【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「体験的リーダー論、キヤノン電子・酒巻社長⑮」から
2012/02/23
2012.2.22 日経産業新聞の記事「体験的リーダー論、キヤノン電子・酒巻社長⑮」から
キヤノン電子のコミュニケーションの基本「一に面談、二に電話、仕方がないから三にメール」
コラムの著者 酒巻氏(キヤノン電子社長)は、社内のリーダーとして「顔の見える」コミュニケーションの重要性を説いている。
先ずは優先すべき、顔の見えるは面談であり、それが無理なら声の聞ける電話、メールは最後の手段と酒巻社長は指摘する。メールに頼りすぎていると顔の見えるコミュニケーションをおろかになり、人間関係の機微が分からなくなるという。読者の会社では、この順序が逆になっていないだろうか?
○悪い話ほど直接会って:会社を救った面談○
酒巻社長のグループ会社のA社の逸話が、コラムにある。
A社はある商品を納品する予定であったが、A社の幹部が過労のために倒れてしまった。幹部が倒れたことで、キヤノン電子では、この会社が納期に商品が間に合いそうにないことが、それまで連絡がA社からなく、この事態で発覚した。早速A社長を呼んで現状を把握し、キヤノン電子で商品の開発支援が行え、納期的には遅れるるが完成することが分かった。
問題は、ここである。納期遅れの上に、商品を納品して実際の運用するには顧客との調整が必要だ。驚いたことに、A社の担当者は「ご迷惑をお掛けしましたが完成しました」とすぐに飛んでいくのか思いきや、完成の報告や今後の日程調整などメールですまそうとした。驚いた酒巻社長は、すぐに、「なぜ、先方に行かないのか。今から報告に伺いますと電話してすぐ行きなさい」と言って現場に急行させた。
商品を発注してくれた顧客の担当者も気が気でなかったに違いない。「なぜ、そんな会社に頼んだのか」と社内ではきっと立場が悪くなるに違いない。すぐに、安心してもらうためにも飛んでいくのが道理だ。このような当たり前のことをきちんとやっておかないと、同じ商品の商談があっても、「いい加減なことをした子会社の親会社」とされ、ビジネスチャンスを逃してしまうかもしれないと、酒巻社長は鋭く指摘する。
結局、A社の担当者が現地に着いたのは夜だったが、顧客である担当者は待ってくれて「無事に出来て何よりでした」と歓待してくれたという。翌朝、改めて出向くと、顧客の会社幹部から慰労されたそうだ。
人として常識的な誠意を見せれば、失態があっても心を通じるはずだし、災い転じて福となすで、信頼を得ることもできるという。
○メールの弊害○
「百歩譲って、いい話や単なる連絡ぐらいはメールでも良いが、悪い話や面倒な話は絶対直接会って話すべきである」と、酒巻社長は語る。リーダーたるもの、人と会い、面談を重ねることで仕事人としての人間関係力は鍛えられるという。
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