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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:走りきった『なでしこ』」から

2011.7.25  日経産業新聞の記事「「眼光紙背:走りきった『なでしこ』」から

不利な条件下で栄冠を勝ち取った「なでしこジャパン」から学ぶこと

コラムでは、女子ワールドカップを見事に制した「なでしこジャパン」のパスサッカーに現在の日本の企業の課題とをダブらせている。パワーやスピード、身長差のどれもが欧米の選手に劣勢で、不利であった「なでしこ」。その中で、自分たちのできることをひたすら高めた結果だとコラムの著者は言う。自分たちのできることは、「走る」こと。一人のボールの保持時間は単純計算で4分。残りの90分ー4分=86分を、残りの10人が走り回らないと、パスサッカーは完成しないのだという。

与えられた条件は不利だ。しかし、それを嘆くのではなく、受け入れ、最善を尽くす方法を自ら見出した彼女らの強さはそこにある。

コラムの著者は多少厳しい目線で、日本戦後の企業も考えれば、「ないないづくし」の不利な条件のもとで、世界に誇れる技術や組織で難局を乗り切った。現在の不況や政府の無策を嘆くなら、「自分たちの出来ること」を本当に行っているかを自問しなければなるまい。なでしこの教訓はそう教えている。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:暮らしに役立つクラウド」から

2011.7.22   日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:暮らしに役立つクラウド」から

被災地図や健康管理にクラウドが普及を促進

コラムの著者である東北大学大学院環境科学研究科客員教授 大橋照枝氏によると、被災地図や健康管理に、地震に強いクラウド・コンピューティングが使われ普及し始めているという。

クラウド・コンピューティングは、IT環境をネット企業や情報システム会社に委託して、使った分だけ代金を支払うもので、ネット企業や情報システム会社は、各地に分散されたコンピュータシステムを一元管理してIT環境を提供する。一元管理の対象は、データセンターで。国内外に分散して置く事が出来き、震災なども安全に機能するように電源の確保や地震対策などを施している。

大橋氏が紹介するのは、地理情報システム(GIS)の専門会社が、デジタル地図上に余震や震源地、ユーチューブの関連動画、ツイッターに投稿された情報などを整理してまとめ、無償公開したところ、アクセスが急増。サーバーの処理能力を越える事態となったとき、国内のクラウドサービスを提供する情報システム会社が、これを引き継ぎ、稼働を続けたことだという。また、社内の産業医が開発したダイエット/保健指導をクラウドコンピューティングで提供していた。社内のみならず、社外にもニーズがあるとして、保健指導をおこなっているという。

これまで、多くの企業内にあったサービスをクラウドコンピューティングが開放し、更に大きなニーズを取り込むことや、事業継続のための対策として、クラウドが注目されてきている。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:岩手に学ぶ広告モデル」から

2011.7.21   日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:岩手に学ぶ広告モデル」から

『岩手モデル』が被災地を救い、日本を元気にする

コラムの著者 中央大学商学部の三浦俊彦教授は、岩手県内の広告会社と媒体企業が連携して立ち上げた「岩手県内メディア連携東日本大震災復興支援プロジェクト」(▶参考)での「岩手モデル」の広告戦略に注目している。

ACジャパン一色だった震災後のメディアでの広告。そんな中、プロジェクトでは、被災地支援と日本復興を「みんなの力を。みんなに力を。」を統一メッセージとしてロゴマークを作成。広告主がロゴマークを付けテレビCMや新聞広告を出稿すると、出稿金額に応じて、一部を広告会社と広告主がそれぞれ義援金として拠出するというものだ。県内の中小企業の自粛ムードを取り払い、地元の消費者にも商品やサービスの情報を発信するという、2つの期待が持てる活動だ。

すでに、2011年6月29日現在、135企業・団体にこの活動は賛同されている。

震災後、販促活動や広告に対して自粛ムードであった企業も「岩手モデル」は1つのヒントになるだろう。tv


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「会議を変える勘所⑮:アイデアまとめたい」より

2011.7.21  日経産業新聞の記事「会議を変える勘所⑮:アイデアまとめたい」から

アイデアのまとめは、直観による統合後、要約

  コラムの著者 博報堂ブランドデザイン 竹内慶氏が、アイデアのまとめ方をKJ法の真髄を説明して示唆をしている。同氏のポイントを示そう。

【アイデアをまとめる行為】→順序が大切

  1. 統合: 幾つかのアイデアを拡げて、「何となく関係があるのではないか」という直感でひとまとめにする
  2. 要約: 必ず統合後に行わないと、既成概念で先に進めなくなる。ここでは、なぜ統合したのかといった分析を行って、気付きを誘発する。
  3. 意思決定: 最終的に何らかの決定をするが、多様なメンバーで同意をとるのは困難。今回は何のためのアイデア会議であったかを全員で共有した上で、「同意」ではなく、「合意」出来るかを検討する。

【意思決定のツール】

竹内氏がお勧めな意思決定のツールは、「ペイオフマトリックス」だ。4象限の図で、横軸に実現性、縦軸に効果をとり、まとめたアイデアの評価を行うもので、これを使って合意を形成するというもの。

まとめの行為は、行っておかないと、アイデアは胡散霧消となるので要注意!


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「『社会的責任』世界の視点②:日本で根強い狭い解釈」から

2011.7.19   日経産業新聞集の記事「『社会的責任』世界の視点②:日本で根強い狭い解釈」から

CSRは企業活動と本来は一体

コラムの著者 損害保険ジャパン理事CSR統括部長 関正雄氏が指摘するのは、日本の企業のCSRに対する誤解が多いことだ。

【日本と欧州のSCRの定義の違い】

  • 日本での多い誤解: 利益を生む本業とは切り離された社会貢献
  • 代表的な欧州の定義: 事業のプロセス等の中に、社会や環境への配慮を組み込むこと

このちがいは、日本の誤解が狭い社会貢献活動とSCRを同一視することにある。欧州委員会のCSRに関する通達(2002年)は、事業活動に関わるステークホルダーとの交流の中で、自主的に社会や環境の配慮を組み込むことで、本業に組み込まれていることになっている。事業活動に追加するのではなく、やり方自体を変えていくのがSCRというわけだ。

【古くて新しい社会的責任(CSR)】

日本の企業がSCRに決して無関心というわけではない。問題は、環境や人権への配慮を欠いた事業活動での利益を免罪符のように社会福祉に寄付するというのは、関氏によるとNGだそうだ。社会貢献の面だけを強調するのではなく、あらゆる企業活動に、社会、環境や人権への配慮がなされていて一体化しているのが本来のCSRであるという。

日本の企業の誤解を解かないと、その努力が報われないことなりかねない。