。楽天は、カナダのコボ社を約240億円で買収して電子書籍端末に乗り出す構えである。

電子書籍端末というば、ネットでの書籍の購入しか念頭にない方も多いだろう。しかし、アマゾンの通販サイトを見ると、書籍だけではなく、多くの商品が購入できる。つまり、日本でも電子書籍がこう言った商品の販売も含め大きな市場が見込めるとの共通認識であり、各社が、ショッピングカート(買い物かご)ならぬ、電子書籍端末のシェアを築くことに躍起になっている理由はそこにある。端末のシェアがショッピングサイトの売上に大いに影響を与える可能性があるとすると、アマゾンの戦略のように端末の価格が1万円前後とiPadの半額近いというのも、電子書籍以外の買い物で元をとると考えれば合点がいくだろう。

考えてみれば端末と呼ばれる携帯電話も通信サービスの本体価格を抱き込みながら、0円端末が流行したのを思い出す。この夏あたりの電子書籍端末の爆発的な流行の図式は、携帯端末のブームと同じかもしれない。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:アジアのリーダー、日本は知的資源生かせ」から

2012.2.17  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:アジアのリーダー、日本は知的資源生かせ」から

日本を知らない日本人

コラムの著者 内田裕久教授(東海大学工学部)は、日本人に対して語学の問題ではなく、議論をする見識や自分の意見を表現することに乏しいことが、アジアでのリーダーシップを発揮できないことにつながっていると指摘する。

内田教授の卒業研究発表会で二人の学生が英語で口頭発表した。二人ともアジアからの留学生で、両親が台湾と韓国、シンガポールと日本の出身であるそうだ。内田教授の英語での専門科目でも、二人は積極的に質問やコメントを行い、日本人学生のおとなしく、無反応な態度と大きく違っているという。

最近はアジアにおける日本のリーダーシップは国際経済、国際社会で問われ、パートナーシップに関する議論も多い。そんな中で、日本は英語を共通語(グロービッシュ)として、議論ができるかといった危惧である。資源のない日本は、日本の文化と知的資源を今後活かしていかねばならない。しかし、現状は、それを引っ張っていく人財のレベルが低いのではないかという。

2012年1月5日付け日経の調査では、

・留学生の来日理由:勉強や研究の環境、日本文化への興味が75%

・あなたの国に在って日本にないもの:若者のハングリーさ、社会の活力・バイタリティー、政治家のリーダーシップ

といった甘辛な結果が出ている。留学生の半数が日本の元気のなさを指摘しているという。

『英語が話せない』と悩む日本人の多くは、英語以前に母国語(日本語)を使う能力が低く専門知識も少ないと、内田教授は指摘する。内容があれば、表現力がなくても議論はできる。

ブログの著者が教鞭をとる大学院でも内田教授のご意見と同じ見解だ。アジア諸国の学生の熱心さと礼儀正しさには脱帽する。despair


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:計画停電選べぬ電力会社の苦境」から

2012.2.17    日経産業新聞の記事「眼光紙背:計画停電選べぬ電力会社の苦境」から

利用者の目が計画停電を躊躇させている

コラムの筆者も電力会社に厳しい目を向けている。西日本、とくに九州電力のこの冬の電力供給についてである。

東京電力よりも逼迫したのは、2月初めの九州電力、新大分火力発電所の設備トラブル(▶参考)による事態である。九電の原子力発電設備はすべて停止状態で、寒さによる凍結でのトラブル。暖房などによる電力需要の多急激な上昇で、九州最大の火力発電所が緊急停止したのである。

事態は厳しかった。下手をすれば、大停電を起こす恐れもあり、東京電力から緊急融通を受けたとのことである。関門海峡にある高圧送電線で想定以上の大きな電流を流すといったリスクを冒した。

コラムのよる専門家の見識では、諸外国ではこのような事例は、間違いなく計画停電を選ぶという。無理に供給を続けることが反って、電力需要をあげ、供給がそれを上回った時点で大停電を引き起こすことになる。まさに綱渡り状態の需給状態だ。

ではなぜ計画停電が行われないのか。九州電力を始め電力不信の風が吹いている上に、震災直後の計画停電の悪評を繰り返すことによる批難を避けてのことだ。しかし、コラムの筆者も指摘しているように、大停電を引き起こしてからでは、その損害や社会的影響を考えると、遅すぎる可能性もある。夏場にかけては更に事態は厳しい。各電力会社はこの危機をどう乗り切るか、利用者はどうすべきかを再考する時期かもしれない。snow