Previous month:
2021年5 月
Next month:
2021年7 月

2021年6 月

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:エムスリーの評価サービス、医療従事者の意見反映」から

2021.6.11  日経産業新聞の記事「西川英彦の目:エムスリーの評価サービス、医療従事者の意見反映」から

医者の選択による信頼性を利用

 コラムの著者 西川 英彦氏(法政大学経営学部教授)は、インターネットの巧みな多重利用で新たな顧客への価値を創出する事例をエムスリーが提供する「Ask Doctors評価サービス」で示している。

◯病院での待ち時間向けのサービスも組み合わせて

 西川教授によれば、同社のサービスは、医療ニュースや製薬情報、医師求人情報などを発信する医療従事者向けの会員サイトであるという。このサイトで100以上の医師が商品やサービスの評価を行い、一定以上の推奨が得られたら、認証マークを、商品や店頭販促(POP)、サイト、広告などに表示して販売促進に利用できる。

対象は、健康志向の食品や飲料を中心に、日用品、雑貨、保険など累計60商品を超えているという。利用した87%の企業が昨年同月比に比べ売上高が向上したという。80%の企業が流通や小売店向けの営業ツールとして、有効と回答している。

更に他のサービスと組み合わせることで販促効果を向上させることもできる。例えば、同社は診断予約アプリを提供しており、さらに700程の病院の待合室にあるディスプレーに広告を配信できる仕組みを持っている。認証マークのついた商品の動画広告を配信したところ、サイトでの動画広告より商品の機能の理解度や購入意向が非常に高くなったという。これはネットワークを新たな顧客に向けて活用し、価値を生むことに成功した事例である。🩺💊🏥📷💻🍺🦠🎓🏢📈🔎⚡️🌍happy01📶👦👧💡🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:炭素税、世界共通で導入を」から

2021.6.3  日経産業新聞の記事「眼光紙背:炭素税、世界共通で導入を」から

カーボンプライシング(CP)の導入

コラムの著者よれば、4月の気候変動サミットで米国、EU、イギリス、日本が2050年に向けた温暖化ガス削減目標を表明したが、最大の焦点がCPについての論議であったという。

○国境炭素税が有力

 コラムの著者よれば、CPにはEU全体で導入する排出権取引と炭素税があるという。いずれの方法でも、CO2を排出したら排出権を買ったり、税金を支払うといったものである。嫌なら省エネルギーや再生可能エネルギーの導入が求められるという。

日本が大胆な産業構造の転換を図り、徹底した省エネルギー・脱化石燃料を進めた場合、2050年までにCO21トンあたり1万2千円程度、そうでない場合は2万円の炭素税が必要となると言う試算があるという(日本経済研究センターの試算)。

炭素税は得失として、省エネルギー型産業への転換を促すという長所があるが、国内だけに課税するとエネルギー多消費型産業が海外に流失するという短所がある。ただ、この防止策の1つとして、EUでは2023年から国境炭素税から導入するという。

国境炭素税では、

  • CPを導入していない国からの輸入品に対して課税し、そうした国々への輸出は炭素税を還付する。
  • 国境炭素税は国内の炭素税率分しか輸入品にしか課税できないので、一方的な関税引き上げとはならない。
  • 世界共通で国境炭素税が導入できればエネルギー多消費型産業はエネルギー効率の良い国に集まり、比較優位による世界的産業構造の転換にもなると予想される。

といった特徴がある。国境炭素税は経済へのインパクトが小さく効率的な手段ともいえるのではないか。🏭💴🚗🚢😷🦠🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🗒📕happy01🌏🇯🇵🇺🇸🇬🇧🇩🇪🇫🇷🇳🇱


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「トレンド語り:タクシーサイネージ、粗利確保に一工夫」から 

2021.6.9 日経産業新聞の記事「トレンド語り:タクシーサイネージ、粗利確保に一工夫」から

意外に参入障壁は高いが規模には限りがあるビジネス

 コラムの著者 面川 真喜子氏(マーケットプランナー)は、東京都内を走るタクシーの後部座席雨にタブレットを取り付け多くの情報を流すタクシーサイネージのビジネスについて考察している。

◯モビリティメディアのニッチ・マーケットへの展開

 面川氏によれば、タクシーの乗車時間は平均18分、料金は2000円程度が多いと言う。そこで18分を1つのパッケージとして、広告とコンテンツで構成しているのがグロースを展開するニューステクノロジーで、月間820万人以上の経営者や幹部クラスに情報を届けている。

東京都内では、タクシー利用を月に11回以上利用する人が30%もいることから、15秒間で起業家がプレゼンするような「エレベータ・ピッチ」やグルメランキングなど、毎週コンテンツを入れ替えているという。

