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2010年12 月

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「100年見通す力、経営に必要」から

2010.12.2の日経産業新聞の「100年見通す力、経営に必要」より

老舗の極意は「本業を磨き、時代とともに柔軟であれ」!

コラムでは、100年先を見据えた経営を目指す社団法人「Spirit of SHINISE協会」が策定した「老舗精神のすすめ」を紹介。福澤諭吉のひ孫にあたる福澤武会長(三菱地所相談役)のインタビュー記事だ。

いかがそのススメである:

Shinise
帝国データバンクによると、創業百年以上の老舗企業は全国で2万2219社(2010年8月現在)にのぼり、欧州全体とほぼ同じ規模。老舗企業の研究に詳しい帝国データバンク史料館によると、「時代のニーズによって変えていく姿勢が長寿の秘訣」という。またその原動力は、「社員が基本的な経営指針や共通認識を持っている社是、社訓は大きな知恵になっている」という。

企業によってはDNAともいう、この本業を守りながら新しいことに挑戦していくことが、今の企業に求められている。

ちなみに最も多い社是が、近江商人の「三方よし」(売り手よし、買い手よし、世間よし)だそうだ。IT社会でも永続性をもつなら、100年後のITをにらむことだ。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「三浦俊彦の目:自己超越の欲求」から

2010.12.2の日経産業新聞の「三浦俊彦の目:自己超越の欲求」より

生活者はマズローの第6の欲求へ

コラムの著者 三浦俊彦氏(中央大学商学部教授)によると、最近の消費者行動に、「自分だけでなく社会全体が幸せであるかどうか」という意識をもつものが多いという。

米国心理学者A.マズローによる欲求の5段階説:

  1. 生理的欲求(physiological need)
  2. 安全の欲求(safety need)
  3. 所属と愛の欲求(social need/love and belonging)
  4. 承認の欲求(esteem)
  5. 自己実現の欲求(self actualization)

に晩年、第6の要求として、「自己超越」(self-transcendence)の段階があるという。Wikipediaによると、

自己超越者(transcenders)の特徴は

  1. 「在ること」(Being)の世界について、よく知っている
  2. 「在ること」(Being)のレベルにおいて生きている
  3. 統合された意識を持つ
  4. 落ち着いていて、瞑想的な認知をする
  5. 深い洞察を得た経験が、今までにある
  6. 他者の不幸に罪悪感を抱く
  7. 創造的である
  8. 謙虚である
  9. 聡明である
  10. 多視点的な思考ができる
  11. 外見は普通である(very normal on the outside)

であるという。三浦氏は、これに日本の戦後を当てはめてみた。復興期は、第1~第3の欲求が中心。高度経済成長期は、周囲から評価されたい人(第4)、さらに時代が進むと、他人にどう思われようと自分自身を大事にする人(第5)が増加。今は、第6の自己超越の時代に入ったようだという。

欧米企業も事例にあるように、「ボルディック」がアフリカの井戸掘りを支援し、フェアトレードのファッション「ピープル・ツリー」に好感を持つ人が増えている。日本でも映画「おくりびと」の脚本も書いた小山薫堂氏が、新たな仕事を始める条件が、

①自分にとって面白いか

②誰かがやっていないか

③誰かを幸せにするか

であるという。 心に響くサービスや製品を開発したければ、企業は自己超越の欲求を如何に満たすかを考える時期に来たという。

日本の戦後で生活者がどう変わるかと俯瞰したが、世界の生活者は各地でどんな欲求を満たそうとしているかも重要だ。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「デジタル文具で高める仕事力③」より

2010.12.1の日経産業新聞の「デジタル文具で高める仕事力③」より

メモと電子文具、利用シーンで選択がお勧め

コラムの著者の高畑正幸氏 (▶ 参考)のかばんは、メモ帳、ノートPC、iPhone、iPadを含んで約5キロ。仕事力は上がるが肩こりは?と思うほどの重量。使い分けを考えると、以下の表のようになるという。

Note_pc_iphone_iPad
つまり、利用シーンに合わせて最適な電子文具や紙を利用する。移動中なら、iPhone等のスマートフォン、思考を素早く書きとめるならノートやメモ帳、テーブルを囲んでプレゼンを行うなら、iPadのようなタブレット端末という考え方だ。

ノートPCは、スマートフォンやタブレット端末の母艦(制作環境をPCに作り、データを作っ同期する際の大本)となることから、文章や図面作製には必須だ。

多くの電子文具があるが、用途を考えないと、全く使えず、使い続けられない。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「データ分析達人めざす4」から

2010.11.30の日経産業新聞の「データ分析達人めざす4」より

類似統計の特徴を知って総合的に判断

コラムでは、個人消費が、総務省の「家計調査」と「家計消費状態調査」、さらに、売る側の「小売業販売額」、「新車新規登録・届出台数」、「旅行業者取扱金額」など、似たような統計で表現されるときの留意すべき点を説明している。

国内総生産の6割を占める個人消費は、経済活動に重要なファクターだ。景気の動向を読むといったことも個人消費を抜きには語れない。しかし、上記のように個人消費は、調査対象、項目、発表時期、地域や統計の方法などで類似の統計として出てくる。これらをうまく活用するには、統計の一長一短を知って、総合的に判断することが重要だと説く。

つまり、多くの統計資料の評価指標が複数存在することを理解して、その特徴から、分析を行うことを薦めている。

国内総生産の対象にネット活動でのバーチャルマネー、購買活動が含まれていないことが問題になるが、情報がないといってあきらめず、多面的に、例えば、ネット通販であれば、通販業界団体の統計資料などを参考にすることも必要だろう。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「眼光紙背:『冒険心』持ち攻めの経営を」から

2010.11.29の日経産業新聞の「眼光紙背:『冒険心』持ち攻めの経営を」より

新会社法の施行後4年半、攻守交代の時期か?

企業活動の多様性を柔軟に認めた新会社法の施行から4年半が経過した。経済環境の変遷で、新会社法の意義はどうか、というのがコラムのねらいだ。

会社法の改正以前は、長期安定雇用、マニュアルの柔軟活用での現場での創意工夫、下請け会社の弾力的関係といった強みを生かせた時代であった。一方で、財務基盤の悪化、財務の健全性のなさ、コンプライアンスの軽視により、一気に企業経営が混迷したのも事実である。

しかし、多くの企業は、戦略の転換、制度変更に対応した結果、慎重さが先行し、経費削減による利益拡大を重視。経営自身が、次への売上拡大に手が打てないまま、縮んできている。投資にしてもここ数年低調だ。

次への一歩は冒険心にあるとコラムは言う。守りから攻めへの転換期で、各社の浮沈が決まるというのだ。