【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:計画停電選べぬ電力会社の苦境」から
2012/02/20
2012.2.17 日経産業新聞の記事「眼光紙背:計画停電選べぬ電力会社の苦境」から
利用者の目が計画停電を躊躇させている
コラムの筆者も電力会社に厳しい目を向けている。西日本、とくに九州電力のこの冬の電力供給についてである。
東京電力よりも逼迫したのは、2月初めの九州電力、新大分火力発電所の設備トラブル(▶参考)による事態である。九電の原子力発電設備はすべて停止状態で、寒さによる凍結でのトラブル。暖房などによる電力需要の多急激な上昇で、九州最大の火力発電所が緊急停止したのである。
事態は厳しかった。下手をすれば、大停電を起こす恐れもあり、東京電力から緊急融通を受けたとのことである。関門海峡にある高圧送電線で想定以上の大きな電流を流すといったリスクを冒した。
コラムのよる専門家の見識では、諸外国ではこのような事例は、間違いなく計画停電を選ぶという。無理に供給を続けることが反って、電力需要をあげ、供給がそれを上回った時点で大停電を引き起こすことになる。まさに綱渡り状態の需給状態だ。
ではなぜ計画停電が行われないのか。九州電力を始め電力不信の風が吹いている上に、震災直後の計画停電の悪評を繰り返すことによる批難を避けてのことだ。しかし、コラムの筆者も指摘しているように、大停電を引き起こしてからでは、その損害や社会的影響を考えると、遅すぎる可能性もある。夏場にかけては更に事態は厳しい。各電力会社はこの危機をどう乗り切るか、利用者はどうすべきかを再考する時期かもしれない。
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