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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「博士が語る実践の経営⑬」より

2010.11.12の日経産業新聞の「博士が語る実践の経営⑬」から

黒塗り社用車と役員交際費の廃止から柔軟な発想の土壌を

コラムでは、著者の藤田氏が、常識や慣習の打破がイノベーションの一歩であると説く:

  • 黒塗りの社用車のメンタルと発想の土壌
    • 会社と地位が偉いことを自分自身が偉いと勘違いする
    • 実際は公共交通を使う方が合理的
    • 経営者が神出鬼没で機敏であれば社員は正直になる。嘘をついてもばれるからだ
  • 役員交際費のメンタルと発想の土壌
    • 組織の透明性(健全性)で問題が多い
    • 自前分を役員報酬に入れ廃止することで、オープンな交際が社内外で可能となった

これらのメンタルでの視点を変えることからイノベーションの土壌が生まれるという:

  • お疲れ様⇒こんにちは、さようなら
  • 運動会は古臭い⇒運動会をやってみよう
  • とりあえずビール⇒とりあえずシャンパン
  • 役員は休まず働く⇒役員こそは長期休暇
  • ロビーは応接室⇒ロビーはオープンカフェ
  • 採用は人事の仕事⇒みなが手分けして採用
  • 単なる分煙⇒非喫煙者に手当
  • 株主総会招集通知は堅いモノ⇒平易な文書

藤田氏があげた事例で、経営者が頷かれたら、もうイノベーションの一歩を踏み出している。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の特集記事「ヒットの経営学:成熟の壁を超える①」から

2010.11.11の日経産業新聞の特集記事「ヒットの経営学:成熟の壁を超える①」から

成熟の壁を超えるには常識を疑い、見せ方を違った視点で

コラムでは、ニーズ欠乏症の日本で、成熟と思われた3つの事例を示している:

(1)ガムをかまない20代の常識を変えた(ロッテの箱入りガム「フィッツ」)

大いなる工夫はパッケージやCMでの音戦略、ばらすとハンガーの陳列ケース。パッケージは、友達にあげやすい包装と柔らか、いかみ心地。「噛むとフニャンフニャン♪」の軽快リズムのCM。五感に訴える戦略だ。ばるすとハンガーは、衝動買い起こさせる陳列ケース。

すべてがターゲットを見据えた、生活に密着したニーズの掘り起こしだ。

(2)厭な家事であるアイロンがけがヒット商品を生む(パナソニックのWヘッド型アイロン「カルル」)

「かけたところがしわになる」声をしっかり受け止めたブレスト。さらに、使い勝手が分かる形状。さらにワイシャツがけの時間が短縮。これまでは蒸気や素材工夫で「しわ」にならないからと、解決法を先回りしたと思ったところに落とし穴があったという。この視点が付加価値を生んだ。

こういった付加価値が差別化を生みヒットとなった。

(3)シャンプーみたいなおしゃれ染めの解決が「泡」(花王の「プリティア」)

届きにくい白髪染めを手軽にシャンプーのようにできたら、の一言から5年の開発研究。放置時間の課題を「泡」で解決。30分消えない「泡」で時短ニーズをしっかりとつかんだ。

これも生活に密着した使い勝手を差別化にした成功事例だ。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「部長のためのMBA講座:グローバル経営⑧」より

2010.11.11の日経産業新聞の「部長のためのMBA講座:グローバル経営⑧」から

日本企業には夢―ブルーオーシャン戦略

コラムでは、日本企業がこれまで海外進出でとってきた、ポジショニング戦略などでは、新興国のボリュームゾーンが狙えないとの懸念を示したものだ。

現状の戦略では、新興企業がシェアを奪ったり、現地の企業が、日本とは異なる圧倒的なコスト優位性で、上位を侵食する懸念があるという。

つまり、

  • 過去の手法・資産に縛られないパラダイムシフトが必要である
  • 付加価値の向上と格段のコストカットの両立を強いられる
  • 大きな市場創出が必要である
  • 具体的な実現方法、プロセスを明確にする

といった視点から、ポジショニング戦略では多くを満たせないというのだ。

新規の顧客を開拓し、新市場を創造する方法論(イノベーション)というブルーオーシャン戦略が日本企業の必要なのは上記の視点の多くを満足するからだ。韓国サムソングループでは、明快なブルーオーシャン戦略を展開して成功している。(▶ 参考サイト

欧米が得意としてきた市場開拓や創造。しかし、アジア圏でも成功事例が出てきている。となれば、文化的地勢学的な相異では説明ができない。

明らかに異なるとすれ経営者の方針や手法が従来型である点かもしれない。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「部長のためのMBA講座:グローバル経営⑦」より

2010.11.10の日経産業新聞の「部長のためのMBA講座:グローバル経営⑦」から

大掴みの文化的特徴を知る

コラムでは、心理学者ホフステッド(▶参考文献)によるIBMの研究で提唱された5つの文化的な軸を紹介している:

Fig さらにキーとなるのは、グローバル戦略で、各国の文化的な理解は重要だが、ステレオタイプで見ることは危険であると警告している。日本でも個人主義、米国でも集団主義の人もいるからだ。

ただ、大掴みで、文化的背景や傾向を知ることは、目に見えない(インタンジブル)な良否を知る上での手掛かりにはなろう。

決めつけは危険だが、実務上そういった理解を行うことは有意義だ。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「部長のためのMBA講座:グローバル経営⑥」より

2010.11.09の日経産業新聞の「部長のためのMBA講座:グローバル経営⑥」から

国際分業の3つの軸

コラムでは、国際的な価値連鎖(バリューチェーン)を考える上で以下の3つの軸が必要と説いている:

1.機能(研究開発・生産・マーケティング・販売など)

2.国(自国と海外)

3.配置(自社内とアウトソース)

これらの軸で自社の位置づけを明確する。さらに、コスト・リーダーシップを取るならば、

(1)賃金と競争力

⇒低賃金国でも何れ賃金が上昇し、競争力を失い、次の国に移動しなければならない

⇒一国の労働単価で考えるのではなく、生産過程で総コストをみる実生産単価で評価する

これはいくら賃金が安くとも、管理費(監督者)が多く必要とか後戻り工数(結局は自国で補修するコスト)などを考慮した実生産性でみようという考え方である

(2)バリューチェーンで何にこだわるか

⇒上記の機能でさらに何に特化するかを考える

最近は、グローバルな価値連鎖をパートナーシップでつなぎ、自社の特化するべき機能を決めることで、ベンチャーでも国際分業の一役を担うことも可能となった。