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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:岸田首相の大盤振る舞いの影で」から

2023.6.26 日経産業新聞の記事「眼光紙背:岸田首相の大盤振る舞いの影で」から

デモンストレーションの後で

5月の主要7カ国首脳会議(G7広島サミット)の開幕前日、岸田文雄首相が首相官邸に世界有数の半導体企業を招き、政府が支援をしているというアピールとデモンストレーションを行なったという。コラムの著者は約1か月後の米マイクロン・テクノロジーのレイオフが本国では日常茶飯事であるが、補助金の原資である税が使われていることに納税者として納得いかないと述べている。

○日本政府の半導体産業支援のデモンストレーションとは裏腹に

コラムの著者によれば、首相官邸に招待されたのは米インテル、台湾積体電路製造(TSMC)、韓国サムスン電子などの首脳で、日本政府がTSMC熊本工場へ4760億円の補助金を出すといった巨額の半導体支援を行なっていることをアピールするデモンストレーションであった。

さらに首相のお膝元である広島県東広島市に工場を構える米マイクロン・テクノロジーで、官邸訪問にあわせて、同社のCEO、サンジェイ・メロートラ氏も今後数年間で広島工場に最大5000億円を投資すると発表した。デモンストレーションの演出効果は最高潮であったという。

問題は約1か月後に起こった。関係者によれば、マイクロンは5月に工場従業員の約3700人の10〜15%相当の数百人規模の人員削減を実施。地元のハローワークあが5月末に同市内で開催した失業者対象の相談会には100人以上が訪れ再就職への不安を示したという。

同社広島工場は昨年発表した設備増強で465億円の補助金を要求しており、さらにサミットで公表した5000億円の投資に対しては2000億円の補助金を求めているという。業績に応じたレイオフが日常茶飯事である米企業には罪悪感はないだろうが、日本の納税者は補助金の原資が税であることから納得はできるだろうか。💴📈📉🔍✏️📖💡💡👦👧🧑‍🦯👩‍🦯⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡happy01🌏💡🔎🇯🇵🇺🇸


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:理系は金持ちになれ」から

2023.6.27  日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:理系は金持ちになれ」から

理系人材が豊かになればキャリアの自由を上げられ結果として国家が豊かになる

 技術立国であった日本が今や人材の育成を必要としているが、政府や文部科学省は約20年から「国を強くする」視点で取り込んできた。しかし、コラムの著者 校條 浩氏(米NSVウルフ・キャピタル マネージングパートナー)は、「個々の人材の豊かなキャリアや人生」という視点が薄いために理系人材が縁の下の力持ちに終始し、育たないのではないかと示唆している。

◯シリコンバレーの理系人材の意識は極めて自由で、高報酬やストックオプションで報われてきた

 校條氏によれば、デジタルや脱炭素など、成長分野は理系人材が担う必要があり、各国も多くの投資を進めている。政府や文部科学省は危機感を感じ、20年ほど前から高校の理科教育を強化するためにのスーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校制度を開始し、現在200校以上が指定されている。

だが、この取り組みに校條氏は気になるところがあるという。その視点が「国を強くする」という大2時世界大戦下の「お国のため」の特別科学学級の発想と変わらないという。企業内も「会社のため」での研究開発で、地味な縁の下の力持ちが良しとされてきた。

一方、米シリコンバレーではスタートアップにいる理系人材の意識は極めて自由で、自分の興味を中心に据え、それに向かって夢中で仕事をする。自説の通りに進まない場合や経営の方針が折り合わない時は、あっさりと会社を変わる。その多くはスタートアップなので人材の流動生が高いため、転職も容易である。企業も優秀な人材を繋ぎ止めたいので、高い報酬を提供したり、ストックオプションを付与する。このようにシリコンバレーには億万長者となった若い人材が多い。億万長者となった若者は、自由度をさらに上げて、自分の会社を創業したり、他のスタートアップのエンジェル投資家になったり、VCに参加する。このような余裕のある成功者が、シリコンバレーのエコシステムを形成、それが米国の国力を上げることに貢献している。

理系人材が経済的にも豊かになり、自分自身のキャリアの自由度を高めることが、結果として国の豊かさに結びつくのではないかと、校條氏は提言している。💵📶📈💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇺🇸🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:マイナンバーカードを『みずほ銀行』にするな」から

2023.6.23  日経産業新聞の記事「眼光紙背:マイナンバーカードを『みずほ銀行』にするな」から

根本のシステム仕様のそのままにしてトラブルが防げるのか

マイナンバーカードを巡るトラブルが相次いで表面化している。トラブルの要因は連携する情報の入力ミスが多く、人為的ミスと言われている。コラムの著者は、安全工学的には人為的ミスはそのそもシステム設計の不備から起こるとされている。背景にシステム設計の不十分な検討でトラブルの要因を作ったのではないかとコラムの著者は疑問視している。

○みずほ銀行ではシステム統合に約20年もかかった

トラブルは多岐にわたるようだが、

  • コンビニエンスストアで他人の住民票などが誤発行
  • マイナンバーカード保険証に他人の情報を誤って記録
  • 個人向けサイト「マイナポータル」で他人の年金記録を閲覧できる