ただ、タクシーサイネージは潜入障壁は高く競争は少ない。初期投資が少ないが、売り上げ規模自体が限られているために乗車時間の広告収益だけでは成り立たない。コンテンツとタイアップした企画など粗利を大きく撮る経営を仕掛けているという。これからも、ニッチ・ターゲットのメディア化がこのようなモビリティメディアでおこる可能性もある。🚕🏢🍽🌾🥬🥕🍞🐱📶📺🦠😷🍲🍵🏢📶📺🏢💡⚡️🌏happy01📂🌍🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「SmartTimes:スケジュールに縛られない」から

2021.6.7  日経産業新聞の記事「SmartTimes:スケジュールに縛られない」から

時間の大切さを理解しながらタイミングを優先

 コラムの谷間 真氏(セントリス・コーポレートアドバイザリー代表取締役)は、ビジネスパーソンや経営陣にとってはスケジュール管理は有効ではあるが、高度で難しいプロジェクトではスカジュール管理が足枷になることもあるという。

○予測困難なプロジェクトには不向きなスケジュール管理

 谷間氏のIPO支援などの経験にによれば、プロジェクトの要素として時間を使う作業があるので、整理した上で可視化したスケジュールは重要であるが、スケジュールに縛られることとは異なると言う。

確かに多くのビジネスパーソンは新人教育からスケジュールを重視し、思考習慣となっている。売り上げ目標も年次、月次という時間単位で設定され、営業マンはその目標を達成するために日々努力している。だが、高度で難度の高いプロジェクトでは、タイミングがスケジュールよりも重要で、スケジュールに縛られると時として成功を逃すことがあるという。

IPOの案件でも一般的にスケジュールを重視する傾向にある。しかし、谷間氏によれば、主幹事証券会社に上場時期が設定され、プロジェクトが始まるが、驚くことにスケジュール通りにIPOが成功したという経験はないと言う。IPOの成功率を上げるのは主幹事証券会社の審査に入るタイミングであり、当初のスケジュールではない。それまでは会計監査に対応しながら、IPOの準備作業を粛々と行い、事業進捗や外部環境からIPOのタイミングを探る。

さらに新規事業の場合も難易度が高くスケジュール管理が有効ではない事例だと谷間氏は語っている。新規事業開発ではスモールスタートの中で試行錯誤を繰り返しながら、社会にプロジェクトが浸透することで気が熟し、さらに追い風が吹くタイミングを待たなければロスが大きくなる傾向がある。成功への執着心は持たねばならないが、スケジュールへの執着は無意味になる。📶🩺📈😷💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「SmartTimes:現代の『黒船』テスラ」から

2021.6.4  日経産業新聞の記事「SmartTimes:現代の『黒船』テスラ」から

今普及している日本車はガラパゴスカーとなるのか

 コラムの榊原 健太郎氏(サムライインキュベート代表取締役)は、気になっていたテスラ・モーターズの電気自動車に試乗したことから感じたことを述べている。

○充電時間の長さは欠点だが性能はガソリン車以上

 榊原氏によれば、まず驚いたのが、ショールームがと従来の店舗のような駐車場はないことであったという。さらに、案内・試乗同行・見積もりなどの対応は大学生のインターンで、カタログはなく、車の紹介や案内などは全てPCで行うもの。試乗以外の予約から購入まではほぼオンラインで完結するという。徹底した効率化とコスト削減である。

運転して、テスラ車はまさに車版スマートフォン。ソフトウェアをアップデートすると車もアップデートされる仕様で、常に先進的な技術が搭載できる仕組みで、自動運転機能も後から追加できる。完全自動運転化に向けて日本の法制度の整備待ちである。

デザインはシンプルで外装も内装も無駄はない。各種メーターや操作機能も大幅に減らして、全てタブレット状の操作パネルに集約されている。その代わりエンターテイメントのコンテンツを大画面で楽しめる要素が追加され、自動運転となったら、みんなで映画をみたりゲームをしたり、「ながら運転」するイメージとなるという。

ガソリン車以上に加速力があり、エンジンがない分、車内が広く前後の荷物スペースが十分確保されているという。一方で、ガソリン車の給油時間が数分であるのに対して充電時間は長いという欠点もある。また、テスラは当初高級車であったが、モデル3という普及版と補助金で300万円台で購入できるようになったという。

テスラは自動車業界の「黒船」であると実感したと榊原氏は語っている。今普及している日本車もかつてのガラケーのような運命となるか、大きなイノベーションであると言える。🚘🚗📶🩺📈😷💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇯🇵🇺🇸