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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「ナビゲーター:ネット時代、タテ割り無用」より

2010.11.17の日経産業新聞の「ナビゲーター:ネット時代、タテ割り無用」から

IoT: 人を介さないインターネット利用の時代

インターネットの普及に大いに貢献されている慶大の村井純先生がコラムで、IoTを解説。つまり、小型で高性能なセンサーが半導体技術の発達で普及し始めたからだ。

MEMSと呼ばれ、半導体材料のシリコン素材にマイクロマシンを作る技術である。センサーは互いに無線等で結ばれ、制御装置を介してインターネットに接続する。インターネットからリモートで指令を受信すれば、センサーの先の様子を知ることができ、さらに、指令を出して、リモートで環境を変化することもできる。

例えば、温度センサーを室内の植物工場に置き、細かい温度状況をインターネットを介して監視。温度の変動を察知したら、植物工場のエアコンや加湿器をインターネット経由で指令。これによって最適な温度環境をつくるというもの。

もっといえば、この指令の判断をコンピュータで行えば、マシンとマシンが通信して制御する、M2Mができることになる。

村井氏は、ここでM2Mになったからと言って人間との問題がないというわけでないことを警鐘する。M2Mで、制御対象を人間環境とすると、安全やプライバシーなどの課題が浮かび上がってくる。例えば、センサーやカメラで監視した情報は個人情報も含まれ、それを機械的にデータ化した場合、プライバシーの問題が生じる。安全面では制御機器が、暴走するなども起こる可能性もある。

さらに情報機器や通信の課題だけでなく、交通や医療、福祉といった分野にまで波及するという。その際に、監督官庁のタテ割り主義があだとなって、課題解決が遅れれば、我が国は世界から孤立する可能性もあるという。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「デジタル文具で高める仕事力①」より

2010.11.17の日経産業新聞の「デジタル文具で高める仕事力①」から

「自炊」は先ず読んでから

コラムでは、最近流行し始めた、書籍や雑誌などの購入者が自分でスキャンしてデジタル化する行為「自炊」のチップスを紹介している。(⇒著作権法から個人で利用するための行為である点に注意)

「自炊」のメリットとして、

  • 保管スペースが極端に小さくなる(スキャーナーと裁断機、HDDの床面積は必要happy01
    • 容量数百バイトのHDDなら本棚数台分のスキャナーデータを読み込める
  • データをiPadやノートパソコンにいれて持ち運べる
    • クラウドサービスなどを使うと、無線などでどこでも利用できる
  • 膨大な情報から、必要な部分を検索できる

があげられるという。

電子書籍なら最初からデータになっており、裁断やスキャンの必要はない。まだまだ、紙の方が読むスピードが速い。

しかし、「自炊」は、読後に 目的の部分を利用するメリットがある。再読の可能性のあるものを小スペースで保管し、どこでも閲覧する方法と割り切ることを薦めている。つまり、「最初は紙で読み、必要な部分をスキャン」が現時点では有効だという。

また、裁断機とスキャナーは思い切って同時に購入する方が、習慣化しやすいという。雑誌や書籍に占領されているスペースが空くだけでも自炊の意味はある。

筆者の高畑正幸氏も本を解体してスキャンして処分するには抵抗があるという人の心情も理解しているという。ここは、増え続ける書籍や雑誌のことを思えば、思い切って処分することを薦める。残すことで読む機会を失うことも問題だからだ。

さて、あなたも「自炊」をしてみるか?

 


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「眼光紙背:電機産業も日本パッシング?」より

2010.11.16の日経産業新聞の「眼光紙背:電機産業も日本パッシング?」から

技術優位性がなくなる時

コラムでは、来日するデジタル家電の研究開発担当者が減少していることを引き合いに出し、日本の優位性が崩れてきていることを示している。

これまでと現状を比較してみよう;

  • 高機能部品は日本の独壇場⇒表示技術や電池などによる差別化が商品視点からみると、ハード志向からソフト志向に変わってきた: 事例:TVはアップルTVやグーグルTVといったソフトやネットワーク技術に移行
  • 新興国では研究開発できない⇒成長分野のデジタル家電でも新興国の人財が増え、能力的にも人数面でも研究開発を担えるようになっている: もはや、日本に来る必要はない

ここまできて、景気一服と思いきや、既に内部的な崩壊を迎えているのではないだろうか?


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「データ分析達人めざす3」から

2010.11.16の日経産業新聞の「データ分析達人めざす3」から

効率的な資料の読み方:概要からドリルダウン

コラムでは、対象とするデータを片っ端から見るのではなく、そのデータを含む全体像の把握から始めることを薦めている。

つまり、経済活動であれば、支出(需要)⇒生産(供給)⇒収入(所得)というフローをつかんで、①個人の生計「家計」②資本と労働によって財やサービスを提供する「企業」③公共財やサービスを提供する「政府」④国外との取引「海外」に対象を分類すれば、3×4の12の構成要素を対象にすればよい。データが、これらのどの分野に影響を与えるかという仮説を立てれば、効率的に読み解ける。

企業の経済指標も①収益性、②効率性、③生産性、④安全性、⑤成長性に整理できる。財務データも5つの要素と対象とするデータの関連を見ていけば効率的というわけだ。

全体感を得るためのヒントとして、「要約」やabstract、結果概要などを先に読み、対象データとの関連を把握すればよいということになる。さらに調査や関連を見るには個々の資料をドリルダウン(深堀り)すればよい。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「ヒットの経営学、成熟の壁を越える②」から

2010.11.16の日経産業新聞の「ヒットの経営学、成熟の壁を越える②」から

女性の視点がヒットを生み、雇用を生みだす

コラムでは、ヘルスメーターなどで著名なタニタの紹介記事から始まる。同社は、2つの大記録を作ったという。

(1)3Dセンサー搭載歩数計(4年前に発売。8月に累計100万部達成)

背景に、女性の利用を考えたデザインや色、大きさ。さらに、女性の前向きな意欲を引き出せる商品として位置づけた。

(2)タニタ著の料理書『体脂肪計タニタの社員食堂』(9月に100万部を達成)

低カロリーで無理なくダイエットできる女性の気持ちをくすぐった。さらに前向きな意欲を読み込む信頼として健康な社員のために出されている食事と言う視点だ。

コラムでは、もみダマを内蔵したクッションなど生活雑貨を紹介する。何れも女性をターゲットにしたメガヒットである。その要因は、「簡単・便利・お得」を主張し、女性の「しっかりした発言を行い、好奇心旺盛で、明るいエネルギーをだしながら、変わることを恐れない」ことをくすぐった結果だ。

さらに、リーマンショック後、製造業の比重が低下して男性雇用はさほど増えていない。一方で、サービス化で女性の就業率はあがってくるという。

世界の需要視点が最も厳しい日本の消費者、とくに女性の視点は、不況時の商機を生む可能性がある。さらに、サービス化は女性の可処分所得を結果的に伸ばす。売り手も買い手も女性の時代というわけだ。