といった、人為的な入力ミスや異なったシステム間の紐付けなど情報連携がうまくいっていない。人手による入力ミスが「仕方がない」といった向きもあるだろうが、安全工学的にはシステム設計の不備から起こっているともいえる。マイナンバーカードと住民登録や保険証などを連携させる仕組み自体にミスを誘発する問題があると考えられる。

これまでの経緯で、住民登録や保険証などのシステムは、マイナンバーカードのシステムとは別システムであるため、情報連携が難しいことはわかる。しかし、マイナンバーカードのシステム化で住民登録などとの連携を進める際のシステム仕様の検討は十分に行われたのか、トラブル続きで疑いたくなる。

コラムの著者によれば、みずほ銀行はシステム統合に約20年もかかったことから同じ轍を踏むのではないかと危惧している。急がば回れで、一旦マイナンバーカードを白紙に戻して、根本の仕様設計から見直すことを勧めている。💴📈📉🔍✏️📖💡💡👦👧🧑‍🦯👩‍🦯⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡happy01🌏💡🔎🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「関沢英彦の目:人口減少下の労働力、70代も働く×ロボットで解決」から 

2023.6.23  日経産業新聞の記事「関沢英彦の目:人口減少下の労働力、70代も働く×ロボットで解決」から

「ヒトの労働力」の質を高め「テックの労働力」との協働システムの構築を急ごう

 コラムの著者 関沢 英彦氏(発想コンサルタント)によれば、国立社会保障・人口問題研究所が4月に発表した「将来推計人口」によれば2070年の総人口は8700万人で15歳から64歳の生産年齢は2020年の7509万人から4割減の4335万人になり、経済を支える労働力の減少は深刻な事態である。関沢氏はこれに対して2つの労働力を考えることで解決できるのではないかと提言している。

◯生産年齢の延長とAIやロボットの積極的な導入がキー

 関沢氏によれば、労働力の減少への対策として、「ヒトの労働力」の質の向上があるという。例えば、先の統計で生産年齢人口を2070年の74歳まで延長できれば、5722万人となって、2020年時の76.2%の確保が可能だという。さらに79歳まで延長すれば83.5%となる。健康寿命の伸びを勘案するとそれほどこれらの延長は不自然ではないのではないかという。また、外国人労働者も今よりも増えるだろう。

こうした「ヒトの労働力」に加え、半世紀先を予測すると、「テックの労働力」も期待できるという。つまり、AIやロボットなどの「テックの労働力」は3つの累計で提供されるのではないかという:

  • ユビキタス(偏在)型:農業・製造工場・サービス・家庭などのあらゆる現場に備えられたAI・ロボットで、労働生産性を高めるもの。
  • パートナー(伴走)型:個々人に寄り添って支えるもの。今のスマホに代わって人型に代表されるロボットを相棒とする生活がある。
  • ピラミッド(集権)型:中核となるAIに、個々のAI・ロボット・IoTを接続して集権的に制御するというもの。AIの暴走を防ぎながら、人間は創造的な分野にうちこむ。

また、これらのAi・ロボットを使いこなす応用力を道具と考え、誰もが訓練で獲得するという。リスキリングで柔軟な労働移動を促進しながら、生活を社会保障で下支えする「フレキシキュリティー」政策が求められるという。

すでに少子化は不可逆と見て、2つの労働力を使った協働システムの構築を急がねばならないと関沢氏は提言している。🤖💭💬📖🖋🏫🎩📕👩✋⛑🕠💪🏃‍♀️📺📶💺💻🏠👧👩😷🦠❤️🌍happy01🌎🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:労働組合もモードチェンジを」から

2023.6.21  日経産業新聞の記事「眼光紙背:労働組合もモードチェンジを」から

賃上げの頑張りは労組よりも経営側の積極姿勢ではなかったか

連合が6月1日に今春の労使交渉を総括する中間まとめを公表した。約30年ぶりの賃上げ水準について「未来につながる転換点となり得るもの」と評価したという。賃上げを企業の社会的責務と宣言した経団連の方が流れを作り、労使交渉前にすでに経営側から大幅な賃上げを表明したところもあった。コラムの著者は、これでは労働組合の存在感が経営側よりも薄いのではないかと指摘している。

○来春こそ労組の真価が問われる

コラムの著者によれば、前述の中間まとめでの控えめな表現は、賃上げの継続が何より重要であり、その入り口に立ったに過ぎないからだと連合は説明している。妥結結果には満足しているが、達成感は十分とは言えないというのが労働組合の幹部の胸中だという。

今回の賃上げは、物価高と深刻な人手不足が背景にあり、さらに経営側の「企業の社会的責務」という流れが大きく影響している。言い換えれば、労働組合の影がそこには見えてこない。

物価高でけで賃金要求をすると、物価が安定した時には条件交渉が難しいとの声もある。長期のデフレと賃金の停滞に慣れ、従来の思考から抜け出せないのは経営側よりも労組側の方だろう。まさにその存在意義と真価が来春に試されるのは必至であろう。労組幹部のモードチェンジを必要とし、人材の流動化やAIへの対応といった新たな労働課題についても取り組まねばならない。💴📈📉🔍✏️📖💡💡👦👧🧑‍🦯👩‍🦯⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡happy01🌏💡🔎🇯🇵