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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:幸せな人生の終え方」から

2012.1.10  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:幸せな人生の終え方」から

幸せな死とは

コラムの著者四日市大学 新田義孝教授は、最先端のICT、ロボット技術、バーチャル化、脳科学などで支えられた後の「幸せな人生の終え方」について語っている。

映画「おくりびと」ではないが、人間が死に直面することをこれまで忌わしいこととして避けてきた。しかし、新田教授が指摘するように、医学技術が発達し、脳の機能がそのままで、結核やがん、糖尿病などもろもろの病気で死ぬことが減ってきた。一方で、体力の衰退で高齢者介護の長期化もコストとの問題が避けられなくなる。

脳の能力低下も技術的に補えるようになると、新田教授によると大きな問題が発生するという。人間の好ましい死に方とは何かということである。成熟社会で直接的な改善は、ICT、ロボット技術、バーチャル化、脳科学で支えることができるであろうが、幸せな死について国民の皆が経験できるインフラとなると、コストも高く、そのビジョンもないとという。

一休和尚の『門松は冥土の旅の一里塚めでたくもありめでたくもなし』を回顧するhappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「『食べログ』にやらせ投稿、クチコミサイト揺るがす」から

2012.1.6  日経産業新聞の記事「『食べログ』にやらせ投稿、クチコミサイト揺るがす」から

利用者主導が仇に

コラムの著者 砂山絵理子氏は、このほど問題になった「食べログ」でのやらせ投稿について、店舗側に立たず、消費者側でサイト運営で信頼を勝ち取ってきただけに、サイト自身の存在を揺るがす可能性もあるという。

「食べログ」は。価格比較サイトの大手カカクコムが運営するグルメサイトである。飲食店側の情報提供で成り立っている「ぐるなび」とは異なり、利用者が投稿した飲食店の評価(5点満点)や口コミ、写真などで構成するサイトで、3200万人が利用、掲載数300万以上という国際最大級のグルメサイトである。

今回問題となった業者は、消費者からの投稿という信頼性を逆手にとって、飲食店へ訪問や電話を行っ口コミ投稿の「営業」を行っていた。食べログの利用規約にも「金品の授与を目的とした口コミの投稿は禁止」と明文化されているが、どの口コミが業者によるものかどうかを特定することは困難だという。

現在の対策としては同社として投稿やIPアドレスの監視、評価ロジックの改良を行うことだという。同サイトでは、飲食店への過度な批判ややらせ投稿と思われるものは削除してきた。悪質な業者には警告文の送付と法的措置も検討するという。

食べログだけでなく、ソーシャルなコンテンツを利用している、価格比較サイトのコネコネットやホテル・ジェーピー(何れもベンチャーリパブリックが運営)、質問回答サイトのオウケイウェイヴなども同様の課題を持っているという。利用者主導で信頼を勝ち取ってきただけに、運営企業でさえも操作できない口コミの危うさが露呈した事件である。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:絆ブーム持続、消費どう伸ばす」から

2012.1.6  日経産業新聞の記事「眼光紙背:絆ブーム持続、消費どう伸ばす」から

絆ブームでのマーケティング

コラムの著者は、昨年来続くであろう「絆」ブームについて、マーケティングの視点で課題を提示している。言葉自身に何の問題はない。しかし、東日本大震災以来、この「絆」から連想される言葉がマーケティングに影響を与えるという。

連想されるのは、「平等」、「連帯」、「助け合い」、「清貧」、「我慢」といった言葉だそうだ。コラムの著者の意見に筆者は、後半の「清貧」、「我慢」は少し考えすぎと思うのだが、読者の皆さんはいかがでしょうか?

さて、連想の範囲から、コラムの著者は、消費を促進するというよりは、抑制方向への働きが大きいのではないかと主張している。さらに。「エコ」や「環境保護」などのキーワードをかけ合わせると、「欲しがりません、勝つまでは」といった、贅沢を敵視するスローガンを思い出すという。勝つことの意味さえ分からない現代では、無期限の「我慢」になるのではないか、と危惧している。

実際は日本の人口減少に伴って、震災の有無にかかわらず、量的な消費拡大は望めない。これからは質的な消費拡大を考えなばならない。高付加価値と考えると贅沢となるが、その消費ムードと絆ブームが相反するところをどうするかがこれからのマーケティングの課題と指摘している。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「国際機関や各国で進む幸福度研究:『幸福度』日本でも試案」から

2012.1.1  日経産業新聞の記事「国際機関や各国で進む幸福度研究:『幸福度』日本でも試案」から

幸福度指標がもたらすもの

記事の著者 上月直之氏が語るには、昨年来、ブータンの「国民総幸福量(GNH)」に注目が集まり、国際的にも下表(同記事の内容を掲載)のように拡がってきているという。

国際機関や各国で進む幸福度研究(日経産業新聞の記事より:出所、内閣府の資料)

Table
2011年12月日本では内閣府が幸福度指標の試案を発表している(▶参考)。

働く幸せを具体的に見直して経済の活性化に役立つかを、政府だけでなく企業(経営者、従業員)の目線で考える機会だという。幸福度の指標化は、経済成長だけで十分に幸福感が得られないことから、社会の活力も停滞し、成長力も鈍るといった悪循環を断つヒントにもなろう。

経済と幸福感の両立が先進国では難しい状態であるという。その要因について、米デューク大学ダン・アリエリー教授(行動経済学)が「効率化を求めて仕事の細分化が進み、先進国では、受け持つ仕事の意味を見失う従業員が増えている」と説明する。経営側は収益向上のために、従業員のモチベーションの向上を引き出す能力が重要になっているとも語る。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:売り上げ規定要因」から

2012.1.5   日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:売り上げ規定要因」から

売り上げ向上策、「鮮度」にありーカルビーの事例ー

コラムの著者 中央大学商学部の三浦俊彦教授は、商品の売り上げを決めている一番の要因を考察するために、事例として「鮮度」にこだわったカルビーを取り上げている:

【失敗経験が生んだ『鮮度』戦略】

  • 「かっぱえびせん」等の成功で、ポテトチップスに打って出たカルビー。その時、店頭での品質管理が出来ず、売り上げが伸びなかった。
  • 原因を分析すると、店頭での「鮮度」低下であった。これを防止する対策を打つ。
  • 改善策
    • 商品回転率の向上
    • 賞味期限表示から製造年月日表示に変更
    • 透明袋からアルミ蒸着フィルムの袋に変更
    • 店頭での製造年月日のチェックを行う、主婦中心のゾーンセールス部隊(200人以上で合計約一万二千店を担当)の結成
    • 鮮度情報を店舗ごとに本社で管理。店舗ごとの鮮度管理データベースで、地域別、物流センター別の改善策を出せるようにした。
  • 成果: ポテトチップス市場で7割のシェアを確保。

売り上げ向上だけでは目標でしかない。達成するための戦略が必要であることもこの事例から分かるhappy01