【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:延期型マーケティング」から
2011/06/15
2011.6.9 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:延期型マーケティング」から
投機(見込み生産)から延期(受注生産)のバランスをみる延期型マーケティング
コラムの著者 中央大学商学部の三浦俊彦教授が語る、投機と延期の関係は、供給と需要が一種の静的な生産と動的な購入モチベーションの変化のせめぎ合いと受け取れる関係に似ている。見込み生産の前提には、計画生産の前提である供給量が一定であることがあり、変化を望まない。変化が多いと無駄、無理、ムラを生みコストがかかり、最悪、不良在庫を抱えることになる。一方で顧客のニーズは刻々と変化し、流行に左右され、経済環境にも影響を受ける。ニーズは動的であり、シーズは静的であれば、そこのバランス調整が取れないと、事業はうまいかない。
三浦教授が仰る、延期型マーケティングは、製品の製造プロセスに投機(見込み生産)でありながら、延期(受注生産)を組み込むことを事例として上げている。ベネトンは、投機として、生成りのセーターを対象生産してからコストを下げ、延期の目線でニーズに応えて好みの色を後染めで製品化する。ハンバーガーチェーンの事例でも主力商品のハンバーガーは、その場で焼き上げる「延期」、しかし付け合わせのポテトやアップルパイは既成でコストを下げ「投機」とする。
生活者のニーズの変化に追従するにはこのような延期型マーケティングも有用だ。