【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「三浦俊彦の目:自己超越の欲求」から
2010/12/05
2010.12.2の日経産業新聞の「三浦俊彦の目:自己超越の欲求」より
生活者はマズローの第6の欲求へ
コラムの著者 三浦俊彦氏(中央大学商学部教授)によると、最近の消費者行動に、「自分だけでなく社会全体が幸せであるかどうか」という意識をもつものが多いという。
米国心理学者A.マズローによる欲求の5段階説:
- 生理的欲求(physiological need)
- 安全の欲求(safety need)
- 所属と愛の欲求(social need/love and belonging)
- 承認の欲求(esteem)
- 自己実現の欲求(self actualization)
に晩年、第6の要求として、「自己超越」(self-transcendence)の段階があるという。Wikipediaによると、
自己超越者(transcenders)の特徴は
- 「在ること」(Being)の世界について、よく知っている
- 「在ること」(Being)のレベルにおいて生きている
- 統合された意識を持つ
- 落ち着いていて、瞑想的な認知をする
- 深い洞察を得た経験が、今までにある
- 他者の不幸に罪悪感を抱く
- 創造的である
- 謙虚である
- 聡明である
- 多視点的な思考ができる
- 外見は普通である(very normal on the outside)
であるという。三浦氏は、これに日本の戦後を当てはめてみた。復興期は、第1~第3の欲求が中心。高度経済成長期は、周囲から評価されたい人(第4)、さらに時代が進むと、他人にどう思われようと自分自身を大事にする人(第5)が増加。今は、第6の自己超越の時代に入ったようだという。
欧米企業も事例にあるように、「ボルディック」がアフリカの井戸掘りを支援し、フェアトレードのファッション「ピープル・ツリー」に好感を持つ人が増えている。日本でも映画「おくりびと」の脚本も書いた小山薫堂氏が、新たな仕事を始める条件が、
①自分にとって面白いか
②誰かがやっていないか
③誰かを幸せにするか
であるという。 心に響くサービスや製品を開発したければ、企業は自己超越の欲求を如何に満たすかを考える時期に来たという。
日本の戦後で生活者がどう変わるかと俯瞰したが、世界の生活者は各地でどんな欲求を満たそうとしているかも重要だ。
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